2019年8月19日 (月)

笠沙陶苑のあきのこないデザイン 20年経っても変わりません いいね

妻が笠沙陶苑に行きたいと口にしました。久しぶりに二人で加世田までドライブしました。

笠沙陶苑は加世田の白亀にあります。総合運動公園(大迫スタジアム)の近く、ひっそりとした林の中です。最近でこの窯に行ったのはもう10年以上昔のこと。記憶が曖昧だったので大丈夫かなと思いつつ探しましたが、あっけないほど簡単に見つかりました。

ここの陶器の特徴は、普段の生活で使うような食器類が非常にシンプルなデザインでできていること。色も非常に柔らかくて落ち着きます。妻は湯飲みを、私は小鉢を買いました。2つで3000円ほど。妻の湯飲みは自宅にある湯飲みとうり二つ。当たり前ですね。昔ここで買った湯飲みをまた買い求めたわけですから。わたしが選んだ小鉢は黒と乳白色の2色が半分ずつ。小さな足が3つついています。漬物やちょっとした和え物を盛りたいときにつかう小鉢がほしかったので、ちょうどよかった。

残念ながらご主人の東さんは不在。奥様と話をさせていただきました。なにしろ妻がここの大ファン。以前、ラーメンどんぶりを買い求めたことがありました。それも8個。もちろん在庫がなくてわざわざ焼いてもらいました。このどんぶりは作品展で受賞した優れもの。これもやはりシンプルなデザインです。乳白色の肌に小さな淡いオレンジ色の輪がいくつか見えています。東さんのお話では粘土の小さな気泡が高熱で焼かれたときにこんな色と模様を作り出すとのこと。こういう色合いがいいんですよね。今でも大事に使っています。なぜ8個もと思うでしょう。我が家は4人家族ですが、お皿などは割れることもあるので多めに買っているのです。

最近はお客様の要望に応えて明るい色調やデザインの陶器が増えてきたとのこと。生活のためでしょうがないということもあるでしょうが、やはり自分の作りたい物を作りたいのでしょう。私の妻が黒さつまが好きだという話をすると、「陶器が好きな人は最初は明るいものを。徐々に黒くて素朴なものを好むようになるんですよ」と話をしていました。「主人がここにいたらきっと喜んでいましたよ」とうれしそうに私たちをもてなしてくれました。

私もシンプルなデザインが好きで、食器だけでなく、家具や家もすっごくシンプルです。色はモノトーンで落ち着いたもの。形はどこにでもあるような伝統的なものばかり。

20年経っても変わっていないこの窯元にきて、久しぶりに静かな安らぎを感じました。こういうところこそ大切にしたい、そして長く続いてほしいです。

「不器用に俺は生きるよ」またこんな男を好きになってしまえり(俵万智)

2019年8月18日 (日)

愛媛戦のユナイテッドの勝因は ズバリ! 中盤のプレス!

昨日は鹿児島ユナイテッド対愛媛FCを白波スタジアムで観戦しました。午後6時前にはスタジアムに到着。いつもは高いところの席に座るのですが、今日はすでに埋まっていて中段あたりを確保。ちょっとしたことなんですが、グラウンドがすごく近くに感じます。

マゼルバカフェのカレードッグを頬張りつつ、スーパードライで喉を潤します。腹ごしらえが済んでからは島美人の振る舞い酒を、ビール用のカップになみなみと注いでもらいました。勝利の女神から「今日は焼酎に氷を入れてきました。氷はとけちゃいましたが冷えてますよ」 ありがたいサービスに感激です。

ユナイテッドはFWに新加入のルカオを起用。初めて見ましたが上背がすごい。そして均整の取れた体つき。ユナイテッドにはないタイプの選手です。そして萱沼が五領のポジションで先発。韓や酒本は控え。どういう作戦なのか気になります。

試合は愛媛が先制。でも、その前の縦パスはどう見てもオフサイド。ハイライトでも確認しましたが、パスの瞬間、ユナイテッドのDF堤よりも愛媛の選手の体がゴール側にはみ出て見えています。ユナイテッドには不運でした。そして2点目も愛媛。ニウドが対応できずに固まった状態でボールに触ってしまい、クリアミス。そこを押し込まれました。これもまた不運でした。

ルカオは空中戦が得意かと思いきや期待外れ。体の動きが悪く、一度も競り勝てずに終わりました。前半は愛媛の5バックが完全にスペースを消していて、ユナイテッドに自由にシュートをうたせず、シュートはいずれもDFにブロックされてしまいます。また、愛媛は中盤でワンタッチでショートパスを回し、これが面白いように決まります。ユナイテッドはなかなか中盤でボールを奪えません。

後半15分を過ぎたところで、ルカオ、萱沼に替わって韓、五領が入ります。突然といっていいぐらいゲームの流れが変わりました。立て続けに4点を奪う大逆転。五領のアウトレンジからのフリーキックが直接決まるシーンにはしびれました。

ゴールシーンばかりが注目されますが、選手交代で一番大きく変わったのは中盤のプレスです。特に五領がエネルギッシュにフィールドを駆け回ります。愛媛の選手たちが明らかに慌てていました。疲れがでたのかもしれませんが、中盤でユナイテッドがボール奪取やインターセプトをする場面が急増。愛媛の攻撃の芽を完全に潰していました。これによって砂森、藤澤の両サイドバックの守備の負担が減り、彼らが高い位置からクロスやシュートを放ちます。

韓、牛ノ浜、五領とアタッカー陣のゴールが目立ちましたが、中盤のプレスが逆転勝利を呼び込んだといって間違いないでしょう。残念ながらルカオや萱沼は先発出場の機会が少ない分、そのあたりの感覚がなかったのかもしれません。

ところで事前に注目していた藤澤と下川の対決。愛媛の2点目は下川のクロスが起点でしたが、ユナイテッドの4点目は藤澤のアシスト。でも、総じて見るとユナイテッドの勝利でした。特に後半の五領の存在が光りましたね。

真夜中の鬼追うごとしいつもいつもおまえに少し遅れて眠る(俵万智)

2019年8月17日 (土)

ユナイテッドVS愛媛の見どころ

鹿児島ユナイテッド対愛媛FCが、本日午後7時から白波スタジアムであります。先週は東京ベルディに勝ち損ねて3-3の引き分けとなったユナイテッド。現在20位と依然として苦しい位置であることに変わりません。一方、愛媛は3連勝で14位と調子を上げています。前回対戦ではユナイテッドが3-0で勝利していますが、今日はどうでしょう。私なりに分析してみました。

鹿児島はほぼベストメンバーで臨むでしょう。8月になってからメンバーを固定してきました。しかし、新加入の選手の情報を私は持ち合わせていません。そう考えると平川のように彼らもすぐに出場する機会があるかもしれません。

愛媛のフォーメーションは3-4-2-1でディフェンス重視。自陣からのポゼッションがチームの攻撃スタイルです。それに両サイドハーフのドリブルや、トップ下の2人が自由に攻撃参加。そんなイメージでしょうか。

以前のブログに書きましたが、ユナイテッドのフォーメーションは4-2-3-1。攻撃の特徴はセンターフォワードのポストプレーを起点にして3人のアタッカー陣がゴール前に切り込んでいくスタイル。それに両サイドバックが高い位置でクロスを上げていきます。そのため、カウンター攻撃にもろい。ディフェンスラインが整う前に失点、あるいは人数がそろってもディフェンス陣が棒立ちで失点というケースが目立ちます。

ユナイテッドのもう一つの特徴は、ボール保持率が50%未満のときの勝率が圧倒的に高いこと。ユナイテッドの試合運びではゴールキーパーのアンジュンスとバックスでボールを回すシーンがよくあるのですが、データを見る限り、ディフェンスのときは無理にボールを奪わずに相手にキープさせつつもフリーでシュートを撃たせない。ボールを奪って攻撃に転じたときは速攻でゴールを狙うという展開がユナイテッドの勝ち試合なのです。

そう考えるとボール保持率の高いチームほど、ユナイテッドにとっては勝つ確率が高いと予想できます。ボールポゼッションスタイルの愛媛はユナイテッドにとって相性が良さそうです。

注目する選手ですが、愛媛は左サイドハーフの下川。彼はドリブルが得意。ユナイテッドの右サイドバックの藤澤も同じスタイルです。どちらの選手が勝るのか、周囲のフォローがあるのかが見ものです。

今日は晴天。クマゼミがせわしく鳴いています。お盆も過ぎて、そろそろツクツクボウシが鳴く頃ですが、いまだに土地の中からでてきていないみたいです。まだまだ暑さが続くのかしら。

炎天へ打って出るべく茶漬飯(川崎展宏)

2019年8月16日 (金)

ファクトフルネス データをもとに世界を正しく見るために

「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロランド)を読みました。400ページ近い大作ですが、文章は平易で図表もたくさん掲載されているので非常に読みやすい本です。

この本は最初に三択クイズが出題されています。紹介してみましょう。 問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が初等教育を終了しているか?(20%、40%、60%) <正解:60%> 問2 世界で最も多くの人が住んでいるのは?(低所得国、中所得国、高所得国) <正解:中所得国> 問3 世界の人口のうち、極度の貧困にいる人の割合は過去20年でどう変わったか?(2倍になった、横ばい、半分になった) <正解:半分になった> 問4 世界の平均寿命は現在およそ何歳か?(50歳、60歳、70歳) <正解:70歳>

クイズはぜんぶで13問あります。でたらめに答えても3分の1の3,4問は正解するはず。しかし、先進国の高学歴の人々に出題したとき、正解率は20%(1,2問)も満たなかったことが繰り返し紹介されています。あなたは1問でも正解しましたか?

世界は確実によくなっています。そして先進国と低所得国との経済格差は確実に縮小しています。しかし、ほとんどの人々はそう思っていません。30~50年前の世界観がずっと頭の中に残っているか、マスコミが報道する悲惨な世界を真に受けているのです。

私の妻もほとんど不正解でした。一方、高校生の娘は半分以上が正解。クイズの一つに予防接種を受ける子どもの割合があります。現在は80%(!)の子どもが何らかの予防接種を受けています。娘は地理の資料集で紹介されていたこのデータを覚えていました。娘の成績が悪いのを妻はよく叱っていますが、よく勉強しているのはどっちでしょうか?

今NHKの夜のニュースを見ています。新幹線の計画運休の情報が日本人には伝わったものの、外国人観光客には伝わっていないという失策(?)を繰り返し報じています。すごいですね。よくまあこんな問題を見つけてきたものです。問題はどんどん微細化していきます。そしてマスコミが大きく取り扱うことで大問題のように印象づけます。

でも、台風の影響を受けたり被害を受けた人はこの数十年で確実に減ってきています。トラブルがないと視聴率がとれないマスコミは、ニュースのネタ探しに一生懸命です。渋滞発生はニュースになってもお盆のUターンラッシュがないことはニュースになりません。マスコミが考えるのは、問題の本質は何か? ではなく、視聴率が取れるのは何か? 新聞・雑誌の販売数が伸びるのは何か? です。マスコミが正義をふりかざすように言葉にする「真実を報道する」は、まったくの「ウソ」です。そういう気持ちを持つ人は極めて少数派です。

そういう嫌な時代に、「ファクトフルネス」は日頃から私がうすうす感じていることを、数字や事実を積み重ねて丁寧に紹介していました。私が好きな橘玲も「不愉快な真実」を繰り返し著書で紹介しています。最近は彼の著書がベストセラーになることが増えてきました。とてもいいことだと思います。

ちなみに団塊の世代である私の父に、橘玲の本を読むよう何度も勧めましたが決して手に取ろうとしません。「憲法改正をしようとする安倍は許せない」「こんな状況だったらアカハタが乱立してもいいはず」などとマスコミに踊らされているのが明らかなので、ちょっと熱を冷ましてあげたいのですがね。ユリウス・カエサルが言うように「人は自分の見たいものを見たいようにしか見ない」のですね。

通るたび「本日限り」のバーゲンをしている店の赤いブラウス(俵万智)

2019年8月15日 (木)

報道されない非モテの存在 「インセルの反乱」と「大きく黒い犬の問題」

今日はお盆。台風の影響で悪天候。家にとじこもり「上級国民/下級国民」(橘玲)を読みました。

少子化問題がクローズアップされて久しくなります。50歳での生涯未婚率が女性が1割、男性が2割程度います。どうして差があるかというと男性が2回以上結婚する、つまりモテる男性が存在するからです。

橘玲はいつものように進化論で読み解きます。

男性は子孫をたくさん残すには多くの女性とセックスすることが合理的です(倫理的には問題があるという批判はここではしません)。一方女性は、出産・育児に時間とお金がかかります。そうなると頼りになる男性とずっと一緒にいることが合理的です。つまり男女で子孫を増やす方法が異なるため、未婚率にも差がでてくるというわけです。

もともと一夫一妻制とは近代以降にヨーロッパで始まった極めて特異な制度です。それが植民地支配とともに世界に広まりました。逆に一夫多妻制は、女性の権利を侵すとフェミニストから攻撃されて少数派です。ところが自由恋愛の社会はちょっと違いますよね。結婚しなくてもセックスはできるわけですから。

ここまでの話は「もっともではないか」と現代の人は思うでしょう。しかし、人類に本来備わる生殖行動と現実のギャップが恐ろしい歪(ひず)みを生じさせています。自由恋愛が認められている社会では、魅力的な男性は上位20%。そこに女性の80%を占める魅力的な女性が群がります。そうなると男性の80%には魅力のない20%の女性から選ばざるをえません。非モテにとってはつらい社会です。その結果、非モテの男性は性愛から排除されることで人生をまるごと否定されたと受け止めてしまうのです。経済的にゆたかになれば女性と恋愛(結婚)できるチャンスがあります。でもそれもなければ女性とつきあう機会すらやってこないでしょう。

恋愛と縁のない若い男性を日本では「非モテ」、アメリカでは「インセル」と呼ばれます。そのアメリカではインセルによる無差別大量殺人が頻発しています。これは韓国でも同じ。日本でも記憶に新しい大量無差別殺人は、若い独身男性(たぶん「非モテ」)による事件です。そしてネット世界では、彼らは「神」ともてはやされているそうです。

しかし現実社会ではまったく話題になりませんよね。非モテは社会から黙殺されています。評論家の御田寺圭はこれを「大きく黒い犬の問題」と名付けています。捨て犬の保護施設では、毛並みの明るい、あるいは小柄な捨て犬は比較的容易に引き取られますが、誰にも関心を示されない「大きく黒い犬」のほとんどは殺処分されます。現代社会では「非モテ」は、この「大きく黒い犬」だというのです。

非モテの彼らによる殺人事件が発生しても、報道ではできもしない加害者の動機解明や、被害者のお涙ちょうだい話にテーマがすり替えられています。そして先日の選挙報道でも、争点は「年金」や「憲法」という若い独身男性には無縁のことばかり。マスコミは団塊世代の関心の高いことに注目してばかりで、「非モテ」の問題は完全に無視しています。

学生時代に彼女が一度もできなかった「非モテ」の私は、この本にとても共感できました。何度も挫折したものの就職でき、そこで知り合った女性と幸い結婚でき、娘も生まれました。しかし、彼らとの差はほんと些細(ささい)なところではないかと思えてしかたがありません。ちょっとした差がこんなに開いてきたのだとすれば、私の幸運に感謝するしかありません。

愛人でいいのとうたう歌手がいて言ってくれるじゃないのと思う(俵万智)

2019年8月14日 (水)

サッカーの醍醐味はロスタイム 天皇杯の鹿屋体育大学とユナイテッド

今夜はNHK-BSで、サッカー天皇杯 鹿屋体育大学対大分トリニータを放送していました。鹿児島県代表の鹿屋体育大学をもちろん応援します。

台風が接近する中、大分のスタジアムはまさに豪雨と強い風が地面にたたきつけていて、ピッチもぬかるんでボコボコ穴が開く最悪のコンディションでした。

鹿屋体育大学は5バックに4ボランチといった方がいいぐらいの守備的なフォーメーション。前半は大分トリニータも攻めあぐねます。しかし、後半になってからは大分ペース。何度も惜しい場面が訪れます。そして後半ロスタイム。右からのマイナスのセンタリングにフリーの選手がヘディングで押し込み先制。勝負あったかに思われました。

ロスタイムは3分。その3分になろうとしたその瞬間、ハーフウェイライン近くにいた大分のディフェンダーがキーパーにバックパスをしたところ、前に出すぎていたキーパーが追いつけないほどの勢いでボールはゴールにまっしぐら。まさかの同点オウンゴール。驚きました。

そして延長戦。前半、後半の合計30分はとても見ていられない内容でした。悪コンディションで疲弊した鹿屋体育大学の選手たちは、足が完全に止まっていて、ボールを奪ってもただ前に蹴るだけ。せめてPK戦に持ち込めればと思った延長後半終了間際、大分のミドルシュートが決まってジ・エンド。2-1で負けてしまいました。

試合内容は見るべきものはありませんでしたが、後半の予期せぬドラマチックな展開がハラハラドキドキを生み出しました。こういうのがスポーツならでは。

このあいだの週末。鹿児島ユナイテッドと東京ベルディの対戦がありました。私はJリーグ公式サイトのテキスト速報を見ていたのですがこれも興奮しました。後半にユナイテッドがゴールを決めて2-0。楽勝かと思われたのに、なんと終了間際の5分間で3失点。しかも3点目はロスタイムとあって大ショック。「何やってんだよ!」と頭を抱えた数分後、韓選手が同点ゴール。そしてPKを得たとの表示が。「やったぜ!」と思わずパソコンの前でガッツポーズ。どころがそれからしばらくたっても表示が更新されない。もどかしい気持ちでいると「PK失敗、試合終了」の表示が。オー・マイ・ガー!!!!

翌日、ハイライトを見ました。1失点目は藤澤が体を寄せないままペナルティエリアへの侵入を許し、フリーでマイナスのクロスを入れられてゴール、2失点目は不意のミドルシュートにアンジュンスがキャチミス、3失点目も周囲にいたユナイテッドの選手はほとんど棒立ち。情けなくなります。一方、韓選手の同点ゴールは寝転びながらのオーバーヘッドキック。そして最後にPKを外したのも体をしっかりとコントロールできなかったんでしょうね。ハイライト動画の下にはコメントが投稿されていましたが、ほとんどは「くそゲーム」などの辛辣な批判でした。無理もありません。どちらのファンも勝った!と思っていた試合が最後は引き分けですから。

でも私は、この泥臭いシュートを決めるところがユナイテッドの進歩だと思います。ロスタイムに逆転されても最後まで諦めない姿勢が私を熱くさせてくれました。週末は白波スタジアムでFC愛媛と対戦です。もちろん応援に行きますよ。

雪降れば降れ「ナニクソ」いのち青し(林正行)

2019年8月13日 (火)

文章力向上のためには、とにかく書くこと、そして切磋琢磨すること

小論「書くことを教える」(堀田あけみ)を読みました。

彼女は作家であり、椙山女学園大学の教授。大学では小説を書くことを教えています。教えていく過程で彼女は自分の思い込みに気づきます。ひとつは「女子大生が面白い作品を書くはずがない」。試しに学生に書かせてみた文章に読みふけってしまうとか。文章や筋がどうとかではなく、一生懸命に書かれた作品には吸引力があったと認めています。

そしてもうひとつが「文章を書くことは教えられても上達するものではない」。書く回数を増やせばシンプルに文章力は上がるそうです。

私は小学生のころは文章を書くことが苦手でした。夏休みの宿題でも400字詰め原稿用紙で2枚も書くのがやっと。どんな課題であれ、原稿用紙4枚以上書いた記憶がありません。書くことが思いつかなかったから。日記もそうです。書くことが思いつかないので晩ご飯のおかずなどを書き、翌日は担任の先生から怒られたこともありました。

小学校を卒業してからも文章を書くことはほとんどなく、大学は法学部でしたが卒論がないのが特徴の大学でした。これじゃあ文章力がつくはずがない。

この小論を読んで面白い一節がありました。彼女は日頃、学位にふさわしい作品をつくりあげるような指導を心がけているそうですが、それが伝わる相手とそうではない相手がいるそうです。大学を卒業するための作品に、少女が魔法使いに変身、超能力少年がロボットを操る、平凡な少年が覚醒して、悪役をやっつける、異性からモテモテになる、という内容を書いてくる学生の存在です。そして問題なのはそれを恥ずかしいと思わないこと。

そんな学生はすべて男性。しかも毎年1~3人いるというからびっくり。彼女の指摘に対し「こんなにたくさん書いたのに」と反発し、長さではなく質の問題だと答えると「実は僕はいじめにあっていたんです」と、作品の質と関係ない言い訳。どうやらいじめの被害者であることはすべての問題において免罪符との認識を彼らはもっているようです。そういう学生の多くは「ライトノベル(他のジャンルは書きたくない!)作家になるために就職活動はしない。就職して汚れたくない」と彼女の意見を否定して卒業していくそうです。

しかし、そういう学生で世に出た者は一人もいないとか。逆に、惜しいところまで行ったり、大手出版社から自作を上梓したりしたのは、彼女の指導をうけてきちんと学び、教養と知識、社会的なスキルを身につけて就職した女性達だったとのこと。

「山月記」(中島敦)にも自分のプライドの高さ故に友人らとの切磋琢磨を嫌い、地方に引きこもって最後は虎になった秀才の男性がでてきます。比べるだけでも中島敦に失礼かも知れませんが、プライドだけは超一流というのは今の学生かもしれませんね。

私はこのブログを、毎日1話書いています。もちろん出張や入院などで物理的に不可能なときもありましたが、それらを除けば当初の目標どおり書いています。気づけば最初の頃よりも文量が増えました。文章を書くことに慣れてきたってことでしょうね。ただ文章力が向上したかは謎ですが。

私のブログにコメントを書く人は今までひとりも現れていません。となると私が自分のブログの評価を知るのはアクセス数のみ。どうやればアクセス数が増えるのか、誰も教えてくれません。インターネットの世界は世間の厳しさを教えてくれます。いじめを免罪符にしている学生達もネットに作品を掲載しているんでしょうか。自分の作品が読まれていない現実にちゃんと向き合えているのか気になります。

偶因狂疾成殊類 災患相依不可逃(たまたま狂疾により異類となる 災患あいよって逃がるべからず) (山月記の主人公、李徴が友人に詠んだ七言律詩の冒頭部分)

2019年8月12日 (月)

灼熱地獄の市民農園 キュウリが実ったのにコオロギが消えた

この週末は市民農園に行きました。毎日暑い日が続きます。日中は35度。一日の最低気温が28度なんですから異常な暑さです。エルニーニョ現象で冷夏の予報だったのに、エルニーニョが消えたと発表された途端にこれですからね。天気予報も当たってないといえなくもない。

私は畑にまったく水をまきません。その影響なのか、一部のクローバーは枯れていました。1月前に花が咲き誇っていましたらね。盛りをすぎてしまったのも一因かも。

しかし、カボチャとキュウリをそれぞれ2本しかありませんが、20平方メートルの私の畑を這い回っていました。旺盛ですね。かぼちゃは実がついていましたがどれも小さい。一方キュウリは長さ30センチ弱、太さが5センチ程度の実が2つなっていました。でも非常に薄い緑色。スーパーで売られているのはあんなに深い緑(というか黒に近い)のにどうしてなんでしょう。

私のキュウリは地面に這わせています。職場の同僚に言わせれば「地面に実がつくとそこから腐れますよ」とのこと。私は無視してネットなどを立てませんでした。そのかわりに地表には麦わらをまき、クローバーを茂らせています。これでどういう結果になるかが私にとっての関心事なのです。

結論から言うと地面に接している側には虫に喰われていました。しかし、上を向いた側はきれいにしていて腐れているようには見えません。自宅に持ち帰ってから虫に食われた側の表面を包丁でむきましたが、中はじゅうぶん食べられます。そのまま刻んでごま油で炒め、オイスターソースと七味唐辛子で味付けをして当分のおかずにしました。みずみずしくて結構いけてましたよ。

畑で不思議だったのが、先週まで大発生していたコオロギの姿が見えなくなっていたこと。あんなにたくさんいたのにどこに消えたのか? 妻が迎えに来るまで時間があったので周囲の畑を見て回りました。どの畑にも虫の姿は見えません。謎です。

この市民農園には100近い区画があるのですが、そのうち10区画ほどは雑草がぼうぼうと茂っています。夏の草取りは大変ですからね。とても追いつかないんでしょう。けど、市役所から苦情の電話がきてないのかしら。私は自分でまいたクローバーですら管理不十分だと電話がきたのに。この惨状では毎日電話がきてもおかしくないレベルですよ。

そしてある畑の近くによると、突然数十羽の雀が畑から一斉に飛び立ちました。何を食べていたのかわかりませんが驚くほどの密度。私の直まきした米籾も雀のエサになったのかも。

実家に帰ると農家出身の母が助言「キュウリは地面におくとコオロギが食べられてしまうよ」 なるほど、確かにコオロギや鈴虫を家で飼ったときはナスビやキュウリをきってエサにしていました。でも、私の畑からコオロギは消えたんだよなあ。それにキュウリの上に乗って食べるならともかく、地面に接するところに体を潜らせて食べるかな。母の経験談にはちょっと納得できませんでした。自然現象には簡単に理解できない仕組みがあるんでしょうね。

一山で百円也のトマトたちつまらなそうに並ぶ店先(俵万智)

「犯韓論」を読む 歴史ファンタジーと正しい歴史認識

「犯韓論」(黄文雄:台湾人)を読みました。もともとこの著者は韓国人を毛嫌いした本をいっぱい書いているので、今回もそういうものだろうという前提で図書館から借りました。

内容は予想どおり、韓国人の非常識ぶりをこれでもかと書き連(つら)ねています。気になったキーワードは「ウリナラ自慢」(お国自慢といえば聞こえがいいですが、孔子や秦の始皇帝は韓国人とか、剣道や華道は韓国発祥とかのトンデモ自慢です)、「事大」(弱者が強者に仕(つか)えること。韓国は常に強い方の顔色をうかがって自分の態度を決めているので独自性なんてありゃしないという文脈で使っています)など。

韓国(というか朝鮮半島)の歴史でおもしろいなと思ったのは、常に中国の属国であったということ。もちろん李氏朝鮮など国王がいるのですが、ほとんどが中国の庇護(ひご)を求めていたという歴史です。だから朝鮮では「朝鮮国」の歴史という概念がなく「中国の一地方史」ということになります。表現は悪いかも知れませんが、韓国は古代日本の熊襲(くまそ)や蝦夷(えみし)みたいな存在といった方がいいかもしれません。日本史の教科書に熊襲や蝦夷の歴史がほとんどないように、韓国にも独自の歴史がほとんど存在していないのです。

歴史は記録です。遺跡(遺物)や文字が残っているかも重要です。ところが韓国にはそういうものが残っていません。易姓革命といって武力を盾に前王朝を簒奪(さんだつ)することが当たり前でした。自分の王朝を正当化するために、前の王朝の事績をすべて否定したのです。韓国も文字どおり簒奪を実行したのでしょう。

そういうふうに読み解くと、韓国政府は日本の統治時代を完全に否定しなければなりません。また、歴代の大統領もことごとく失脚して犯罪者となったのも同じように理解できます。易姓革命の考え方が今でも体に染みついているということです。

それにしても「朝鮮半島の歴史はファンタジー」というフレーズが何度もでてくるのには笑いました。存在しない(過去の記録を徹底的に廃棄する)から何とでもねつ造できるわけですね。そして韓国人のいう「正しい歴史認識」という意味もよくわかりました。日本人は歴史を学問として真実はひとつであると考えていますが、韓国人の言う「正しい」とは「学問的な真実」という意味ではなく「政治的に正しい」という意味。韓国人には「日本統治時代はすべて悪」という結論があるので、それを証明するもの(歴史)しか存在しないのです。

こう考えると「従軍慰安婦」も、なぜ被害者である韓国政府は事実関係を立証しないのかが理解できます。通常の民事裁判であれば、被害者側に立証責任があります。しかし、このときは某日本人の証言(とその報道)が国際問題を引き起こし、加害者である(立証責任のない)日本政府が詳細な調査をしました。一方で韓国政府はそういう証拠を積み上げることはせず、日本は極悪非道だというファンタジーを世界に宣伝しているだけです。

それだけではありません。この本を読んで、韓国政府が日韓基本条約で賠償問題を完全に解決したことを国民に知らせていないことを初めて知りました。すごい国ですね。韓国政府が徴用工の問題で放置するはずです。

「日韓併合を生きた15人の証言」(呉善花:韓国人)を読んでも同じことを感じました。植民地時代の朝鮮に住んでいた日本人へのインタビューでは、「日本人は朝鮮人をいじめたり、女性を強制連行するようなことはなかった。逆に極めて少数派の日本人がそんなことをしたら、我々は無事ではなかった」と話しているのに、当時の韓国人へのインタビューでは「(周りがそういっているから)日本人は強制連行などのひどい仕打ちをしていた」と今の韓国世論を代弁するだけ。彼らは自分の見聞きしたことのないことを証言しています。ねつ造とはいいませんが悲しいですね。

どうもどうもしばらくしばらくと繰り返すうち死んでしまいぬ(高瀬一誌)

2019年8月10日 (土)

レブナイズの松崎圭介のサインをゲット! はて、もう一人の選手は?

金曜日は鹿児島県庁2階でプロバスケットボールチーム(B3リーグ)の鹿児島レブナイズのファンクラブ会員申し込みを受け付けていました。私は1階の生協売店でノートと黒のマジックペンを買い求めてから、受付場所に急ぎました。

お昼休みということもあって、2階のホールは多くの人々でにぎわっています。受付のデスクの前には一見してバスケの選手とわかる長身の男性がいました。福田選手かと思いきや松崎選手でした。やはりデカい。

申し込み手続きをする間、松崎選手にサインをお願いしました。そして近くにいたもう一人の選手にもサインをお願いしました。しかし、その選手はどうも顔に見覚えがない。はて? 誰だったっけ?

サインはひらがなで「さいち」と読めます。そんな選手はいたかいな? 「きいち」であれば川上貴一選手となるわけですが、身長は私と変わらないので180センチ以下のはず。川上選手は確か180センチを越えているはずだし、そもそもレギュラーだから顔を知っています。そんなはずはない! と思いながらも本人に名前を聞くのも失礼。結局わからないまま自宅に戻りました。

家のパソコンを開けて鹿児島レブナイズのホームページを開いて見ましたが、「さいち」と読める名前はないし、何より選手の顔写真がアップされていない。どういうこと? もやもやした気分のままでした。

それにしても今日、どれだけの人がファンクラブに加入したんでしょう? 受付には列こそできませんでしたが、ぼちぼち加入手続きをしていました。私が最初に会員になった三年前は周囲には誰もいない寂しさでした。それからするとずいぶん定着してきたでしょうか。

私は会員になってから3年。鹿児島アリーナでの試合は、土日のどちらかは必ず観戦していますが、観客はいつも500人前後。サッカー(鹿児島ユナイテッド)の10分の1です。もちろん、収容人数が白波スタジアムと体育館(鹿児島アリーナ)では断然の差がありますが、それでも寂しい限りです。受付では声かけの時に「ユナイテッドではありません。レブナイズでーす」と自虐的なPRをしていましたが、それぐらい知名度では落ちますからね。

2019ー2020シーズンは鹿児島アリーナでの試合は3回だけ。鹿児島県総合体育センター体育館が4回、鹿児島市以外の開催が8回。鹿児島市内で観戦できる試合はずいぶん少なくなりそうです。ちょっと残念です。

そうそう、せっかくノートにサインをしてもらったので、今シーズンは試合後のサインをもらうことにします。このノートに選手全員のサインを集めるのが目標です。妻からは「幼児化してるんじゃないの?」とバカにされましたが、全部集めてレブナイズファンの娘にプレゼントできればと思っています。

読みやすく覚えやすくて幹事夜平凡すぎず非凡すぎぬ名(俵万智)

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