2019年12月 1日 (日)

「反日種族主義」を読む

「反日種族主義」(李栄薫:イ・ヨンフン)を読みました。

現在関係が悪化している日韓関係。そんななか,いわゆる「反日」韓国人の様々な主張には根拠はないことや彼らの偽善ぶりを指摘して,韓国でベストセラーとなっている本の翻訳です。

簡単に内容をいくつか紹介すると,独島については日本が自国の領土とした経緯を,従軍慰安婦問題については中世朝鮮史から現代までの歴史的経緯や当時の慰安婦関係者の日記などで丁寧に検証しています。そして徴用工問題についても日韓請求権協定によって解決済であることを,その交渉経緯を丹念に追いながらわかりやすく説明しています。

しかし,反日運動はそれだけではなかったんですね。この本を読んで「『土地調査事業』によって朝鮮の土地の40%が日帝(植民地時代の日本のこと)に収奪された」とか,「朝鮮の米が日帝に収奪された」とか,「日帝は全国の名山にわざと鉄杭を打ち風水侵略をした」とか,どうやったらそういう発想になるのか理解に苦しむような主張もあったことを初めて知りました。もちろん,これらはいずれも事実無根。あまりにも馬鹿馬鹿しいので日本でもほとんど報道されなかったんでしょうね。

徴用工問題判決も騒がれている割には,私はその裁判の内容をほとんど知りませんでした。この本によれば,判決文の「基本的事実関係」にはこう書いてあるそうです(以下は引用ではなく私が編集)。

「原告4人のうち2人は1943年9月から日本製鉄で勤務。同社は月給の大部分を強制貯蓄させ,通帳と印鑑は寄宿舎の舎監に保管させたが,舎監はお金を返さなかった」

そして著者はこう言います「原告は当時は未成年。舎監は朝鮮人で,未成年者の保護者だった可能性が高い。しかも舎監は原告と一緒に帰国している。舎監が賃金を原告に渡さなかったのは,舎監が横領したのか,実家に送金したのかは調べてみないとわからない。しかし,この裁判ではそういう事実確認をしていない」

この本を読んで,韓国人がこんなに騒ぐ理論がようやく分かりました。そもそも「日本憎し」が前提だから,事実確認をおろそかにしている(というか,する気がない)のですね。

この本では慰安婦問題について全体の3分の1を割いています。それを読むと,韓国の慰安婦(売春婦)は可哀想ですね。植民地から解放された後もずっと慰安婦は存在し続けています。朝鮮戦争のときは韓国軍に,米軍駐留時には米軍に慰安婦部隊がいました。

2002年,韓国女性省(こんな機関があるなんて初めて知りました)が刑事政策研究会に依頼した実態調査では,性売買を兼ねている事業所にいる女性の総数は24万人。これは韓国の20~30代の女性の就業人口の8%に相当します。

また,2003年には売春宿で火災が発生して12人の慰安婦が亡くなる事件が発生。彼女たちは売春宿の主人に監禁されていて逃げられなかったのが原因。それだけ劣悪な環境にあります。

韓国の反日活動家達は,日本の戦争時代の慰安婦だけを切り離して犯罪だと糾弾しながら,その前後の慰安婦の存在は黙殺。彼らの偽善ぶりにはもはやあきらめしか感じませんが,現実に性奴隷として苦しんでいる韓国の現役慰安婦は,この騒ぎをどういう思いで見つめ,暮らしているんでしょうね。

眼をとじて耳をふさいで金星がどれだかわかったら舌で指せ(穂村弘)

2019年11月30日 (土)

寒い日の飲み物は? 私の好きなお茶とドリンク

昨日から朝夕冷え込むようになってきました。窓際にいると,サッシでぴったりと閉めているはずなのに,冷たい空気が足下に流れ込んできます。

こういう寒い時期は「ホットはちみつレモン」を愛飲しています。コーヒーカップに,はちみつを大さじ1杯,ポッカの濃縮レモン果汁小さじ1杯程度を入れて,熱いお湯で溶かします。はちみつが十分にお湯に溶けたらできあがり。レモンは多めに入れて少し酸っぱく感じるぐらいがいいようです。

私が高校生の時は,缶ジュースに「はちみつレモン」がありました。当時はどうしてこんな即席ドリンクが缶ジュースで売れるのか不思議で仕方がありませんでしたが,気付いてみればもう消えているみたい。長く店頭で見ていません。

私は夏場でも冷たいジュースやお茶を飲むことはまずありません。休日などで家にいるときは,普段は簡単にインスタントコーヒーをお湯で溶かし,牛乳を少々いれたもの(砂糖なし)で済ませます。

しかし,夕食後に本を読みながらゆったりとした時間を過ごすときには,紅茶(テ・オ・レ)に砂糖を大さじ1杯と牛乳を多めに(カップの3分の1ぐらい)いれたものが好きです。紅茶はティーパックではなく,お茶の葉。ティーポットにお茶の葉をティースプーン大盛り1杯に砂糖を入れてからお湯を注ぎます。1分間蒸らしてからカップに注ぎます。注ぐときはお茶がカップに入らないように茶こしを注ぎ口に当てています。最後に牛乳でうめて出来上がり。

そして冬場にはこの「はちみつレモン」がレパートリーに加わります。夏は氷を入れて冷やして飲むこともありますが,非常にまれ。そういうわけで,冷蔵庫にある濃縮レモン果汁の消費期限を見ると「2019.10.6」。もう1ヶ月以上過ぎていたので即捨てました。半分程度残っていたのに,よほど夏は使わないってことなんですよね。

冷たい飲料は飲まないと書きましたが,ビールを忘れていました。冬場でも冷えたビールを飲んでいます。そして黒糖焼酎はロックが一番。芋焼酎はお湯割りが香りがたっていいと思いますが,黒糖焼酎はロックが美味しく飲めます。例外はこの2つだけですね。

日本茶はどうして飲まないか? 我が家では日本茶(麦茶,ウーロン茶など)は,お湯を湧かしていつも1リットル分つくります。そのまま水挿しに入れて冷蔵庫へ。こうしていつも冷茶として飲んでいます。飲むのはほとんど高校生の娘。よほど美味しいようです。

私はそもそも日本茶を飲むと気持ちが悪くなる(?)のでほとんど飲みません。お客としているときに出されたお茶を口にする程度です。私は40歳を過ぎてからどうも味覚や体質が変わったようで,お茶についても嗜好が変わりました。理由はよくわかりませんが,無理して飲むことはせず,体の要求に自然に従うようにしています。

もちろん,冷たいビールを飲むのも体が欲しているからです。なんだかアル中の親父みたいだな。

ダウンタウンボーイの歌を聴きながらミルク飲む朝 君に会いたし(俵万智)

2019年11月28日 (木)

気が滅入ったときの対処法 私は私ができることをやるだけ

今日の夕方,仕事の連絡がなかなか来ないので定時が過ぎてからも職場にとどまってした。しかし,どうも遅すぎると思い相手先に電話すると「今日はもう終わりだと連絡してますよ」とのこと。

その連絡を受けた担当者は私にだけそのことを告げずにさっさと帰宅していたことがわかりました。この担当者はひどい奴だと常々思っているので特に怒る気にもなれませんが,気が滅入ります。そういう理由でいつもより遅めに退社しました。

仲間はずれをされているようですが,私はこういうことに慣れている(?)ので「またいつものことだな」と思うだけですが,不愉快であることに変わりはありません。普段から口数が少ない私には,それに見合うように話しかける人も少ないので,こういうことはときどきあります。

こんなとき,どうやって気分転換をしますか? 私は何度も何度も不愉快な出来事を頭の中で反芻(はんすう)し,やがて考えることに飽き飽きしてその思いが消えていく,というパターンが多いようです。これでは気分転換とは言えないかも知れませんが。

次に多いのが別のことを考える。村上春樹の「雑文集」に結婚のお祝いの言葉が載っていました。「夫婦生活はいいものです。・・・。でも,嫌なこともあります。そういうときは別のことを考えるようにしています。・・・」 ね,同じような対処法をとっている人もいるようです。

では,こういうときに私は何を考えているのか。一番多いのは女性のこと。恋愛であったり,セックスのことであったり。次に多いのが戦いのこと。喧嘩だったり,銃の撃ち合いだったり。そういう性や生死にかかわるような一種の興奮状態を空想するときが,最も没頭(現実逃避)できるようです。

体を動かしたり,創作活動をしたりというのは運動嫌いで不器用な私にはどうも苦手。また,酒に逃げる人もいますが,どうして体を痛めつけようとするのか私には理解できません。

ところでもうひとつやっかいごとがあります。私の部下にメンタルが心配な社員がいます。幸い,最近はやや持ち直してきたようです。しかし,私が話しかけるときには無表情であることは変わりません。私に対して敵意をもっているのではないかと思えてきます。善意に解釈しても,これはこれでだんだん嫌気がさしてきます。だからといってこの社員を見放すことはしませんが,私も人格者ではないので,どこまで根気強く関われるかと思うと自信はありません。

自分のことであれば,できることは自己努力で,できないことは空想などの現実逃避で解決できます。しかし,他人のことであれば,自分のできることをやるだけ。解決できないときは,もう私の問題ではないとあきらめるだけです。冷たいようですけど。

十通り以上の死に方語り終へ少女はおほきためいきをつく(伊藤一彦)

2019年11月27日 (水)

河野太郎のツイッター 鳩山由紀夫のツイッター 娘の寸評やいかに

高校3年生の娘はときどき新聞を読んでいます。大学生の半分が本を読まず(最近の新聞記事より)20代で新聞を読む人は10%に満たない今の時代,これは驚くべきことです。

それでもやはり,娘の情報入手の方法はスマホが圧倒的。ネットでネタを仕入れているようです。沢尻エリカのクスリ問題しかり,大阪の小学生が栃木県の男性に連れ去られた事件しかり。

娘は社会問題ばかりでなく,政治家のSNSにも注目しているというからまた驚きます。

「ねえねえ,河野太郎のツイッターって凄い人気があるんだって」「珍しいね。普通,政治家のブログとかだと批判が殺到しそうだけど」「だよねー。私もそう思ってたんだけど,河野太郎へのコメントって好意的なのがほとんど。私も友だちの紹介で読んでみたけど本当にそうだったからびっくり」「なんでそうなるのかねえ?」「河野太郎ってコメントがあるといつもそれに返信するんだって。ひとこと二言なんだけど」「忙しいだろうに。返信があるとコメントを投稿した人はうれしいんだろうね」「河野太郎の似顔絵を描いて送る人もいるらしいよ。それに対する河野太郎のコメントが『はあ』『へえ』『ほう』の3つしかないんだっって」「それは笑えるな」「でしょー」

河野太郎は現役の防衛大臣ですが,政治とは関係のないところで若者の人気を得ているようです。

「ひゃっ,ひゃっ,それに比べると鳩山由紀夫って本当にダメだよね」「ああ,民主党政権のときに日本の外交をこじらせたのは鳩山だからね」「普天間基地の徳之島移設を言い出したのもそうなんでしょう」「そうだよ。見込みもないことを口にして結局途中で投げ出したからね。混乱させただけ」「沖縄の人って本当に鳩山に対して怒っているらしいよ。ツイッターでも鳩山のは炎上ばっかり」「たしかに韓国にいって土下座する元総理大臣なんて国辱ものだよ」「ホリエモンも『あれが日本の元首相だとは恥ずかしい』ってコメントしてた。ひゃっ,ひゃっ,ひゃっ」

鳩山由紀夫は元内閣総理大臣ですが,今は政治力を完全に失っています。にもかかわらず,その政治的な行動に対して多くの若者から怒りを買っている(あるいは,馬鹿にされている)ようです。

ツイッターとは恐ろしいですね。そしてこの評価に対して超然(?)としている鳩山由紀夫も別の意味で恐ろしいと思います。

そういえば,最近の朝日新聞には鳩山由紀夫の記事がないなあ。日韓関係がこじれているときだからこそ勘違いしてしゃしゃり出てきそうなのに。それとも朝日新聞からも見放されたのかなあ。

煙草くさき国語教師が言うときに明日という語は最もかなし(寺山修司)

2019年11月26日 (火)

コメントが延々と続くハイライト マジレスまで見ていられるかっ

昨夜は柏レイソル対京都サンガのハイライトを見ました。この試合,なんとレイソルが13得点というJリーグ記録を樹立。サッカーの試合とは思えない展開です。

何しろレイソルのオルンガ選手が一人で8得点。クリスティアーノのハットトリック(3得点)が遙かにかすむ大活躍。しかもこの8得点がいずれもすさまじい弾道のシュートばかり。劣勢の京都サンガが前掛かりになるなかでのカウンターとは言え,これだけ見事にシュートが決まれば敵味方のサポーターもあきれてしまうでしょう。

ハイライトは3分ほどでまとめてあるのですが,10秒ごとにゴールが決まります。ハイライトを見終わった後,すぐ下にある視聴者(ユーザー)のコメントに目を通し始めたのですが・・・

「オルンガがここにもおるんが」「この試合,オルンガは何人いるでしょうか?」「334」「1試合3得点はハットトリック,5得点はトライ,6得点はダブルハットトリック,8得点はオルンガ」「宮本十三」「解説は『わぁ』だけか」などなど,意味不明のコメントが並びます。

そしてそれぞれのコメントには他のユーザーから返信があります。これらのネタ(笑いのための嘘)に対して,事情を理解できないユーザーや空気の読めないユーザーが本気(マジ)のレス(返信)をすることを「マジレス」というそうですが,この「マジレス」に対するやりとりがまた不毛というほかない。

同じ人が同じコメントをあちこちのコメントに返信しています。最初はいちいち返信を開いて見ていましたが,しだいに徒労感が深まりました。

返信を開くのをやめてコメントだけ追うことにしたのですが,それでもコメントが多すぎて一度に全部を表示できない。スクロールする度にパソコンの表示が止まります。しだいにストレスが高まりました。

これだけ大量のコメントに,いちいち「マジレス」をする人って本当に暇人だとあきれました。

ちなみに「334」とは,かつて日本シリーズで阪神とロッテが対戦したとき,全4試合の阪神の得点が4点だったのに対して,ロッテは33得点。阪神は一方的な歴史的大敗を喫しました。「334」とはこの阪神のぼろ負けをあざ笑う隠語です。

「宮本十三」とは京都サンガの監督。13失点と監督の名前が「十三」が同じであることを揶揄(やゆ)したもの。

「わぁ」は,ハイライトにでている解説者のコメントが途中から「わぁ」だけになってしまっている様子をからかっているもの。

鹿児島ユナイテッドは,今シーズン,この柏レイソルに2-1で勝ったんだからね。自慢していいですよ。2度目の対戦は0-3で負けましたがレイソルのカウンター攻撃にもなかなかうまく耐えてたし。でも,レイソルはJ1へ,ユナイテッドはJ3へ(たぶん)。再度対戦する機会はずっと先のことになりそうです。でも,レイソルに勝った試合を生で見られていい思い出になりました。

唇を離して「つづきは今度」ってこないかもしれないよ今度は(俵万智)

2019年11月25日 (月)

さつま町 東花園のシクラメン祭は「毎年」11月23日に始まります

最近,私のブログ「『シクラメンのかほり』が思い起こさせるもの」(2018/11/27)がよく検索されています。この2週間は毎日のように3~5人のアクセス記録が残っています。これはきっと東花園のシクラメン祭の情報を得ようと検索した結果に違いない,と思ってこのことを妻に伝えました。妻はさっそく車に私を乗せ,東花園にむかいました。

この日は雷雨。激しい雨がフロントガラスをたたきつけてきます。さつま町の川内川沿いに「ちくりん館」があります。この道路むかいに赤い旗が。「シクラメン祭直売所」と記されていて,旗に沿って進むと東花園のハウスがあります。「ちくりん館」から200mぐらい,川内川沿いにさかのぼったところにあります。

案の定,駐車場には車は一台も止まっていません。ハウスに入ると腰の高さぐらいのレールに,シクラメンがびっしりと並んでいます。赤,ピンク,白,縮れのある花弁など数種類のシクラメンが一斉に花を咲かせています。その数は千単位ですよ,これは壮観。

妻は東花園のご主人と知り合いなので,いろいろと話をしています。その間,私は実家に持っていく鉢を選びました。選ぶコツは株が大きくて葉がたくさんついているものを探すこと。花が咲いているかつぼみが多いのがいいのかはポイントではありません。ここのシクラメンは次々と花芽が上がってくるので,最初から花がたくさん咲いていた方が長く楽しめる分いいようです。

赤と白の花の鉢をひとつずつ選びました。どちらも1100円。妻は別にもう一鉢選びました。値段が高い鉢もありましたが,妻が言うには安いのでも十分楽しめるということ。

実家に鉢をもっていくと両親が喜んでくれました。「ここの花はもちがよくて長く楽しめる」とのこと。お店に飾っているとお客さんもシクラメンのことで訊ねてくるとか。うれしいですね。

ところで,東花園のシクラメン祭りは毎年11月23日に始まり,売り切れる12月中旬まで開催しているとのこと。すべての鉢を一斉に咲かせるのではなく,時期をずらしているので1か月近くは次々にピークが迎えるようになっているらしく,今日は2つあるハウスのうち,1つだけをオープンにして販売。なるほどね。

さらにシクラメン祭りは「毎年」11月23日にスタートするように決めたとか。お知らせの手間暇を考えると,その時期に合わせて花を育てた方が効率的だそうです。これまたなるほどね。

ちなみにここは春にアジサイ祭りもやっています。こちらも「毎年」4月15日が初日だとか。すごいですね。花も二毛作(?)があるとはね。アジサイも多様な種類が楽しめます。春はこちらもおすすめです。

シクラメンが花をつけ直立する朝(あした) 吾に見えそうで見えない何か(俵万智)

2019年11月24日 (日)

鹿児島ユナイテッド最終戦 終わってみれば自動降格圏 1年を振り返る

鹿児島ユナイテッドの最終戦,アビスパ福岡戦をダゾーンで観戦しました。1-2で負け。この結果,ユナイテッドは最終戦に勝利した栃木SCに抜かれ,J3への自動降格圏に落ちました。J2のライセンスのない藤枝が3位以下になると,鹿児島ユナイテッドは来シーズンはJ3に降格します。

今日の試合は鹿児島からバスで500人の大応援団。それ以外にも大勢のユナイテッドサポーターが福岡に集結しましたが,彼らの願いはかないませんでした。

勝敗は時の運。選手や監督を責める気はありませんが,この結果は残念で,悔しくてたまりません。この1年間,私はホームゲームはすべてスタジアムで観戦し,大声で応援してきました。勝利の喜びも敗戦の悔しさも選手や大勢のサポーター達と一緒に経験してきただけに,試合終了のホイッスルが鳴ってからは,胸騒ぎのような,大声を上げたくなるような,はっきりと言葉に表せない苛立(いらだ)ちがずっと続いています。

テレビで見ていて,今日は勝てる気がしませんでした。福岡の2ゴールはいずれもキーパーでは到底止められないコースへ。一方,鹿児島ユナイテッドはほとんどノーチャンス。シュートをうてず,うっても力のないゴロ。唯一の得点はPKだったことを考えると,どうしようもないやるせなさが残ります。

今シーズンは攻撃中心のチームづくりを掲げたようですが,失点を重ねるばかりで得点はまったく伸びませんでした。シーズン終了間際の11月は安定した戦いができるようになりましたが,春先の5連敗や,5失点,6失点などの壊れたゲームが何度もあるなど,目を覆いたくなるぐらいでした。

攻撃型だから両サイドバックが高い位置をとるのは選択の問題であって批判する気はありません。対戦相手のカウンターを受ける可能性が高まるのも覚悟できます。しかし,肝心の得点力が伸びないのはなぜ? 

今シーズンのユナイテッドは,両サイド選手が高い位置でボールをキープしたとき,ゴール前に4~5人詰めているのにボールを持っている選手のフォローがいないのでパスが出せずに奪われるのがお約束でした。それでいて,フリーでロングのクロスをゴール前にあげることも可能なときでさえ,ペナリティエリアまでショートパスでつないで進入しようとする。正直言って,何をやろうとしているのか,ユナイテッドが得意とする攻撃パターンは何なのか,最後まで不可解でした。

J3時代のユナイテッドは,守備で完勝という試合がよくありました。攻撃では細かいショートパスをつないでシュートに持ち込むこともよくありました。しかし,J2に昇格して監督が交代し,チームの戦術を攻撃重視に変更。戦術の良否は私には分かりませんが,シーズンの最後まで選手達は監督の方針を理解できなかったように思えます。

ミッドウェイ海戦を指揮したスプルーアンス少将は,常々「攻撃目標は空母のみ」と部下に話し,アメリカ機動部隊の幹部全員の意思統一を図りました。一方,連勝におごる日本海軍は攻撃目標はあいまいで,リーダーシップも不在。ミッドウェイ海戦のアメリカ軍勝利はこの差だったと思います。今シーズンのユナイテッドはどうだったんでしょうか?

遠く遠くサイレンの音この部屋に今いることが私の答え(俵万智)

2019年11月23日 (土)

鹿児島レブナイズ 指宿総合体育館で観戦するの巻

鹿児島レブナイズ対金沢武士団(サムライズ)。会場は指宿総合体育館。最初はJR指宿枕崎線でいくつもりだったのですが,妻が車で送っていくと言い張るので乗せてもらいました。試合開始まで時間がないので指宿スカイラインを利用しようということに。

指宿スカイラインを利用するのは20年ぶりか? 錫山から頴娃までが100円になっていると話題(?)になっていたこともあるので,私も興味がありました。

指宿スカイラインにはあちこち展望台があるものの,ほとんどは山道なので見晴らしが悪いし,路肩も狭い。信号機はないものの,カーブは多いしアップダウンも結構きついので運転も疲れる。おまけに今日は霧が深く,千貫平のあたりはライトを点灯しないと危険なほど。鹿児島市の自宅から指宿市内まで1時間30分かかりました。

指宿市内に入るとお昼ご飯を食べようとラーメン王決定戦で優勝した「タケトラ」へ。ところが昼前ということもあって既に行列が。あきらめて「ふぁみり庵」へ。私は釜飯,妻は温たまらん丼(牛丼にオクラと温泉卵)。美味しくいただいていざ体育館へ。

1階自由席に入ろうとしたんですが,中を見ると床が露わでシートが敷かれているのは椅子席のところだけ。「ここ,土足でいいんですか?」入り口に立っていた係員らしき人に訊ねると無反応。こりゃダメだと思い,2階席に移動して観戦しました。ハーフタイムにトイレへ。そこで初めて,入場者全員が緑色のスリッパに履き替えていることに気付きました。げげっ! 体育館内は全面土足禁止だったんだ!

でも,気付いた後も知らない振りをして,試合終了まで靴を履いたまま2階席で観戦しました。指宿市の管理者の方,ごめんなさい。

今日の入場者数は340人余り。ほとんどは母子連れ。若いお母さん達が選手に黄色い(ヒステリックな!?)声援を送り,幼い子どもたちは飽き飽きした表情を見せることも。私のように男一人のお客さんもいましたが,ひとけたぐらい。バスケの選手は長身のイケメンが多いので,女性ファンが駆けつける一方,男性ファンは悔しい(?)かも知れませんね。

さて,試合の方はレブナイズの好ゲームでした。クリスの正面からの3Pシュート,左0度からの松崎の3Pシュートが,試合前の練習どおりに次々と決まりました。また,第4クオーターでは金沢のポイントゲッター冨岡のボールをスチールしてから流れるように鮮やかなパスがつながり,最後にレイアップシュートが決まりました。このときの爽快感は今シーズンナンバーワン。結局10点差がついての勝利。完勝です。指宿まで応援にいったかいがありました。

試合終了は午後3時。私は体育館から歩いて指宿駅に向かいました。途中で弥次ヶ湯温泉に浸かり,指宿駅ではさつまあげを肴に缶ビール。午後4時40分発のなのはな号に乗車しました。1時間後には鹿児島中央駅に到着。バスに乗って午後6時半に帰宅。

妻は私を指宿総合体育館に送った後,ひとりで鹿児島市に戻っていました。私の帰宅直後,試合内容などを伝えると「帰りは下道(国道226号)だったけど,スカイラインより早かったわ」との返事。私にとっては盛りだくさんの一日も,妻にとってはドライブのみの一日だったようです。

この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」(俵万智)

2019年11月22日 (金)

整理収納アドバイザーのアンテナか,夫婦のネットワークか

今夜は妻の担当する会議があるため,私は夕食を作って娘と先に食べました。娘が風呂に入っている間,暇つぶしにパソコンで遊んでいると妻が帰ってきました。

妻は開口一番「遠矢先生の講演は大好評だったよ」「何がよかったんだよ?」「整理整頓ってなかなか理論立ててできてないでしょう。それが講演でうまく伝えてくれて,参加者からはぜひまた来て欲しいとか,遠矢先生を呼んで別の講習会を自分たちでやりたいとか」

遠矢先生は整理収納アドバイザー。妻が今年,この資格をとろうと勉強したとき,2次試験の面接官が遠矢先生でした。その縁で講師として招いたのかと思いきや,妻は「あなたが紹介してくれたでしょ」

そういえば昨年のちょうど今頃。県民交流センターで「くらしとすまいの建築展」というイベントが開催されました。このとき遠矢先生が整理収納と建築・設計というテーマで講演をしていました。私もこのときの講演を聴き,妻にその内容を教えたのがそもそものきっかけとのこと。

妻は農業関係の仕事をしています。当然,今日の参加者もほとんどが農家の方々。参加者からは「どうやって遠矢先生を見つけたの?」という問いかけを何度も受けたとのこと。確かに農業関係者には整理収納アドバイザーなんて接点が思いつきませんよねえ。

しかし,ここを結びつけるところがやっぱり肝心なところなんでしょう。私の話を聞いただけでなくそれを実行に移すのが妻らしい。「講習会は1回あたり5万5千円で来てくれるっていうから安いもんでしょう」と鼻高々。

最近はさほど聞かなくなりましたが,「異業種交流」が流行した時期がありました。普段のつきあいはどうしても同業者に偏(かたよ)りがち。そうなると仕事のアイデアも貧困になってきます。それが異業種と交わることで新たな情報,新たな人脈が期待できる。でも,いざ異業種交流に参加してみたものの,実際には話がかみ合わなくて長続きしないのが実状ではないでしょうか?

その点,夫婦だと違いますね。そもそも家庭生活は一緒。仲がよくても悪くてもお互いの話をします。また,うちのような共働きであれば,当然お互い独自の人脈や情報などを持っています。

私は様々な業界を転々としているし,高校や大学の同窓会にも年に数回参加,一人でふらりと飲みに行っては見知らぬ人と語ったり,イベントに興味をもつこともあります。また,読書も特定の分野だけでなく,なんでも手に取ります。そういうことで,よくいえば「何でもあり(オールマイティ,ゼネラリスト)」,悪く言えば「専門性(得意分野)がない」。

妻と私は話がかみ合わないことも多く,仕事の接点がまったくないようですが,意外なところで結びつくこともあるようです。

この情報化社会。「いいね」に代表されるように評判に価値を置くようになりました。人の価値を高める最善の方法は,人脈の紹介と必要な情報の提供です。決してお金やモノではないことを教えてくれます。

ステージを写し続カメラマン彼も何かを奏でておりぬ(俵万智)

2019年11月21日 (木)

朝補習と学校教材の効果を客観的に実証したことがあるんですか?

高校3年の娘が毎日受験勉強に励んでいます。私の高校時代を思い出しました。

私がいた高校では,強制的に参考書や問題集を購入させられましたが理解しずらい内容ばかり。実力テストの範囲なのでしかたなく取り組みましたが,実力はつかず,今振り返っても時間を随分無駄にしたという感想だけしかありません。

そして朝補習。強制的に自分の勉強時間を学校の授業として使われました。教師からすれば生徒のために時間を割いているってことなんでしょうけど,当時も今も,朝補習は生徒が要望した制度ではありません。

私は日曜日は本屋に行って,実際に自分の目で参考書や問題集を選びました。高校2年生までは試行錯誤を繰り返し,3年生になって定着した勉強法がありました。

私が目指した京都大学法学部の二次試験は英数国社。英語は英語の長文の下線部を日本語に訳せ,日本語の長文を英訳せよ,の2~3問しかありません。数学は問題文はシンプルなのに数学的センスがないととけない大問が5つ。国語は現代文の要約,古文の現代語訳,文語文の要約の3問。この3科目が200点ずつ。社会は50点しか配点がないので,事実上この3科目のできが合否を左右します。

高校3年のときは英作文を毎日1問(30分)。翌朝英語の先生に添削してもらいました。数学は「大学への数学日々の解題」を毎日1問(30分)。国語は現代文の要約を1問(30分)。これも国語の先生に添削してもらいました。それ以外に覚えているのは「試験に出る英単語」(森一郎)。とにかく第一章の1399語を必死で覚えました(1日30分)。残りの宅習時間(3時間)は授業の予習復習です。

入試のとき,英語長文で「試験に出る英単語」で覚えた単語は1つしか出ませんでした。「infer」(類推する)。これは今でもよく覚えています。知らない単語があっても前後の文脈からそれこそ「類推して」解答しました。そして国語は完答(何か日本語を書けばいいので当たり前ですが)。数学は3問ぐらい解答(部分点ねらいでした)。

そんななか,最後に受けた試験が社会。私は日本史を選択しました。問題を見たとき,日本史の教科書の該当ページが脳裏に浮かび,そのページの文章をそのまま答案に書き写しました。よく印象的な文章が,本の右端とか左上とか映像で思い出すことがありますが,私はどうやら教科書も映像として記憶していたようです。といっても,こんな体験はその前もその後もありません。不思議な体験でした。

娘の話を聞くと私の高校時代と変わりませんね。強制的な朝補習。学校指定の参考書と問題集からの実力テストへの出題。でも,誰だって得手不得手があります。それを無視して画一的に勉強させる鹿児島県の受験勉強は本当に生徒の学力を伸ばしているのでしょうか?

実はどうやら曲がり角に来ているようです。これだけやっても鹿児島県の高校生の一流大学への進学率は低下するばかり。鹿児島県が進学県なんて過去の話です。

学校の先生方も,そろそろ学校側の失敗を認めませんか? いったい誰のために授業をしているのか考え直すときが来ているようです。少なくとも,進学率の低下を生徒の責任に押しつけるのは間違いです。あなたの授業のやり方,勉強の指導が間違っているのです。コペルニクス的転換をするべきは「今でしょ」。

私語やめぬ生徒を叱りつけておれば古典文法ひ,ひ,ふと笑う(俵万智)