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2022年5月 6日 (金)

「空飛ぶクルマ開発最前線と実現に向けた課題」を読む

プロ野球が開幕して1ヶ月が経過しました。北海道ファイターズの新庄監督が本拠地開幕戦において空飛ぶバイクにまたがって登場しました。新庄報道は最近落ち着いてきましたが、「空飛ぶ」メカの開発は今どうなっているのでしょう?

中野冠氏の標記小論によると、世界では300から400の企業が空飛ぶクルマの開発を進めていて、すでに多くの企業が試験飛行に成功しているようです。

しかし、これらの企業が開発を進める大きな難関が資金調達。アメリカや中国など、空飛ぶクルマを軍事技術とみなしている国は政府が援助していますが、日本の防衛産業はリスク投資を回避する傾向にあり、日本の投資家も二の足を踏んでいることが多いようですね。

現時点で、800億円調達可能と言われているのは、技術的に最も進んでいると言われているジョビー・アビエーション社(アメリカ)のほか、マーチャー・アビエーション社(アメリカ)、リリウム社(ドイツ)、ヒュンダイ(韓国)の4社のみ。

調査機関であるルフトハンザ・イノベーション・バフ社の発表では、空飛ぶクルマの全世界の年間販売台数予測は、2020年代は1万台以下、2030年代は20万台以上、2040年代は800万代以上、2050年代は6000万代以上とあるので、前途洋々といったところでしょうか。

論者の中野氏は「6000万台という数字は、2000年頃の全世界の自動車の年間販売台数なのに、ここまで伸びるかは疑問だ」と言っていますので、そこは眉唾(まゆつば)ものですね。

日本ではスカイドライブ社が日本政策投資銀行、NEC、伊藤忠などが出資し、大阪府、福島県、三重県が技術提携をしています。自治体が技術提携というのが違和感をおぼえるところ。なんで?

空飛ぶクルマの実用化は、日本ではまだまだ先になりそうです。何しろスカイドライブ社の試験は、日本政府が基準をつくっていないために、巨大な檻(おり)の中でしか認められていないというんですから。

世界的にみても、実用化にはまだ検討すべき課題があるようです。例えばヘリコプターが普及しないのはアメリカでは騒音、ヨーロッパではのぞきの問題がクリアされていないからです。空飛ぶクルマも同じ問題がある上に、運賃、バッテリー性能の向上などさまざまな課題があるようです。

とはいえ、開発が進んでいるのは事実。論者の予測では、2025年に海辺の遊覧開始。2030年に救命救急医療、二次交通(空港から観光地へ)の実用化。2035年に自家用・社用が出現。となっています。

私は空飛ぶクルマには興味は惹かれませんね。下から眺めるだけで一生を終えそうです。

着陸の飛機に迫りぬ大花火(友井正明)