2020年7月21日 (火)

「ハイパーチキン野郎」にようやく行けました。思わぬコロナ効果

今日は会社を定時に退社しました。半年ぶりです。残業続きどころか土日出勤が当たり前の毎日。夕方になるとへとへとです。思い切って帰りました。

家に帰り着いたときには午後7時半でした。2階に上がると妻がいつもの中国ドラマ「えいらく」を見ていました。「ごめん。ご飯の準備はまだ」 それを聞いて外食することに決めました。

先週の日曜日はアミュプラザの「素敵庵」に行きましたが,このときは100gのフィレステーキを注文。妻はパン,私はご飯とビール(中)をついでにお願いしました。このビールがくせ者。なんとビアガーデンの大ジョッキぐらいの大きさ。店員に訊ねると容量は800ミリリットル。これは飲み応えがある。ステーキには付け合わせの野菜がほどよく添えてあり満足。

でも,最大の驚きは「強力わかもと」ともうひとつ別の種類の消化薬の大瓶が食卓の上に並んでいたこと。ついつい肉を食べ過ぎるお客が多いと言うことなのか。すごいよなあ。私だったら太田胃散にしておくところですが。

それはともかく,今日も鹿児島中央駅の駐車場に車を停めて,西口から中央郵便局の界隈を歩いてみました。驚いたのは店を閉めている居酒屋の多いこと。三反園知事の暴走によって「接待を伴う飲食店」に休業要請が出されましたが,これらの店はどう考えても無関係。それでも同じ期間に店を閉めないといけないなんて困ったことです。相当な苦境に立たされています。

休業要請に対して10万円から30万円の協力金が支払われますが,焼け石に水もいいとこです。協力金ほしさに休業すると言っている人がいますが,私には理解不能です。ただでお金がもらえるという発想なら,こういう人はいずれ市場から退場していくでしょう。こういう怠け者を生み出すなんて鹿児島県における史上最大の愚策といっていいでしょう。選挙に負けて本当によかった。

さて,今夜は妻のお薦めで「ハイパーチキン野郎」を選びました。店員がお薦めの刺身の盛り合わせはとても美味。脂っこいブリがとてもあっさりしています。枝豆の浅漬けも新鮮な味。枝豆を麺つゆ,唐辛子,ニンニクにつけ込んだだけといいますが,癖になりそうなおいしさです。そして「チーズ豆腐」。出てきたのはジャムの小瓶に白いヨーグルトが入っているのとこんがり焼いたバケットが4切れ。小瓶の中身はチーズ,生クリーム,ハチミツ,ブルーベリー。これをバケットに塗って食べるのですが非常に甘い。シュガートーストのようです。最後の締めにぴったりでした。

締めて2人で5000円。最後にお吸い物のサービスがあり,これがトドメとなってお腹いっぱいでした。大満足です。

ところでこの「ハイパーチキン野郎」。人気のお店で普段は予約すら難しいのです。それが今夜はガラガラでカウンター席しかお客がいません。これも新型コロナウイルスの影響なんでしょうね。換気対策として,クーラーが動いているのに窓は全部開けっぱなしでした。これでお客も店員の数と同程度とは。つくづく気の毒になります。私にできることは妻と二人で,がんばっている飲食店で食事をするぐらい。ほんのわずかの力しかありませんが,できるだけ応援したいと思います。

ふと思いついた感じのシャンパンの気泡のような口づけが好き (俵万智)

2020年7月19日 (日)

運転免許証を初めて交付されたとき 初心者マーク時代の思い出

昨日は関西に住んでいる娘から電話がありました。乗用車の運転免許証を取得できたとのこと。新型コロナウイルス騒ぎで教習所の予約がなかなか取れない時期もあって,教習所に半年近く通うことになりましたが,どうやら無事合格できたようです。よかった,よかった。

娘は免許をとってすぐに友人と伊勢神宮や天橋立(あまのはしだて),淡路島にドライブにいったとのこと。しかもレンタカーで。その度胸に驚きました。よほど車の運転が好きなんでしょうね。

私も大学2年生のときに運転免許を取得しました。私も教習所に通うのがおっくうで6ヶ月かかりました。あと1週間で教習期間が終了するというぎりぎりのタイミングでした。ちょうど夏休みだったのですが,どうやって試験場まで移動したのかまったく記憶にありません。ただ,帰り道がわからなくて,家がほとんどない草っ原の中の車道を歩いてあちこち彷徨(さまよ)ったことは覚えています。

私の運転デビューは実家に帰ってからの夏祭りの手伝いでした。同じ商店街の役員の軽トラを運転することになったのですが,クラッチ板から足を離すのが早すぎるのか,しばしばかっくんかっくんと揺れて,非常に恥ずかしい思いをしました。オートマしか知らない若者には何のことか意味がわからないでしょうね。

こんな感じで学生時代は,ほとんど車を運転することはなかったのですが,部活の一環で後輩を歓楽街まで車で連れて行くことがあり,このときばかりは先輩の車を借用しました。しかし,当時はナビなんて便利なものもなく,ましてほとんど運転経験もないので冷や汗をかきながらの運転。しかも夜に道に迷ってしまい,あちこち路地を行ったり来たりしているうちに,信号のない交差点で右から走ってきた車の横っ腹にぶつけてしまいました。

先輩から借りた車には傷はほとんどなかったのですが,相手の車のドアは大きくへこみ,ドアは交換を余儀なくされたようです。先輩に自動車保険のことをお願いしたのですが,第三者が運転しているということもあって断られ,仕方なく自腹で相手方に修理代として15万円を支払いました。相手の言い値なのです。当時は,複数から見積もりをとる余裕はなく,ただ相手のペースに乗せられてしまったとのかもしれません。

当時はこの修理代のほかに国民年金の追徴金などもあって借金が50万円まで増えていました。返済に充てるために近所のローソンで深夜バイト(午前3時~午前9時)や正月三が日も終日バイトなどで一生懸命だったことはよく覚えています。返済するまで6ヶ月かかりましたが,人間必死になればなんとかなるもんですね。

さて,車に関して言えば,私は派手な自損事故やスピード違反など,けっこう痛い経験をしましたが,幸い人身事故はありません。それだけでもラッキーだと思います。今では車の運転は妻に任せっきり。一人で移動するときはバスやタクシーなどの公共交通機関を使うようにしています。

娘の話に戻ります。コロナウイルス騒ぎの影響で観光地はどこもガラガラだったようです。おかげで駐車場に困ることもなかったとか。娘はバックで駐車するのが苦手らしく,ガラガラの駐車場ではバックで車を駐車する練習を何度も繰り返したと自慢げに(?)話していました。想像するとなんだか滑稽(こっけい)で,思わず私の口元は弛(ゆる)んでいました。

目を閉じる風のまんなかはここだ (畑美樹)

「戦争は戦術がすべて」を読む

「戦争は戦術がすべて」(木元寛明)を読みました。

監修は元陸上自衛隊・戦車連隊長との肩書き。この監修というのがくせ者です。おそらく,無名の作家の卵や軍事記者などが執筆したものを,監修者がチェックした(あるいは読んだだけ)というパターンなのでしょう。有名人を著者にしないと本が売れないという事情があるからかもしれませんが,ごまかしているみたいで嫌ですね。

さて,本書の内容についてですが,私にとってはまったく物足りないものでした。「世界史を変えた名戦術30」との副題があるのに,個々の戦術の記載はごくわずか。30の戦闘について背景や後日談まで無理やり詰め込んでいるので肝心の戦術のくだりがほとんどないに等しい。

例えば「兵力の節用」をテーマにした章では,太平洋戦争における日本軍の絶対的国防圏が紹介されていました。もちろん,悪い例としての紹介です。

日本の国力以上に進出したために兵力が分散し,連合国に各個撃破されたとあるのですが,ではどの程度兵力が分散していたかとなるとデータがありません。私の記憶では日本軍は300万~600万人で,そのほとんどは中国大陸にいたと思うのですが,いつの時点で,どのエリアにどういう戦力が配置されていたのか,そのような記述はありません。

本書には「日本の海外戦略は満州国から始まり,連合国に宣戦布告してからはフィリピン,マレー半島,ジャワ島,スマトラ島を押さえて南方の資源を確保。この後は,アメリカとオーストラリアの連携を遮断するために,ソロモン諸島に進出してガダルカナルの消耗戦へと突入する」といった太平洋戦争の流れがあるだけ。わかったような気になる人もいるかも知れませんが,それを証明する基礎データがないために,兵力分散を批判するだけの説得力を完全に欠いています。

日本人は攻撃は得意だったが防御は苦手だったという説をよく耳にします。零戦は運動性や攻撃力を重視したために防御機能がおろそかになったことは象徴的だと。でも一方で,最近は戦国時代の日本の城がよくテレビ番組で放送されていますが,これらの番組をみるといかに日本人が難攻不落の城をつくってきたのかがよく分かります。

私が中学生・高校生の頃,太平洋戦記を読んでいて不思議に思っていたのが,どうしてアメリカ軍が反転攻勢をするまでの間,太平洋諸島を要塞化しなかったのだろうか? ということです。レイテ決戦は守備範囲が広いので要塞化は無理でしょうが,サイパン島やペリリュー諸島などは要塞化するだけの時間もあったのではないかと思うのです。本格的に要塞化したのは硫黄島ぐらいです。それまで日本軍は占領地域で遊んでいたんでしょうか。

残念ながら,そういった記述は一切ありません。日本陸軍の主戦場は中国大陸だったため,陸軍のほとんどは中国大陸に張り付いていて毎日ゲリラ掃討ばかり。太平洋諸島にはアメリカ軍が来襲する直前に中国から引き抜かれて配備されたために準備が整わなかったというのが実際のところだと思うのですが。

ちなみにこの本はカラーで印刷されていて新書なのに価格も高い(1000円。税抜)です。太平洋戦争やベトナム戦争などについてまったく知識のない初心者には入門書としていいかもしれません。私は本を最後まで読み通しましたが,読む価値がないことがわかったことだけが収穫でした。

日曜はすぐ昼となる豆の飯 (角光雄)

2020年7月12日 (日)

鹿児島ユナイテッドの試合を見て思うこと 特徴のある選手の起用法

先週の日曜日は鹿児島ユナイテッド対カマタマーレ讃岐。そして昨日の土曜日は対FC今治。いずれも仕事のために生で観戦できなかったので,ダゾーンで見ました。

カマタマーレの試合は田辺のフリーキックが決まり,それを守り切っての勝利。FC今治の試合は牛ノ浜の先制ゴールでリードするも後半残り10分でアーリークロスにヘディングをあわせられて同点に。結局引き分けでした。どちらも結果を知っていたのですが,試合全体を見て思うところがありました。

まず,新戦力のいいところから。

右サイドハーフの三宅が素晴らしい。ドリブルで3人を抜き去ってのシュート!!!! というシーンが何度もありました。ショートパスをつなぐユナイテッドにとって彼のようなテクニシャンは異色の存在。でも,彼がいることで攻撃にバリエーションがでます。前半だけ出場して,後半は五領が出場というのもなかなかの采配。五領の突破力も捨てがたいですからね。右サイドバックの藤澤との連携があれば右サイドの攻撃力は相当高い。

次が昨シーズンからのメンバーのいいところ。

ゴールキーパーの大西の動きがいい。アン・ジュンスの陰に隠れていましたが,昨シーズンも終盤はスーパーセーブを連発していました。降格が決まった福岡との最終戦も2失点でしたが,2つのゴールはどちらもここしかないというほどのゴール隅へのピンポイント。決して動きは悪くありませんでした。今シーズンも期待できます。

そして牛ノ浜。背番号が8になったことを最初気づかなかったのですが,攻撃力は衰えていません。特に,ゴール前で中央に向かってドリブルで切り込んでの右足のシュートは光ります。

そして地味ですが中原秀人は相変わらずボールをきちんと回しています。彼が機能しないと鹿児島のパスサッカーはリズムが悪くなります。がんばってほしいです。

悪いところを2つだけ。

守備はやっぱり冷や冷やします。特にゴール前にアーリークロスを上げられるとヘディングで完全に相手FWに競り負けています。FC今治戦では特に顕著でした。10本以上シュートを浴びましたが,ほとんどがこの戦法です。水本,青山の二人がどこまで競り合えるのかが鍵になりそうです。

そして攻撃陣。馬場,酒本のツートップにゴール前で縦パスを出すのはいいのですが,そこから両FWが反転してシュートを撃つのでもなく,パスを出したハーフ陣が走り込んで壁パスを受けてシュートをするのでもない。一体何をやりたいのかと思いたくなります。この両フォワードが機能しなければ鹿児島の得点力は上がらないでしょう。後半に出場した,身長193センチのガブリエルや薗田といったFW選手はよくわかりません。もうちょっと試合を見て判断したいと思います。

ちなみに「カマタマーレ讃岐」のチーム名。由来は何だろうと思っていたら,今朝の朝日新聞に「釜玉うどん」から名前をとったと紹介されていました。なるほど,これでチーム名を覚えることができました。どうでもいいけど本場香川の釜玉うどんは本当においしい。また食べたいな。

群(むら)がれる蝌蚪(くわと)の卵に春日さす生まれたければ生まれてみよ(宮柊二)

※蝌蚪・・・オタマジャクシのこと。

熟れ熟れの夕張メロンのお値段は? 

ここ半月は休日返上で新型コロナウイルス対策に追われています。鹿児島市内のおかまバーでクラスターが発生したためです。毎日深夜まで残業が続きますが,金曜日の夜は家に帰る途中になじみの小料理屋に立ち寄りました。

普段なら飲み終えて帰る時間だったので迷惑かもと思って電話を鳴らすと小料理屋のおばちゃんは「雨がなかなか降り止まないわね。どうぞ,お待ちしています」とのこと。会社を出ると雨はやんでいましたが息苦しいほどの蒸し暑さ。すぐにタクシーを拾いました。

店の中に入るとやっぱりお客は私一人だけ。いつものカウンター席に座りました。おばちゃんが「金曜日は特に面白い番組がないよのね」というので,つけっぱなしのテレビのチャンネルを切り替えてニュース番組を眺めていると,また話しかけてきました。

「最近のコロナウイルスはすごいわね。山形屋も休みだったでしょ。ホントに困るわ。お店も席を2m離しているのよ。そしてこの雨。もう1週間も降り続いているでしょ。だから家から一歩も出ない日が続いているのよ。病院に見てもらったら骨密度が1割も落ちているってことだったのよ。ずっとウォーキングをしてないからねえ,この2,3ヶ月で1万歩歩いたのは1日だけ。それがいけないのよね」

普段からお客がいないんだから2mも席を離しても同じだと思いつつも,ふんふんと頷(うなず)きながら冷たいビールで喉を潤し,カウンター越しにでてくる料理をつまみました。揚げた豚肉の冷菜和え,続いてイワシの塩焼き,生ハムと少しずつ小鉢に盛り付けてでてきます。

「私は最近冷やし中華に凝(こ)ってるの。食べていってね」 うーん,飲み屋で冷やし中華とは聞いたことがありませんがおばちゃんのいうことなら間違いなし,と思ってお願いしました。そもそもこの店にはメニューがなく,すべての料理がおばちゃんの「おまかせ」なのです。

出てきた冷やし中華がまた豪華。錦糸卵(きんしたまご)にトマトの角切り,キュウリの千切り,花昆布,しいたけの甘煮,茹(ゆ)でエビ,生姜(しょうが)の甘酢漬け・・と具材が13種類。その具材のひとつひとつにちゃんと味付けをしているのがわかります。

「おいしいでしょ。ここまで手が混んだ冷やし中華はないわよ」確かに,寿司ネタじゃないんだからここまで具材に仕込みをするところはないでしょう。おばちゃんの話ではここ最近は暑い日が続くので毎日冷やし中華を食べているとのこと。それもすごい。

「常連の東京の不動産ブローカーの人。鹿児島にくる用事があったんだけど,東京も鹿児島もコロナが大発生でしょ。だいたいあの人は新宿に住んでいるしね。だから鹿児島の顧客から来ないでくれって言われて結局キャンセルになったんだって。そのおわびってことじゃないんだけど『夕張メロン』が贈られてきたのよ。それも2個。一人じゃ食べられないからあなたも食べていってね」

でてきたメロンはピンク色のトロトロした状態。ほっぺが落ちるほど甘くてやわらかい。「昨日届いたけどちょうど庭に出ていて気づかなかったのよ。だから一日遅れで今日受け取ったの。熟(う)れているでしょう。すぐ食べないとと思ってたんだけど,あなたが来てくれてよかったわ」

今日は冷たい料理が続き,最後も冷えたデザートだったので,最後に熱い緑茶をお願いしました。2週間ぶりの訪問でしたが,おばちゃんトークと,おいしい料理でお腹いっぱいになりました。

夕張メロンがでたものの,今日の料理は締めて2300円。安いっ! これで大丈夫か? ちょっと心配になりつつ店を出るときには「妻のために」と残りのメロンまでいただきました。それだけ私の訪問がうれしかったってことなんだろうな,と自分自身を納得させて帰宅しました。が,たぶん(いや,間違いなく),メロン代の方が高いと思います。

この町の住人となる我のため菜の花色のスリッパを買おう(俵万智)

2020年6月28日 (日)

脂漏性湿疹と診察された頭皮のかゆみ フケがこれだけ出ると困る

昨日は皮膚科の診察を受けました。2年ほど前から頭がかゆくて,かくとフケがボロボロとこぼれてくる。特にスーツを着ているときはダークの生地に白いフケが目立つのなんの。恥ずかしい。

私が中学生のとき,ものすごくフケがでる時期がありました。当時は馬鹿げたことをよくしていて,頭をシャンプーで洗ったときにろくに洗い流さずにいたのです。その結果,フケが大量に出るようになりました。原因を聞いてからはちゃんとシャンプーを洗い流すようにしましたが,苦労しました。学生服は黒。フケが落ちると本当に目立ちますからね。

フケと言えば金田一耕助。頭をかいてはフケがパラパラと机の上に落ちる映像が,たびたび映画の中ででてきます。不潔の代名詞でしたけど私の場合はちゃんと頭を洗っているのにどうして? って感じです。

医者の診察では「脂漏性湿疹」。完全に治ることはないとのこと。頭皮への塗り薬を5本もらいました。外用副腎皮質ホルモン剤で「アンテベートローション0.05%」です。

昨日から朝起きたときと風呂上がりに頭髪が乾いた後に薬を塗っているのですが,やっぱりかゆみはなくならないみたい。皮膚病って本当にやっかいですね。

今日は散髪をしたときに,その話になりました。「ところどころ頭皮が赤くなっているところはありますが,さほどひどくはないですよ」というのがご主人の見立て。なんでも健康な人の頭皮は青白いそうです。私の頭皮はやや黄色がかっているということでした。50歳手前となると老化してくるんでしょうか。

私の髪を切りながら,理容室のご主人が「この3ヶ月ぐらいで白髪が増えましたね。内側のほうだから目立たないですけど」とも言っていました。確かにここ最近は苦労しています。白髪が増えるのも無理はありません。

老化を実感するときは,心肺機能の低下が一番大きいと思っていました。ちょっとのことで息が切れる,心臓がばくばくする。運動不足による筋力の低下というのも原因かも知れません。

最近は老眼になって目の焦点を合わせるにも時間がかかるようになり,書類を読むのが苦痛になってきました。こうして衰えていくんでしょうね。いつまでも若くはないなと実感します。

罌粟(けし)ひらく髪の先まで寂(さび)しきとき (橋本多佳子)

鹿児島ユナイテッド開幕戦は黒星 敗戦よりもわからないことがショック!

いよいよJ3が開幕。鹿児島ユナイテッドの試合をダゾーンで観戦しました。対戦相手はロアッソ熊本。アウェーです。

試合は開始から20分は完全に熊本ペース。高い位置でプレスをかけてくるので鹿児島はすぐにボールを奪われる。熊本はボールを奪ってからの反撃が早いので鹿児島のディフェンスが完全にマークがずれている。2点を連続して奪われました。

前半終了前に牛ノ浜が縦一本で抜け出して,ファーサイドのゴールネットを揺らして1点を返します。後半は完全に鹿児島ペース。しかも,ゴール前の水たまりでボールが止まったり,シュートがオフサイドポジションの選手をかすめたためゴールがオフサイドと判定されるなどのラッキーが続いたにもかかわらず,3-1とリードされてしまいます。

最後の20分は,熊本は完全に足がとまり,ゴール前を固めてただボールを前に蹴っているだけの状態に。当然ながら鹿児島はボールを圧倒的に保持しますが肝心のシュートが枠に入らない。昨シーズンのデジャブを見ているようでした。PKで1点返しますが終わってみれば3-2。開幕戦は黒星でした。

敗戦はともかく,メンバーが昨シーズンとこれだけ違うと正直,???状態でした。何しろ鹿児島のツートップが新加入の馬場(背番号50)と酒本。酒本は昨シーズンは右サイドバックだった選手。しかも,両選手とも30代後半です。どういう意図なんでしょう?

驚きはまだまだあります。昨シーズンと同じだったのはセンターバックの水本,左サイドバックの砂森,左サイドハーフの牛ノ浜,右サイドハーフの萱沼,センターハーフの中原だけ。半分以上が新加入の選手で占められています。

昨シーズン大活躍の五領やニウド,そして私のイチオシである藤澤はいったいどうなんてんだ?

謎だ。謎だ。謎だ。

熊本はこの試合がデビューという若手選手が3人スタメンに入っていて,それぞれ活躍していたのと対照的に,鹿児島はベテランばかり。戦術も中央のショート縦パスを多用するのは昨シーズンと同じで,相変わらずマイナスのセンタリングは少ない。サイド攻撃ではフォローがいなくて孤立するところも昨シーズンと同じ。どうも金監督の意図がよく分からない。

ひとつ評価をするなら,2点のビハインドがあってもやけくそになっての前掛かりがなくなったこと。昨シーズンは攻撃性を前面に出しすぎてカウンターを浴び,逆に大量失点を招くことが多かった。J3に降格したのは個々の試合の勝敗にこだわりすぎて1年を通してのリーグ戦の戦い方がきちんとできていなかったことが原因です。その反省を踏まえてのことなのかは不明ですが,きっちりとゲームをつくっていたのは希望がもてます。

それにしてもプレーヤーの半分が知らない顔なんてつまんない。とりあえず選手の情報を集めましょう。そして無観客試合ってつまんない。私はやっぱりナマでみたい!

ぽんと腹をたたけばムニュと蹴りかえす なーにおもっているんだか,夏 (俵万智)

2020年6月27日 (土)

ようやく小料理屋のおばちゃんも営業再開 話題は知事選ばかり

昨日は仕事を午後6時に切り上げ,なじみの小料理屋へ足を運びました。

二週間前にお店にいったときにはまだ休業中だったため,事前に電話で確認をしたのですが,それが続いていたら迷惑かもと思い,事前の電話はせずに直接お店に行ってみました。

幸い店の看板には電気が灯(とも)っていて,入り口の網戸ごしにおばちゃんがテレビを見ているのが見えました。「こんばんは」と店に入ると「あら,いらっしゃい」といつものように迎えてくれました。蒸し暑い日だったので冷えたビールを注文すると,おばちゃんがしゃべり始めました。

「実は営業を始めたのが昨日からなのよ。自粛制限が先週までだったのは知ってたんだけど2ヶ月以上お店を閉めてたでしょ。なかなかきっかけがないから,ずるずると引き延ばしていたの。そしたらおととい,常連のお客さんから電話があったの『今日は午後4時から予約を入れてくれ』だって。開けてないから仕入れもしてないでしょ。困っちゃってね。これじゃいけないと思ってお店を開けることにしたの。魚市場は水曜日が休みでしょ。だから今日の魚も昨日仕入れていたものよ」

この日の料理は,お通しがおにしめ。次にイワシの素揚げ,甘エビと白身魚のお刺身,最後がすき焼きでした。すき焼きといっても白菜がないので,牛肉と豆腐に野菜昆布とチンゲンサイが添えてある変わり鍋。溶き卵に浸して食べましたがとても美味しい。

私が料理を食べている間,おばちゃんの話題は知事選挙のことばかり。「私は現職と前職にはぜったい投票しないよ。魚市場に行っても,私の友だちが集まったときも,そういう人ばかり。塩田がいいんじゃないかっていう人が多いけど,あなたはどう思う?」

「そうですね。私は前職の伊藤さんかな。今の知事とは違って私利私欲を県政に持ち込むようなことはなかったからですね。その他の人はよく分からないけど,塩田さんは中央官僚だけど腰が低いって話は聞きました。それ以外の候補者のことは聞かないなあ。ただ,おばあちゃん医師は激務の知事職が務まるのかちょっと心配ですね。青木アナウンサーも知名度が高いから女性票があつまるかも。いずれにせよ,これだけ乱立すると誰が当選するのかわからないですね,選びがいがありますよね」

「あなたはいろいろよく知っているわね。私はそういう情報がまったくないでしょ。だから,えいやっで選ぶしかない。前回の選挙は反伊藤で投票したんだけど,さらに悪い方になっちゃったわ。前回は一騎打ちで選びようがなかったからね。そう後悔している人が私の周りには多いわよ。今回はちゃんと考えて投票しないといけないわね」

そんなこんなで料理を食べ終えました。「事前に電話してくれればあと一品ぐらい準備していたのに」と残念そうに話していましたが,私のおなかはもういっぱい。最後にキューイフルーツをいただいて全部で2500円。しかし,これでは安すぎる。それに今日もお客は私1人だけ。千円札3枚をカウンターに置いて店を出ました。

鹿児島県知事選挙に7人の立候補者がいるのは,このままでだと県はいけない方向に向かっているという危機感の現れなのでしょう。でも乱立の結果,現職に利するとなったら本当に悲劇(喜劇?)ですね。二週間後,どうなることやら。

この道に逢ひて別るる山萩の花のをはりのしづかなる虹 (藤井常世)

2020年6月22日 (月)

特別給付金10万円の使い道

鹿児島市の特別給付金の手続きで,関係の書類を今月1日にポストに投函して20日が過ぎました。銀行口座を確認してみましたが,まだ私と妻の給付金20万円は振り込まれていませんでした。

夫婦で20万円と言えば大金です。妻からどうする?と相談されたとき,私は自説を述べました。

「ちゃんと受け取った方がいいよ。受け取らずに国のお金のままにしておくと,その分市場にはお金が出回らない。今回のコロナ騒ぎで商売をしている人はお金がなくて困っているんだ。私たちは貯金したりせずに,使ってしまおうよ。特に買いそろえるような物がなければ外でおいしいものを食べよう。これは無駄遣いをしようといっているんじゃないよ。この機会だからこそ,大切なこと,好きなことにお金をつかおうよ」

妻も賛同してくれました。対価がないのにお金を受け取るのは若干の後ろめたさがあります。関西に住んでいる大学生の娘からも,特別給付金を受け取ることに戸惑いの電話があったようです。

しかし,妻から大事に受け取って大切に使うよう話をしたら納得したようです。ただでお金をもらうことに躊躇(ちゅうちょ)する。それがごく普通の考え方でしょう。娘が常識をもって育ってくれて感謝しています。

もう一人の娘はコロナ騒ぎでアルバイトを3ヶ月ほど休みました。どうやらお店が休業を余儀なくされたようです。6月からアルバイトが復活しましたが,勤めている会社からは休業補償として7万円が支給されたそうです。ちゃんとした会社でアルバイトをしていると安心しました。それにしても休業補償が7万円とはいったい1ヶ月の稼ぎはいくらなんだと仰天してしまいます。

私と妻の場合,20万円で外食することで落ち着きました。週末1回,二人でデートをして食事をするのです。どちらも小食なので二人であわせて5000円も届かないでしょう。20万円を使い切るとなると,40回も外食できます。となると来年の春まで毎週デートができそうです。

長い夫婦生活,こんな1年があっても罰はあたらないでしょう。

アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン (俵万智)

2020年6月21日 (日)

自己責任を否定すればするほど自由は奪われていく 「貧乏はお金持ち」

「貧乏はお金持ち」(橘玲)を読みました。

10年以上前に読んだことがあるのですが,今の会社を辞めてマイクロ法人を設立しようと考えているので,改めて同書を読みたくなったのです。

マイクロ法人とは1人会社のことです。株主1人,役員1人,従業員ゼロ,というシンプルな法人です。個人所得だと収入に対して課税されますが,法人の場合は収入(売上げ)から支出(経費)を差し引いた利益に対して課税されます。このからくりを最大限に活用し,法人としては赤字でもサラリーマンよりも節税できるという意味で実質所得は増えるので,「貧乏はお金持ち」と題しているのです。

著者の主張は明快です。「国家に依存するな。国家を利用せよ」

私は若いときから,国家や地方自治体の国民生活への関与は最小限であるべきだと考えていました。国家の役割は秩序維持や安全保障など限定的であるべきで,国民の社会生活に対して国家が深く関与することは危険なことだと考えていました。今でもその考え方に変わりはありません。

だからこそ,今のコロナ騒ぎに対して違和感を覚えるのです。国民全員に移動自粛や営業自粛を要請し,10万円の給付金をばらまく。私に言わせれば,国家によって私たちの自由が奪われ,国家による買収行為によって勤労意欲の低下を招きます。これは私の大嫌いな共産主義の考え方です。

「貧乏はお金持ち」はリーマンショック後の不況時に上梓されました。著者は言います。「自己責任を否定するひとたちは,決まって国家や会社やグルーバル資本主義を非難する。だが,理不尽な現実をすべて国家の責任にしてその解決を求めるのはきわめて危険な考え方だ。国家とは,無際限に自己増殖するシステムである。マスメディアが『危機』を煽(あお)れば,国家はそれを格好の口実にさらに肥大化しようとするだろう。国家が巨大化すれば,その分だけ私たちの自由は奪われていく。私たちは自由でいるために,自分の行動に責任を持たなくてはならない」

橘玲のこの意見をそのままコロナウイルスに言い換えても,まったくそのまま通用します。マスコミが危機を煽り,国家にばらまきや対策を要求すればするほど,私たちの自由は奪われていく。

「隷属への道」で共産主義経済を批判した経済学者のフリードリッヒ・ハイエクは,「消極的自由」を擁護しています。「消極的自由」とは,国家などの他者による強制からの自由のことです。そうした制約のない環境で何をするかは各自に任されているとしています。その反対の「積極的自由」とは,理性に基づく理想状態(差別のない自由な社会)を設定し,ひとびとをそこへ導くことを目指します。かつてのソビエト連邦,現在の北朝鮮です。その行き着く先は「収容所列島」です。

本書も一貫して人生を消極的にしか語っていません。だから「お金の稼ぎ方」については何も示していません。それを期待している人は怒るでしょう。さらに本書の最後には「お断り」として,「本書の内容を実践することは読者の自由ですが,それによって仮に精神的,物理的,経済的等の損害が生じたとしても,著者及び出版社は一切の責任を負わない」とあるのは,とても象徴的です。

「この日本の閉塞状況を変えるものがあるとすれば,それは理想主義者の空虚なかけ声ではなく,少しでも得をしたいというふつうの人々の欲望である」と最後に結んでいます。私も強く賛同します。私自身が,自由に自分の人生を生きるときが来たようです。

「退職の理由の例」のいずれにもあたらず「定年,転居,結婚」 (俵万智)