2020年8月 3日 (月)

特別給付金の使い方 家の近くでホテル暮らしか顔のほくろの摘出手術か

今日の夕方のNHKニュースでは「特別給付金があったから」の見出しで児童虐待(育児放棄)の後追い報道が流されていました。

1歳と3歳の娘二人を11日間自宅に放置していた20代の夫婦が,保護責任者遺棄の罪で逮捕されましたが,この11日間はホテル住まい。このホテル代は特別給付金を充(あ)てていたというもの。

子どもの夜泣きがひどいので眠りたかったというのがホテル暮らしの理由らしいのですが,1世帯40万円支給されたのに,それを鹿児島市内のホテル住まいで使ってしまうなんてなんて無駄なんでしょ。これだったら安いアパートでも間借りした方がずっとましだろうに,なんて思うのは貧乏人の性(さが)なのか。

もう10年以上昔のことですが,生活が大変だという若い女性のことが朝日新聞の1面に掲載されていたことがあります。いわゆる貧困層の若者特集です。その記事の内容が驚きです。何しろ電話料金が毎月2万円支払わざるをえず食費に困っているというもの。「バカをいうのもたいがいにしろ!」と紙面を読みながら怒りがこみ上げてきました。

私が子どもの頃は貧しい家庭の子がクラスに1,2人いました。そういう家庭は電話すらありません。固定電話でも月々3千円程度だったでしょうか。それでも食費を削って電話をするなんて人は聞いたことがありません。

こういうのは貧困ではありません。携帯電話依存症です。アルコール依存症,タバコ依存症と同じで病気です。それを貧困で苦しんでいるなんて主張する新聞に呆れました。

今回事件を起こした若夫婦のことは,私は何も知りませんが,子どもの夜泣きに悩まされたというのは理解できなくはありません。しかし,その解決策として子どもを置き去りにしてホテル暮らしを選択するというのは飛躍した発想ですね。少なくとも私にはない考え方です。

さて,特別給付金のこと。数日前に大学生の娘から連絡がありました。どうやら娘は顔のほくろを切除するのに使うとのこと。1つ1万円らしく,全部で3つのほくろを切除したそうです。手術後の娘の顔写真がスマホで送られてきました。

私が見てもビフォー,アフターで何も感じないのですが,本人からすれば大きな出来事なんでしょうね。美容整形と言えば,一重まぶたを二重にしたりなんてよく聞きましたが,ほくろを切除することもごく普通なことに少々戸惑いを覚えました。

生活費ならともかく,特別給付金のような「棚からぼた餅」の使い道には人間性がよく表れます。普段なら思いつかないことに使う人,食事などに贅沢をする人,堅実に貯金したり生活費に使う人,慈善団体に寄付する人などなど。それにケチ(善悪)をつける気持ちはさらさらありませんが,宝くじに当たった人が浪費してすぐに貧乏になるという話は本当なんだろうな,なんて妙なことを考えてしまいました。

ところで私は夫婦で外食することにしています。仕事が忙しくてなかなか出られませんが。ようやく休めた先日の土曜日は近くのラーメン屋で辛味噌ラーメン880円を食べました。外でラーメンを食べたのは1年ぶりぐらいかしら。そんな生活を送る私には,これぐらいの贅沢がちょうどいいようです。

夢のようなバナナの当たり年と聞く (上田信二)

2020年8月 2日 (日)

映画「HEAT」を見て思うこと 東京都の感染者数を速報する価値がある?

今日の午後はテレビを見てゆっくり過ごしました。鹿児島の新型コロナウイルス感染者は今日は確認されていないこともあって,仕事の緊急出動がありません。たまたまBSテレビ東京でアル・パチーノ,ロバート・デ・ニーロという夢の共演,「ヒート」を放送していたので楽しみにしていました。

中年の二人のおっさんのスリル満点のアクション,人生の悲哀を感じさせるシナリオ。大ヒットこそしませんでしたが,なかなかの秀作でした。

それにしてもアル・パチーノの奥さんの連れ子がナタリー・ポートマンという設定が贅沢。まだ少女役ということは彼女にとっては初期の作品なのでしょうが,出演時間は合計2分も満たないのに薄幸の存在感を出していました。

日本語吹き替えだったので,安心して見ていられました。人によっては「字幕じゃないと伝わらない」というらしいですが,私は吹き替えで何が悪い? と思っています。なにしろ字幕だとそちらに気をとられてしまいます。それよりはずっとましだと思うのですけどね。

本人の声を聞くことができない,あるいは歌となると吹き替えでは太刀打ちできないのですが,そこまで細かく言う必要はないと思いますけどね。ただし,ミュージカルだけは字幕がいいですね。そもそもストーリーよりも歌やダンスを楽しむのだから。

さて,映画を見ている途中,字幕はないはずなのにニュース速報が画面の上部に何度も現れました。一つは東北地方の大雨のニュース。これは理解できます。災害を招きかねない自然現象は速報する価値がありますからね。

しかし,さっぱり理解できないのはニュース速報に,本日の東京都の感染者数が流れたこと。最近はこれまで最多の400人越えが出たばかり。しかし,今日は300人を下回っていました。なぜ,こんなニュースを速報で出す必要があるのか。

全国で新型コロナウイルス感染者が発生しています。人口10万人あたりの感染者数や病床数の逼迫度からすれば沖縄県の方がはるかに深刻な状況です。東京の感染者数にどれだけの緊急性があるんでしょうか。やっぱり「東京」だから価値があるんでしょうか。

今朝の朝日新聞を読むと,国内の感染例は累計でおよそ3万8千人。死者は1013人(死亡率2.7%)です。入院中・療養中はおよそ9300人。ということは,2万6千人以上の感染者は既に退院して元気に日常生活を送っていることになります。実に7割近くは過去のことです。であれば9300人と死亡者数を報道すれば十分ではないでしょうか。

前にもこの歌コラムで書きましたが,インフルエンザによる死亡率は0.05%程度です。1万人感染すれば5人が死亡しているということになります。それからすれば死亡率2.7%は確かに割合が高い。でも感染例と報道されているのはPCR検査で陽性だった人の数。感染者のほとんどが無症状であることを考えるとPCR検査を受けなかった感染者もすくなからずいることでしょう。そうなると死亡率はかなり低率であることが推測されます。

新型コロナウイルスに関するマスコミの過剰な報道にはいつもながらあきれてしまいます。速報で伝えるなんて,そんなに日本人を不安に陥(おとしい)れたいのでしょうか?

世の中の重荷おろして昼寝かな(正岡子規)

夏本番到来だから蚊取りマット,遮光カーテン,冷やソーメン

7月の4連休で梅雨は明け,鹿児島でもいよいよ(やっと)夏本番を迎えました。この1週間はカンカン照り。気温は連日35度近くまで上がっています。7月は1個も発生しなかった台風もようやく沖縄近海で発生しました。地球温暖化によって台風が次々と湧き上がっても良さそうですがそうならないようです。NHkなどの地球温暖化に警鐘を鳴らすマスコミの納得できる解説を待ちたいものです。

さて,夕べ風呂に入ると蚊のモスキート音がうるさいのなんの。ちょうど窓際のところ蚊が集まっていたようです。家の中にも蚊が飛んでいるので今シーズン初めて蚊取りマットのスイッチを入れました。寝室の入り口と奥と2つ置けば完璧でしょう。これまでのような蚊の羽音で寝苦しさを覚えることなく朝を迎えることができました。

そして遮光カーテンを取り出しました。遮光カーテンと言っても一般のカーテンではありません。農業用のシートを2枚つなげたものです。縦2m,横4mで透過率60%ぐらいのビニール製です。これを2階のベランダにつるします。雨樋受けの金具にビニール紐でくくりつけておくとできあがり。これだけで夏の日差しをほぼ遮断できます。

太陽から直接日光は部屋には入り込まないのですが,ベランダの床の照り返しがものすごい。木の床なのですがおかまいなし。我が家では遮光カーテンをサッシの外につるし,サッシを閉めて,その内側の障子戸を閉めておきます。家の中に明るさはもたらしますが,熱はこれで大きくシャットアウトできます。

夏は朝9時頃まで窓を開け放ち,空気を入れ換えますが,その後は窓を閉めてクーラー運転。こうでないと鹿児島の夏は乗り切れません。

今日の午前中の買い物で,「揖保乃糸」も買っておきました。今日のお昼ご飯は冷やしソーメン。そしてお惣菜のクリームコロッケと鶏肉の甘辛煮です。どちらも「メガ盛り」で特売。2個ずつ取り分けてもまだ20個ずつ残っています。これらは冷凍しておきました。今週のお弁当のおかずになりそうです。

こうして遅れた夏支度ができるのも仕事を休んだから。生活のメンテナンス,自分の健康管理をしっかりしないと仕事のパフォーマンスを維持することはできませんからね。

炎天や生き物に目が二つづつ(林徹)

2020年8月 1日 (土)

李登輝元台湾総統の死去にまつわる報道 天声人語の不可解さ

台湾の李登輝元総統が7月30日に亡くなりました。97歳。台湾の民主化を成し遂げた偉人です。中国と台湾の関係を今の人は知らないでしょうから,私の記憶の範囲で記しておきます。

第二次世界大戦において,日本陸軍は中国大陸において,国民党軍と共産党軍と戦っていました。国民党を率いるのは蒋介石。共産党軍を率いるのは毛沢東です。今でこそ中国共産党は抗日を大々的にPRしていますが,日本陸軍が戦ったのは国民党軍です。共産党は日本軍相手ではかなわないと判断してゲリラ戦ばかり。共産党は日本軍との本格的な衝突を避け,日本敗戦後に国民党軍と戦うときにようやく大規模な戦闘を行いました。

国共内戦の結果,国民党軍は共産党軍に敗れ,台湾に逃(のが)れます。国民党率いる蒋介石は中国の正統な政権は国民党だと主張していましたが,結局は中国大陸を支配している共産党をアメリカなども支持することとなり,現在に至ります。蒋介石の死後,息子の蒋経国が台湾を支配します。

蒋経国の後継者が李登輝です。それまで台湾は国民党の支配下にありました。今の中国が共産党の支配下にあるのと同じような感じです。そこに李登輝は民主主義を導入し,台湾国民は選挙によって総統を選べるようになりました。私が中学生か高校生の頃の話です。

李登輝が生まれてから京都大学を卒業するまでは日本の植民地支配の時代でもありました。京都大学卒業ということで,同じく京大卒業生である私も関心をもっていました。台湾国民の親日ぶりは有名ですが,李登輝の影響も少なからずあると思います。

さて,今朝の朝日新聞の天声人語は,李登輝を取り上げていました。「総統在任中も退任後も,李氏は日本支配に対する嘆きや恨みを公言しようとはしなかった」「好むと好まざるとにかかわらず,日本語を刷り込まれた歳月の長さを思わせて,やはり寂しい」

これを素直に読むと,李登輝は日本の植民地支配に恨みをもっていたが,台湾は中国共産党と対抗するために日本との同盟関係を良好に保つ必要があり,やむなく親日家の振りをしていた,と読者に思わせたいのでしょう。すごい偏向,というか,こじつけですね。

植民地支配は「悪」であるという朝日新聞の主義主張がその背後にあるのは間違いないでしょう。しかし,歴史はそんなに単純ではありません。だったら香港はどうなんでしょう。イギリスから中国共産党に返還されて,香港人は中国共産党に支配されて喜ぶべきだと朝日新聞は主張すべきではないかと思うのですが,こちらは香港の自主独立を前面に出しています。これって卑怯ですよね。力のない正義は無力です。それを無視している。

私からすれば,香港はイギリス植民地時代の方がずっとよかったと思っています。何より言論の自由がありました。

人権は侵してはならないものです。植民地支配はその人権を侵す典型的な例だと朝日新聞は考えているんでしょう。一方,中国共産党の香港における取り締まりのように,言論の自由を侵すことも甚だしい人権侵害です。では,言論の自由と植民地支配が衝突するとき,朝日新聞はどう考えるのか。いうまでもなく,支離滅裂な議論を展開します。見たくないものはなかったことにします。正義論を振りかざす朝日新聞のグロテスクな一面が露わになります。

正義を否定する気はありませんが,このような天声人語を読んで,「我が意を得たり」と喜ぶ人がいるのでしょう。それをいちいち現実化したら世界中は争いばかりになることでしょう。それが朝日新聞の理想郷なのでしょうね。

日輪を隠す日光日々草 (池田澄子)

久しぶりの休日の過ごし方 休むことも戦いとなることの悲しさ

7月は新型コロナウイルス感染者が県内で多数発生しました。そして最初の死亡者が出たと南日本新聞がここぞとばかりに(?)報じていました。日本全体でも死者が1000人を超えました。緊急事態宣言が発出された4月よりも感染が広がっています。

アメリカでは死者が15万人を超えたというから大変でしょうね。4月から6月のアメリカの国内総生産は年率換算で32%のマイナスというから,世界恐慌レベルといってもいいでしょう。

これだけの事実がマスコミから垂れ流されているのに,私の家の周りにはそのような悲劇的な様子はまったく見られません。どうしてなんでしょう? 私の住んでいるところは地球上ではないのでしょうか?(もちろん冗談です)

仕事は大変でした。おだまりクラスターが発生してから1ヶ月間休みなし。朝から夜までの1日12時間~15時間の勤務が31日連続。1月末のクルーズ船の騒ぎから通算すると6ヶ月もこんな臨戦態勢が続いています。自分で言うのも何ですが,これで体を壊していないのが不思議です。

会社全体の健康管理を担当する私は,休日出勤のシフトを組むに当たって,個々の体調や体力を勘案して割り振っているのですが,それでも不平等だと不満の声が上がります。

休日出勤の割り当てに個人差があるのが主な理由ですが,社員によっては家庭が大変だったり,持病を持っていたり,メンタルで不安定だったりと様々な事情があります。すべての社員がそのような情報を共有できていれば,休日出勤の個人差に対して「平等」ではないけれども,それが「公正」であることがわかると思うのですが,プライバシーの問題もあるのでそういった情報を共有できない難しさもあります。

そうなると,シフトを組んだ私が責められることになります。それを引き受けることができるかが私の度量となるのでしょう。

この2週間は,想定していないことが次々と発生しました。調整作業が突発的に発生し,不測の支出や契約を求められました。上司に相談しても「どうなんでしょうねえ」とはぐらかされるので,私の即断即決で突き進みました。こういうのって精神的にハイテンションだからできるんですよね。

でも,ハイテンションが続くとどこかに歪(ひず)みが生まれます。やっぱり,クールダウンが必要です。今日はそういう日に設定し,意地でも会社を休むことにしました。もちろん,人命にかかわることが発生すれば別ですが。

周囲から「仕事が停滞している」とか,「お前が休んでいいのか」などの批判は,甘んじて受け止めて無視することにしています。こういう批判は自分勝手ですからね。誰も私の体調を気遣ってくれるわけではない。周囲におもんばかったばかりに私が体調を崩しても,周囲の人はすぐにそんなことを忘れてしまう。「いじめ」と同じ構造です。

私は新型コロナウイルスに対して戦うと同時に,周囲の「もっとがんばれ」圧力に対しても戦います。その先に何があるのか分かりませんが,ひとつ言えることは,こういうときこそ,人の信条,信仰が分かるということです。また,同時に同調圧力を強める周囲の人たちがどういう考えを持っているのかが分かります。彼らは私を非難することで自分を無意識のうちに評価者だ認識しているでしょうが,逆に彼らはそういう行為をすることで私に評価されているのです。

月見草はなればなれに夜明けたり (渡辺水巴)

2020年7月21日 (火)

「ハイパーチキン野郎」にようやく行けました。思わぬコロナ効果

今日は会社を定時に退社しました。半年ぶりです。残業続きどころか土日出勤が当たり前の毎日。夕方になるとへとへとです。思い切って帰りました。

家に帰り着いたときには午後7時半でした。2階に上がると妻がいつもの中国ドラマ「えいらく」を見ていました。「ごめん。ご飯の準備はまだ」 それを聞いて外食することに決めました。

先週の日曜日はアミュプラザの「素敵庵」に行きましたが,このときは100gのフィレステーキを注文。妻はパン,私はご飯とビール(中)をついでにお願いしました。このビールがくせ者。なんとビアガーデンの大ジョッキぐらいの大きさ。店員に訊ねると容量は800ミリリットル。これは飲み応えがある。ステーキには付け合わせの野菜がほどよく添えてあり満足。

でも,最大の驚きは「強力わかもと」ともうひとつ別の種類の消化薬の大瓶が食卓の上に並んでいたこと。ついつい肉を食べ過ぎるお客が多いと言うことなのか。すごいよなあ。私だったら太田胃散にしておくところですが。

それはともかく,今日も鹿児島中央駅の駐車場に車を停めて,西口から中央郵便局の界隈を歩いてみました。驚いたのは店を閉めている居酒屋の多いこと。三反園知事の暴走によって「接待を伴う飲食店」に休業要請が出されましたが,これらの店はどう考えても無関係。それでも同じ期間に店を閉めないといけないなんて困ったことです。相当な苦境に立たされています。

休業要請に対して10万円から30万円の協力金が支払われますが,焼け石に水もいいとこです。協力金ほしさに休業すると言っている人がいますが,私には理解不能です。ただでお金がもらえるという発想なら,こういう人はいずれ市場から退場していくでしょう。こういう怠け者を生み出すなんて鹿児島県における史上最大の愚策といっていいでしょう。選挙に負けて本当によかった。

さて,今夜は妻のお薦めで「ハイパーチキン野郎」を選びました。店員がお薦めの刺身の盛り合わせはとても美味。脂っこいブリがとてもあっさりしています。枝豆の浅漬けも新鮮な味。枝豆を麺つゆ,唐辛子,ニンニクにつけ込んだだけといいますが,癖になりそうなおいしさです。そして「チーズ豆腐」。出てきたのはジャムの小瓶に白いヨーグルトが入っているのとこんがり焼いたバケットが4切れ。小瓶の中身はチーズ,生クリーム,ハチミツ,ブルーベリー。これをバケットに塗って食べるのですが非常に甘い。シュガートーストのようです。最後の締めにぴったりでした。

締めて2人で5000円。最後にお吸い物のサービスがあり,これがトドメとなってお腹いっぱいでした。大満足です。

ところでこの「ハイパーチキン野郎」。人気のお店で普段は予約すら難しいのです。それが今夜はガラガラでカウンター席しかお客がいません。これも新型コロナウイルスの影響なんでしょうね。換気対策として,クーラーが動いているのに窓は全部開けっぱなしでした。これでお客も店員の数と同程度とは。つくづく気の毒になります。私にできることは妻と二人で,がんばっている飲食店で食事をするぐらい。ほんのわずかの力しかありませんが,できるだけ応援したいと思います。

ふと思いついた感じのシャンパンの気泡のような口づけが好き (俵万智)

2020年7月19日 (日)

運転免許証を初めて交付されたとき 初心者マーク時代の思い出

昨日は関西に住んでいる娘から電話がありました。乗用車の運転免許証を取得できたとのこと。新型コロナウイルス騒ぎで教習所の予約がなかなか取れない時期もあって,教習所に半年近く通うことになりましたが,どうやら無事合格できたようです。よかった,よかった。

娘は免許をとってすぐに友人と伊勢神宮や天橋立(あまのはしだて),淡路島にドライブにいったとのこと。しかもレンタカーで。その度胸に驚きました。よほど車の運転が好きなんでしょうね。

私も大学2年生のときに運転免許を取得しました。私も教習所に通うのがおっくうで6ヶ月かかりました。あと1週間で教習期間が終了するというぎりぎりのタイミングでした。ちょうど夏休みだったのですが,どうやって試験場まで移動したのかまったく記憶にありません。ただ,帰り道がわからなくて,家がほとんどない草っ原の中の車道を歩いてあちこち彷徨(さまよ)ったことは覚えています。

私の運転デビューは実家に帰ってからの夏祭りの手伝いでした。同じ商店街の役員の軽トラを運転することになったのですが,クラッチ板から足を離すのが早すぎるのか,しばしばかっくんかっくんと揺れて,非常に恥ずかしい思いをしました。オートマしか知らない若者には何のことか意味がわからないでしょうね。

こんな感じで学生時代は,ほとんど車を運転することはなかったのですが,部活の一環で後輩を歓楽街まで車で連れて行くことがあり,このときばかりは先輩の車を借用しました。しかし,当時はナビなんて便利なものもなく,ましてほとんど運転経験もないので冷や汗をかきながらの運転。しかも夜に道に迷ってしまい,あちこち路地を行ったり来たりしているうちに,信号のない交差点で右から走ってきた車の横っ腹にぶつけてしまいました。

先輩から借りた車には傷はほとんどなかったのですが,相手の車のドアは大きくへこみ,ドアは交換を余儀なくされたようです。先輩に自動車保険のことをお願いしたのですが,第三者が運転しているということもあって断られ,仕方なく自腹で相手方に修理代として15万円を支払いました。相手の言い値なのです。当時は,複数から見積もりをとる余裕はなく,ただ相手のペースに乗せられてしまったとのかもしれません。

当時はこの修理代のほかに国民年金の追徴金などもあって借金が50万円まで増えていました。返済に充てるために近所のローソンで深夜バイト(午前3時~午前9時)や正月三が日も終日バイトなどで一生懸命だったことはよく覚えています。返済するまで6ヶ月かかりましたが,人間必死になればなんとかなるもんですね。

さて,車に関して言えば,私は派手な自損事故やスピード違反など,けっこう痛い経験をしましたが,幸い人身事故はありません。それだけでもラッキーだと思います。今では車の運転は妻に任せっきり。一人で移動するときはバスやタクシーなどの公共交通機関を使うようにしています。

娘の話に戻ります。コロナウイルス騒ぎの影響で観光地はどこもガラガラだったようです。おかげで駐車場に困ることもなかったとか。娘はバックで駐車するのが苦手らしく,ガラガラの駐車場ではバックで車を駐車する練習を何度も繰り返したと自慢げに(?)話していました。想像するとなんだか滑稽(こっけい)で,思わず私の口元は弛(ゆる)んでいました。

目を閉じる風のまんなかはここだ (畑美樹)

「戦争は戦術がすべて」を読む

「戦争は戦術がすべて」(木元寛明)を読みました。

監修は元陸上自衛隊・戦車連隊長との肩書き。この監修というのがくせ者です。おそらく,無名の作家の卵や軍事記者などが執筆したものを,監修者がチェックした(あるいは読んだだけ)というパターンなのでしょう。有名人を著者にしないと本が売れないという事情があるからかもしれませんが,ごまかしているみたいで嫌ですね。

さて,本書の内容についてですが,私にとってはまったく物足りないものでした。「世界史を変えた名戦術30」との副題があるのに,個々の戦術の記載はごくわずか。30の戦闘について背景や後日談まで無理やり詰め込んでいるので肝心の戦術のくだりがほとんどないに等しい。

例えば「兵力の節用」をテーマにした章では,太平洋戦争における日本軍の絶対的国防圏が紹介されていました。もちろん,悪い例としての紹介です。

日本の国力以上に進出したために兵力が分散し,連合国に各個撃破されたとあるのですが,ではどの程度兵力が分散していたかとなるとデータがありません。私の記憶では日本軍は300万~600万人で,そのほとんどは中国大陸にいたと思うのですが,いつの時点で,どのエリアにどういう戦力が配置されていたのか,そのような記述はありません。

本書には「日本の海外戦略は満州国から始まり,連合国に宣戦布告してからはフィリピン,マレー半島,ジャワ島,スマトラ島を押さえて南方の資源を確保。この後は,アメリカとオーストラリアの連携を遮断するために,ソロモン諸島に進出してガダルカナルの消耗戦へと突入する」といった太平洋戦争の流れがあるだけ。わかったような気になる人もいるかも知れませんが,それを証明する基礎データがないために,兵力分散を批判するだけの説得力を完全に欠いています。

日本人は攻撃は得意だったが防御は苦手だったという説をよく耳にします。零戦は運動性や攻撃力を重視したために防御機能がおろそかになったことは象徴的だと。でも一方で,最近は戦国時代の日本の城がよくテレビ番組で放送されていますが,これらの番組をみるといかに日本人が難攻不落の城をつくってきたのかがよく分かります。

私が中学生・高校生の頃,太平洋戦記を読んでいて不思議に思っていたのが,どうしてアメリカ軍が反転攻勢をするまでの間,太平洋諸島を要塞化しなかったのだろうか? ということです。レイテ決戦は守備範囲が広いので要塞化は無理でしょうが,サイパン島やペリリュー諸島などは要塞化するだけの時間もあったのではないかと思うのです。本格的に要塞化したのは硫黄島ぐらいです。それまで日本軍は占領地域で遊んでいたんでしょうか。

残念ながら,そういった記述は一切ありません。日本陸軍の主戦場は中国大陸だったため,陸軍のほとんどは中国大陸に張り付いていて毎日ゲリラ掃討ばかり。太平洋諸島にはアメリカ軍が来襲する直前に中国から引き抜かれて配備されたために準備が整わなかったというのが実際のところだと思うのですが。

ちなみにこの本はカラーで印刷されていて新書なのに価格も高い(1000円。税抜)です。太平洋戦争やベトナム戦争などについてまったく知識のない初心者には入門書としていいかもしれません。私は本を最後まで読み通しましたが,読む価値がないことがわかったことだけが収穫でした。

日曜はすぐ昼となる豆の飯 (角光雄)

2020年7月12日 (日)

鹿児島ユナイテッドの試合を見て思うこと 特徴のある選手の起用法

先週の日曜日は鹿児島ユナイテッド対カマタマーレ讃岐。そして昨日の土曜日は対FC今治。いずれも仕事のために生で観戦できなかったので,ダゾーンで見ました。

カマタマーレの試合は田辺のフリーキックが決まり,それを守り切っての勝利。FC今治の試合は牛ノ浜の先制ゴールでリードするも後半残り10分でアーリークロスにヘディングをあわせられて同点に。結局引き分けでした。どちらも結果を知っていたのですが,試合全体を見て思うところがありました。

まず,新戦力のいいところから。

右サイドハーフの三宅が素晴らしい。ドリブルで3人を抜き去ってのシュート!!!! というシーンが何度もありました。ショートパスをつなぐユナイテッドにとって彼のようなテクニシャンは異色の存在。でも,彼がいることで攻撃にバリエーションがでます。前半だけ出場して,後半は五領が出場というのもなかなかの采配。五領の突破力も捨てがたいですからね。右サイドバックの藤澤との連携があれば右サイドの攻撃力は相当高い。

次が昨シーズンからのメンバーのいいところ。

ゴールキーパーの大西の動きがいい。アン・ジュンスの陰に隠れていましたが,昨シーズンも終盤はスーパーセーブを連発していました。降格が決まった福岡との最終戦も2失点でしたが,2つのゴールはどちらもここしかないというほどのゴール隅へのピンポイント。決して動きは悪くありませんでした。今シーズンも期待できます。

そして牛ノ浜。背番号が8になったことを最初気づかなかったのですが,攻撃力は衰えていません。特に,ゴール前で中央に向かってドリブルで切り込んでの右足のシュートは光ります。

そして地味ですが中原秀人は相変わらずボールをきちんと回しています。彼が機能しないと鹿児島のパスサッカーはリズムが悪くなります。がんばってほしいです。

悪いところを2つだけ。

守備はやっぱり冷や冷やします。特にゴール前にアーリークロスを上げられるとヘディングで完全に相手FWに競り負けています。FC今治戦では特に顕著でした。10本以上シュートを浴びましたが,ほとんどがこの戦法です。水本,青山の二人がどこまで競り合えるのかが鍵になりそうです。

そして攻撃陣。馬場,酒本のツートップにゴール前で縦パスを出すのはいいのですが,そこから両FWが反転してシュートを撃つのでもなく,パスを出したハーフ陣が走り込んで壁パスを受けてシュートをするのでもない。一体何をやりたいのかと思いたくなります。この両フォワードが機能しなければ鹿児島の得点力は上がらないでしょう。後半に出場した,身長193センチのガブリエルや薗田といったFW選手はよくわかりません。もうちょっと試合を見て判断したいと思います。

ちなみに「カマタマーレ讃岐」のチーム名。由来は何だろうと思っていたら,今朝の朝日新聞に「釜玉うどん」から名前をとったと紹介されていました。なるほど,これでチーム名を覚えることができました。どうでもいいけど本場香川の釜玉うどんは本当においしい。また食べたいな。

群(むら)がれる蝌蚪(くわと)の卵に春日さす生まれたければ生まれてみよ(宮柊二)

※蝌蚪・・・オタマジャクシのこと。

熟れ熟れの夕張メロンのお値段は? 

ここ半月は休日返上で新型コロナウイルス対策に追われています。鹿児島市内のおかまバーでクラスターが発生したためです。毎日深夜まで残業が続きますが,金曜日の夜は家に帰る途中になじみの小料理屋に立ち寄りました。

普段なら飲み終えて帰る時間だったので迷惑かもと思って電話を鳴らすと小料理屋のおばちゃんは「雨がなかなか降り止まないわね。どうぞ,お待ちしています」とのこと。会社を出ると雨はやんでいましたが息苦しいほどの蒸し暑さ。すぐにタクシーを拾いました。

店の中に入るとやっぱりお客は私一人だけ。いつものカウンター席に座りました。おばちゃんが「金曜日は特に面白い番組がないよのね」というので,つけっぱなしのテレビのチャンネルを切り替えてニュース番組を眺めていると,また話しかけてきました。

「最近のコロナウイルスはすごいわね。山形屋も休みだったでしょ。ホントに困るわ。お店も席を2m離しているのよ。そしてこの雨。もう1週間も降り続いているでしょ。だから家から一歩も出ない日が続いているのよ。病院に見てもらったら骨密度が1割も落ちているってことだったのよ。ずっとウォーキングをしてないからねえ,この2,3ヶ月で1万歩歩いたのは1日だけ。それがいけないのよね」

普段からお客がいないんだから2mも席を離しても同じだと思いつつも,ふんふんと頷(うなず)きながら冷たいビールで喉を潤し,カウンター越しにでてくる料理をつまみました。揚げた豚肉の冷菜和え,続いてイワシの塩焼き,生ハムと少しずつ小鉢に盛り付けてでてきます。

「私は最近冷やし中華に凝(こ)ってるの。食べていってね」 うーん,飲み屋で冷やし中華とは聞いたことがありませんがおばちゃんのいうことなら間違いなし,と思ってお願いしました。そもそもこの店にはメニューがなく,すべての料理がおばちゃんの「おまかせ」なのです。

出てきた冷やし中華がまた豪華。錦糸卵(きんしたまご)にトマトの角切り,キュウリの千切り,花昆布,しいたけの甘煮,茹(ゆ)でエビ,生姜(しょうが)の甘酢漬け・・と具材が13種類。その具材のひとつひとつにちゃんと味付けをしているのがわかります。

「おいしいでしょ。ここまで手が混んだ冷やし中華はないわよ」確かに,寿司ネタじゃないんだからここまで具材に仕込みをするところはないでしょう。おばちゃんの話ではここ最近は暑い日が続くので毎日冷やし中華を食べているとのこと。それもすごい。

「常連の東京の不動産ブローカーの人。鹿児島にくる用事があったんだけど,東京も鹿児島もコロナが大発生でしょ。だいたいあの人は新宿に住んでいるしね。だから鹿児島の顧客から来ないでくれって言われて結局キャンセルになったんだって。そのおわびってことじゃないんだけど『夕張メロン』が贈られてきたのよ。それも2個。一人じゃ食べられないからあなたも食べていってね」

でてきたメロンはピンク色のトロトロした状態。ほっぺが落ちるほど甘くてやわらかい。「昨日届いたけどちょうど庭に出ていて気づかなかったのよ。だから一日遅れで今日受け取ったの。熟(う)れているでしょう。すぐ食べないとと思ってたんだけど,あなたが来てくれてよかったわ」

今日は冷たい料理が続き,最後も冷えたデザートだったので,最後に熱い緑茶をお願いしました。2週間ぶりの訪問でしたが,おばちゃんトークと,おいしい料理でお腹いっぱいになりました。

夕張メロンがでたものの,今日の料理は締めて2300円。安いっ! これで大丈夫か? ちょっと心配になりつつ店を出るときには「妻のために」と残りのメロンまでいただきました。それだけ私の訪問がうれしかったってことなんだろうな,と自分自身を納得させて帰宅しました。が,たぶん(いや,間違いなく),メロン代の方が高いと思います。

この町の住人となる我のため菜の花色のスリッパを買おう(俵万智)