自然農法 Feed

2020年2月24日 (月)

市民農園の後始末 笑顔で一緒にいる妻 愛(いと)しい時間

今年の3月で市民農園の賃貸契約が終了します。自然農法の実験場となったこの畑もいよいよお別れとなりました。

鹿児島市からの連絡で,整地して返却しなければいけません。今は収穫すべき野菜はすべてなくなり,クローバーのみとなっているので,この除草作業をしなければなりません。

「しょうがないなあ,私が一緒にいくから」妻が手伝ってくれました。私の畑にまったく関心がない妻も,仕事が忙しくてなかなか畑に行けない私を気遣ってくれたのです。

それにしても野良仕事は大変。まず私が鍬を入れてます。クローバの根切りです。刈り取った草を妻が一輪車に投げ込んでいきます。その後は三つ叉で根起こし。掘り起こした根っこを妻が一輪車に投げ込んでいきます。

慣れない野良仕事。30分もしないうちに私の握力が次第に落ちていくのが分かります。1時間も作業をしたら腰が痛くなってきました。

お昼は近くのコンビニへ。「お昼は何がいい? 私はサンドイッチにしようかな?」妻が嬉しそうに品定めをする横で,私は鶏そぼろ弁当を選びました。農園に引き返し,畑の中にある四阿(あずまや)でお弁当を開けました。周囲では数人,畑仕事をしていましたが,私たちはそれを気にすることなくおしゃべりをしながらぱくつきました。

午後,思い出したようにおしゃべりをすることもありましたが,ほとんど無言で除草作業を進めます。しゃがみこんでの除草作業は一苦労。ひざも腰も腕も,もう力が入りません。

「ここできちんとできるかがすごく大きいと思うよ」雑な仕事をしている私を,妻は優しい言葉で励ましてくれました。でももうギブアップ。通算5時間の野良仕事。おつかれさまでした。

疲労回復に効果があるからと,いったん家に帰ってから二人で温泉に行くことに。「子ども達がいなくなったら,二人で温泉に行く機会が増えるよね」妻が車を運転しながら話しかけてきました。

私と妻が出会ってから結婚するまで2年。それまでのつきあった時期にデートをしたのはほんの数回。手を握ることもほとんどありませんでした。結婚してから3ヶ月で妻が妊娠。出産してから間もなく2人目を妊娠。それから2人の子育て,仕事にとお互い頑張ってきました。

昨年長女が大学に進学,そして2人目の娘もこの春卒業し,大学へ進学します。今年の4月から20年ぶりに夫婦2人の暮らしに戻ります。

今でも私は妻が好きです。初めて出会った頃から変わることはありません。その妻とまた二人っきりの暮らしが始まります。子ども達が巣立っていく寂しさを感じると同時に,また夫婦水入らずの暮らしが始まることが,なんだかもう一度新婚生活が始まるような不思議なうれしさにつながっているような気がしてなりません。

春の野に妻と居ることふしぎなり(今井杏太郎)