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2019年6月 7日 (金)

私の読書遍歴 なかでも西村寿行のハードボイルド小説はエグかった

中学生の頃、いわゆる文庫本に目覚めました。

小学生までは怪盗ルパンシリーズ(モーリス・ルブラン)や少年探偵団シリーズ(江戸川乱歩)をよく読んでいました。いわゆる児童書です。

中学生のとき、夢枕獏の「幻獣少年キマイラ」などソノラマ文庫シリーズの表紙がとても格好よくて手に取ったのがきっかけで文庫本を読むように。菊地秀行の吸血鬼Dシリーズ、トレジャーハンター八頭大が活躍するシリーズが大好きでした。いかにも中学生向けの内容と言えばそうなのですが、お色気シーンあり、格闘シーンありと、当時の私には新鮮で面白くて次の本が出版されるのを心待ちにしていました。

そしてハードボイルド路線の西村寿行。もともと「滅びの笛」のマンガを読み、衝撃を受けたのがきっかけです。ドブネズミの大群が山梨県の各都市を襲い、パニックになる住民。秩序が崩壊し、混乱する街に登場する片倉警視がとても格好よかった。この機に乗じて犯罪を犯す人々を問答無用とばかりに即座に銃殺していく。法治国家の日本ではちょっと信じられない展開ですが、何度も読み返すほど私に深い印象を与えました。

ほかにも「滅びの笛」の続編の「滅びの宴」、これらと同じ路線でバッタの大群が東北地方に押し寄せて東北6県の悲劇的結末を描く「蒼茫の大地滅ぶ」、高倉健主演の映画となって中国で大ヒットした「君よ憤怒の河を渡れ」、そしてハードボイルド路線ど真ん中、デビュー作の「犬笛」など、強くて男臭い男が超法規的に活躍する姿を描いた小説にはまりました。

西村寿行の文庫本を友人に勧めたことがあるのですが、感想を聞くと「過激だね」を連発。私は絶望的な状況でも悪に立ち向かう主人公達の力強さに惹かれたのですが、友人達はストーリーのなかにレイプシーンが度々登場することに衝撃を受けた(興奮した)ようでした。多感な時期ですからね。私も興奮しましたけど、そこだけがツボかと思うと情けない。まあ、しょうがないですね。

本が売れない時代になり、イマドキの若者のほとんどはスマホゲーム、ネット、LINEで時間を費やすようになりましたね。知り合いの大学生も教科書以外に本は読まないとか、本当かよ。

知識を身につけるならネット検索、性的興奮ならアダルトサイト、仮想現実ならネットゲームと本を上回る魅力的な世界が構築されている現代社会では、本の果たした役割が失われていくのも当然かも知れません。でも、本という長編ストーリーは、一言で言い表すことのできない世界を表現するツールでもあります。より一層複雑化する現代(未来の)世界を理解するにはそういった長編ストーリー(本)こそぴったりではないか、と私は思いますよ。

「漢の武帝の天漢二年秋九月」諳(そら)んじている小説冒頭 (宮柊二)

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