2020年12月 1日 (火)

山形屋でイージーオーダーのスーツを買ったら

私は仕事中,スーツを着用しています。夏はクールビズということでネクタイを外しますが,それでも長袖のワイシャツを常用。暑いときは腕をまくることもありますが,基本は長袖です。

夏用のスーツを2着,冬用のスーツを2着もっていますが,妻から「そろそろ冬用のスーツを買ったら。山形屋から案内も来てるよ」と,勧(すす)められました。

私はスーツは「つるし」(洋服の青山など,すでにできあがった服)を買うことはなく,いつも「仕立て」(生地を買い,店で採寸をして服をつくる)です。ワイシャツも同じ。仕事でいつも着ているからこそ,自分の体にぴったりと合った服を買い求めています。

先週,山形屋2号館6階の催事場に行くと,数人のお客さんがきていました。私と妻は奥まで進み,生地を探しました。今もっているスーツは無地の紺,そしてグレーの縞です。妻とあらかじめ相談して,今回は無地のライトグレーと決めていました。というわけで,会場入りして2分で生地が決まりました。

店員に伝えると,さっそく仕様を打ち合わせ。上着は総裏張り,2つボタン,袖の飾りは3つボタン,ネームは漢字,スリットは背中。ズボンはノータック,裾はシングル。すでにイメージができているので,淡々と進みます。

私の隣には20歳前後の男性が,ご両親とスーツの仕様について店員と話し合っていました。私の耳にもそのやりとりが聞こえてきたのですが,どうやら初めてスーツを仕立てるようです。ノータックとワンタックの違いすら知らないようで,店員に逐一聞いていました。おそらく社会経験がないのでしょう。でも,聞き方があまりにも横柄(おうへい)。そして軽薄。店員はもちろん,私も聞いていて不愉快になります。しかも店員への質問は「で,みんなどっちにしてんの?」ばかり。

私は自分の体にあうようにスーツを選びます。例えば上着のスリット。痩せていれば背中の1か所でいいし,太った人は両サイド。ズボンだと太ももが太い人はワンタック。すらりとした足をしてシルエットを美しく見せたいときはノータックを選びます。

でも,この若者は自分の体型ではなく,世間一般の人気の有無でスーツを仕立てようとしているわけです。お母さんがスーツのことに知識がないのは無理ありませんが,お父さんは何も言わずに見ているだけ。店員もそういうアドバイスはしません。この兄ちゃんには言うだけ無駄だと思ったんでしょう。

この若者は初めてスーツを仕立てるならば,謙虚に店員のアドバイスを求めるべきでしたね。聞いているとスーツを2着買うようでした。当然ながらイージーオーダーとは言え,仕立ては青山のスーツのように安くはありません。それがこんな雑な買い方をするなんて。

帰宅してテレビをつけると,NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の再放送。引きこもりの支援をしている50代男性の石川氏をとりあげていました。石川氏は引きこもっている人たち(20代から40代までの男性。どうして男性ばかりなの?)について,こう語っていました。「引きこもっている人は,家庭にずっといるから子どもの部分が大きくなっていく。例えは悪いけど,幼虫やさなぎのまま大人になったようだ」

それを見て,スーツを初めて仕立てる兄ちゃんの言動を思い出しました。あの兄ちゃん,社会人としてやっていけるんだろうか? まさに幼虫だよな。

若者は語彙(ごい)すくなくて刺(とげ)なせるもの言いをする淋しきまでに(篠弘) 

2020年11月30日 (月)

「大阪スパイスキーマカレー」(S&B)はレトルトカレーではない

最近はレトルトカレーにはまっています。毎週1回,レトルトカレーを食べているのですが,毎回種類を変えて楽しんでいます。

今回挑戦したのはエスビー食品の「大阪スパイスキーマカレー」。大阪北浜のコロンビアエイトというお店の味を再現した商品です。

私はキーマカレーを食べたことがないので,まず見てびっくり。ご飯に大量の香辛料が振りかけられ,その上からすまし汁のようなルーをかける。サラサラしていて,通常のカレーのルーのようなドロッと感がまったくありません。さらに色も無色透明に近い。これがカレーか?

食してみると,まさに香辛料のスパイスが口中を刺激します。でも,カレーの味はどこにも見当たらない(味がしない)。カシューナッツやら刻んだ香辛料などのざらざらした食感がますます食欲を奪っていきます。

完食しましたが,口直しにトーストを焼いてマーガリンとハチミツをたっぷり塗って食べました。こんなまずいレトルトカレーは初めてです。

私が大学生の頃,グリコ食品がレトルト商品を出していました。「横浜中華丼」とか「・・親子丼」とか。1度食べましたけど,あまりにまずくて吐き出しました。それ以来,グリコの商品は絶対に手をつけません。もともとポッキーも私は嫌いなのです。なぜかわかりませんが,グリコの商品は食べるとムカムカしてきて,また食べたいという気持ちにならないです。

話が脱線しました。とにかくこのレトルト商品は失敗だと断言します。こんなカレーを食べるくらいだったら,我が家のドライカレーの方がよっぽど美味しい。我が家のドライカレーは豚の挽肉とミックスベジタブルを炒め,ケチャップと砕いた固形のカレールーをまぜてできあがり。たまにレーズンを散らします。

今回,あまりのまずさにネット上の評価を見てみたのですが,意外と好評かなのが驚きです。どうしてこんな味がうけているのか? つくづく料理って,他人の評価は当てにならないですね。

柊(ひいらぎ)の花釘箱にこぼれけり(長谷川櫂)

2020年11月29日 (日)

「サンデーモーニング」を見る限り パ・リーグの天下は続くと確信

今朝,MBCの「サンデーモーニング」を見ました。30年以上続く長寿番組です。関口宏が司会をしていてスポーツコーナー(張本勲の「喝」)が有名です。

私はこの番組の巨人偏向が大嫌いでこの20年は見ていません。しかし,今年の日本シリーズでホークスが巨人に2年連続の4連勝と圧倒。このことを巨人びいきのこの番組がどう報じるか気になり,テレビのスイッチを入れました。

最初に女性アナウンサーが日本シリーズの経過を簡単に紹介。その後,元巨人の張本勲と元巨人の桑田真澄が総括しました。

張本の巨人敗因分析は「全試合でDH制を認めた原監督の判断ミス」と「ホームゲームで東京ドームが使用できなかった不運」。一方の桑田は「選手年俸の合計が巨人の40億円に対してホークスは60億円というフロントの差」と「指示待ちの巨人と自分で考えてプレーするホークスという選手の差」。

私は今年の日本シリーズを見て感じたことは,「巨人はホークスの投手が投げる球を打てない」ということに尽きます。打者のスイング,投手の球威はどちらもホークスが上でした。監督の采配やDH制の有無,運不運をどうこういうレベルではないと考えています。

張本,桑田の分析では,日本シリーズ4試合での巨人の打率が1割3分2厘と史上最低を2年連続で更新したこととの関連が不明です。そもそも,二人の分析は試合を見ていなくてもできるコメント。選手に関する桑田のコメントも「ように見えた」という憶測でしかありませんからね。

「プレーを見る限り,巨人はホークスに実力で負けていた」。どうしてそういう結論にならないのでしょうか。

政府がまっとうに機能するためには健全な批判が大事だとジャーナリストたちはいいます。政府の批判を繰り返し,批判を正当化する「サンデーモーニング」などの報道番組。

ところがプロ野球報道となると違うようです。権力者(人気のある)巨人に阿(おもね)り,こういうねじ曲げたスポーツ批評が長年続いています。このことが結果的に,巨人,ひいてはセリーグの球団の弱体化を招いています。いい反面教師ですね。その反面教師ぶりを報道番組(マスコミ)が自ら演じていることが日本のジャーナリズムの底の浅さを露呈しています。

巨人ファンは団塊の世代。60代後半から70代です。彼らが主な視聴者である「サンデーモーニング」などの報道番組は,これからも頑迷な高齢者のために,巨人びいきの報道を続けていくでしょう。

私はまだまだパリーグの天下は続くと確信しました。

ぞろぞろと鳥けだものをひきつれて秋晴れの街にあそび行きたし(前川佐美雄)

2020年11月28日 (土)

2020年東花園シクラメン祭に行ってきました すごい売れ行きですよ

この2週間は私のブログへのアクセスが殺到しています。毎日40件から80件も。そのほとんどが「さつま町 東花園のシクラメン祭は「毎年」11月23日に始まります(2019年11月23日掲載)」です。

そのことを妻に教えると「東さんにフェイスブックとかでシクラメン祭りの情報発信をするようにいってたんだけどね。あなたのブログにこれだけアクセスがあるなら伝えなきゃ」ということで,今日の午前中にさつま町の東花園へ出発。

例年通り,ちくりん館からシクラメン祭りのビニールハウスまで旗が立ててあります。午前10時ぐらいに東花園に到着しましたが,すでに駐車場には車が6台も。お天気がよかったのもあるでしょうがすごい出足ですね。

中に入ると品数が少ない! 奥に入っていくと2つめのハウスの方はまだまだレーンにシクラメンが敷き詰められている状態でした。ホッとしました。

東さんにお話を伺うと,今回は3連休の最終日が23日だったのですが,シクラメン祭りが始まる前の21日(土),22日(日)にもお客さんがハウスに来ていたとか。売れ行きも好調で,いつもなら奥のハウスにお客さんを入れるのは12月かららしいのですが,それを3日早めたということです。

赤,ピンク,白,ちぢれ,ミニなど多様なシクラメンがハウスに並んだ様は圧巻です。お客さんたちは2~4個をまとめて購入していきます。一鉢が1100円。大きいものでも2300円とあって,プレゼント用としてまとめ買いするお客さんが多いとか。納得です。

ところでインスタグラムなどの情報発信は息子さんがやっているとか。頼もしいですね。

それにしても情報発信のコストは,インターネットとスマホの普及で大きく下がりました。私のブログなんてシナプスの設定費用だけだから月に3000円程度。インスタならスマホの利用料金だけです。消費者のほとんどは「検索」ですからね。これに「東花園」「シクラメン祭」で検索すればヒットするのは確実ですからね。

それにしても今年の売れ行きは好調ですね。いつもは12月中旬ぐらいまでで売り切ってしまうそうですが,こうなるともっと早く店じまいになるかも。コロナで消費が冷え込んでいる小売店もある一方でこの繁盛ぶり。やっぱり質がいいと消費者に選ばれるんですよね。

秋晴れの旅の二人の影法師(高野素十)

2020年11月27日 (金)

「アリとキリギリス」のアリの言葉は「それじゃあ今度は踊りなさいよ」

イソップ物語の「アリとキリギリス」は多くの日本人が知っているお話です。夏の間,頑張って食べ物を蓄えるアリと遊んで暮らしているキリギリス。ところが季節が冬になるとキリギリスは食べ物に困ります。一方,アリは食べ物を蓄えていたので冬を過ごすことができました。

日本人はこの小話から「勤勉であれ」という教訓を導きます。遊んで暮らすよりもこつこつと働くことが大事なんだと。イソップ物語の文章では最後の教訓としてこう書かれています。「ふんだんにある間に将来に備えない者は,時勢が変われば不幸に見舞われるものだ」

ところがラ・フォンテーヌの「寓話」となるとちょっと違います。「寓話」ではキリギリスではなくセミとなるのですが。北風が吹き始めて食べ物がなくなってきたセミに対して,アリの言葉が辛辣(しんらつ)です。

「暑い季節に何をしていたの?」「夜も昼も,みなさんのために,歌を歌っていたの,すみません」「歌をうたっていた? そりゃけっこうな。それじゃあ今度は踊りなさいよ」

すごい皮肉ですよね。わたしは20年以上前に,岩波ワイド版でラ・フォンテーヌの「寓話」を読んだことがあるのですが,この最後の強烈な皮肉は心に突き刺さっています。ラ・フォンテーヌはフランス人ですが,フランス人はこんな皮肉を口にするのかとドキリとしました。

ところが「悪知恵のすすめ」(鹿島茂)を読むと,私の解釈がまちがっていたことに気づきました。ラ・フォンテーヌはアリの生き方を嫌っていたというのです。だからこそ,アリがこんな嫌みなことを言うのだと。

驚くべきことに,フランス人にとって「アリとキリギリス(セミ)」の話は,アリを断罪し,セミを賞賛するための典拠になっているというのです。ラ・フォンテーヌ的解釈では,「働かず,歌で人を楽しませるセミ」の生き方こそ素晴らしく,「自分の食糧確保のためにひたすら働くアリ」は軽蔑すべき存在なのです!

本を読む楽しみは,こういうコペルニクス的転回があることです。昔,何気なく読んでいた本が,実はこんな思想を背景にしていたなんて。

最後にイソップ物語では「キリギリス」ではなく,「センチコガネ」になっています。いや,もともとは「センチコガネ」だったのが,日本に輸入されたら「キリギリス」になっていたというのも面白いですね。ちなみに「センチコガネ」のエサは動物の糞。冬になると糞が雨に流れて食料がなくなるという設定でした。これじゃあ,キリギリスに置き換えたくなりますよね。

事件とも呼べず右手の上にある一人暮らしの腐ったレモン(俵万智)

2020年11月26日 (木)

勝間和代の極端な生活 これについていける人がいるのだろうか?

「自由もお金も手に入る!勝間式超スローライフ」を読みました。

この本の内容を一文に要約すると,「ITを駆使した引きこもり生活」です。

仕事は家で行う。効率化を図るために音声入力。そのためのIT機器を買いそろえてオフィス環境を整えます。食事は調理器「ヘルシオ」でできるグリル料理とチキンサラダがほとんど。主食は全粒粉のパンだけ。運動はトランポリンとVR(ヴァーチャルリアリティ)。外出は理髪等の最小限で,買い物もネット通販。自然を感じたいときも外出せずにVRで経験(?)。娯楽は配信される音楽を聞くことととネットマージャン。

勝間が引きこもり生活を推奨する理由はこうです。まず通勤の時間と不快がなくなる(これは納得)。仕事がはかどる(自制心の強い人,働くことが好きな人はそうでしょう)。時間の制約がなくなる(確かにそうですね)。

でも,自宅での作業だけで収入があるなんて一部の人だけではないでしょうか。勝間のように文章で稼げる人はそれでもいいでしょうけど,ほとんどの労働者は対人作業や製造作業がほとんど。書類作成や調査分析という,いわゆる頭脳労働に従事する人なんて全体の1割もいないでしょう。

そして許せないのが食事。勝間はサラダとグリルだけだから,料理にかける時間は野菜を切るだけでOKとか,パンは空いた時間につくればいいとか言いますが,それに満足できる人がどれだけいるでしょうか。ごはんや煮物を食べたい私はぜったいに嫌です。

そして不可解なのがVR。これでリフレッシュできますか? 勝間はVRで行ったことのない世界遺産や大自然を満喫できると力説しますが,私は疑問です。

おそらく勝間は東京ディズニーランドを楽しめるタイプの人間なのでしょう。私は楽しめません。なぜならニセモノだから。ディズニーランドのアトラクションは迫力はあるかも知れませんが作られた迫力であり,スリルです。この先がどうなるのか分からない,そういう不可知な部分がない,安全なスリルです。私には理解しがたいことです。

仕事の効率化,環境の快適さについての勝間の話はなるほどと思いますが,料理方法やリフレッシュについては疑問をもったまま本を読み終えました。

ところで,かつて「カツマー」と呼ばれた勝間和代の賛同者・実践者がいましたが,今でも健在なのでしょうか? どういうわけか私の周りでは聞いたことがありません。このブログを読んで「私は実践しているわ。勝間は私の教祖なの。あなたも入信すべきだわ」と反論したい方は,ぜひメッセージをください。

ああいった神経質な鳴り方はやれやれ恋人からの電話だ(荻原裕幸)

2020年11月25日 (水)

やっぱり巨人は1勝もできなかったか 日本シリーズにみるパリーグの力

日本シリーズ,ソフトバンクホークス対読売ジャイアンツの第4戦が終わりました。4-1でホークスの勝利。私の予想通り,ホークスの4連勝。巨人は1勝もできませんでした。

巨人はホークスの投手を打てなかった。それに尽きます。2年連続で4連敗も相当な屈辱ですが,4試合の合計16安打は,昨年の巨人が記録した22安打を更に下回る史上最低の記録です。

巨人はよく四死球を選びました。4試合で13個(1試合当たり3.25個)。セリーグらしいみみっちい作戦ですね。

久しぶりに民放でプロ野球の試合を観戦しました。セリーグ出身の解説者たちが配球などをこと細かく解説してくれます。もしもホークスが負けていたら,ホークスの投手陣のコントロールの悪さはそういった解説者たちの餌食(えじき)になること間違いなかったでしょう。ところがそれを上回るパワーピッチング。文字どおり,巨人打線を力でねじ伏せました。これを見ていた解説者たちは解説に困ったでしょうね。解説者たちの立場を失わせるに足りる,痛快な試合展開でした。

つくづくセリーグの試合は,配球とか,バントやヒットエンドランなどの作戦など,細かいことに解説者がうるさい。セリーグのプレースタイルもそれに対応していったのでしょう。

一方のパリーグはまさに力と力のぶつかり合い。DH制などの影響は否定しませんが,常にフルスイングをする姿勢はホークスが福岡に移転したときから顕著でした。今は鹿児島城西高校の監督をしている佐々木などはその典型です。

日頃,パリーグしか見ていない私にとって,パワーとスピードあふれるプレーはいつものこと。日本シリーズに関するネット投稿をみると,このことに驚いた声があふれていました。なんだか自分のように誇らしく思えます。

ようやくパリーグがセリーグを凌駕(りょうが)したようです。ここまで長かったなあ。

たったひとつのことが言えずに昼下がり野球ゲームに興じる二人(俵万智)

夫婦のデートで食事をするのも,そろそろ潮時になったかな

鹿児島で新型コロナウイルスのクラスターが発生したのは7月でした。以来,飲食店は閑散としている状況が続きました。天文館では100店舗あまりの飲食店が店を閉めた,あるいは逃げ出したとか。タクシーの運転手の誇張かと思っていましたが,天文館にグループ店がある居酒屋の店主も同じことをいっていましたので間違いないのでしょう。

私たち夫婦は,6月末に国の特別給付金20万円を受け取りました。夫婦で話し合い,週1回は外食をして飲食店を応援しようと決めました。

最初に行ったお店は鹿児島中央郵便局近く「ハイパーチキン野郎」。暑くてクーラーをつけているのに窓は全面開放。コロナ対策は万全なのにお客さんはせいぜい3割程度。でも,普段は満席で予約も難しいお店なのでラッキーでした。夫婦でこの店の料理を堪能しました。

それ以来,週末は外食が続きました。「焼き肉の白川」(松元店),「ぶえんかん」(阿久根市),「ロイヤル」(鹿児島空港内),「グランブッフェ」(イオンモール鹿児島内)といった遠くのお店から,「あじはね」(おばんさいのお店),「寿司まどか」,「イタリアン酒場ハゼル」,「鳥門米門うまいもん」,「とと家」,「素敵庵」,「チャイナワン」などの鹿児島中央駅から天文館の居酒屋など。

一番の当たりは「チャイナワン」でした。本格的な中華料理。本場の調味料,香辛料をそのまま使った,まさに中国の中華料理でした。その他の居酒屋メニューも本当に美味しい。ビールを飲みながらの食事は最高ですね。そして一番のハズレは「グランブッフェ」。食べ放題のファミリーレストランがこんなにまずいとは知りませんでした。

この3連休は,アミュプラザ内の「タイガー餃子会館」を選びました。私はチャーハン,担々麺,餃子のセット,それに妻がユーリーチンと春巻きの小皿を注文。それぞれの料理を2人で半分ずつ食べました。

味はそこそこ。万人受けする料理です。チェーン店なので,おそらくセントラルキッチン方式なのでしょう。いわゆる別のところで料理をつくって,それぞれのお店でチンして出すだけ。可もなく不可もなし。

それにしても驚いたのは,先週の「ブランフッフェ」といい,この日の「タイガー餃子会館」といい,ものすごい人。レストランの入り口に列をなしていました。コロナウイルスがどうしたといわんばかり。みんなマスクをしていますが,これだけの人が街中に繰り出すなんて,もう大丈夫でしょう。飲食店をこれ以上応援する必要もなくなってきたようです。

食事中,妻と話をして外食デートは今回を最後とすることにしました。食事1回あたり4千円として,15回の外食で6万円です。特別給付金20万円のまだ半分以上は残っています。

この5ヶ月で夫婦の親密さは変化ありませんが,私の体脂肪は確実に増えました。

私の家にはタニタの体脂肪計があります。毎晩,入浴時に体重測定をしているのですが,体重は春先の63キロから66キロに増え,体脂肪率は15%から20%へ。体内年齢は25歳から32歳への急増しました。

飲食店を応援するよりも,自分の体調管理が大事ですよね。

おでん酒酌(く)むや肝胆(かんたん)相照(あいて)らし(山口誓子)

2020年11月24日 (火)

もしも,手癖の悪い従業員がいたら

先日,なじみの小料理屋に行きました。

店内はテレビがついていて刑事ドラマをやっていました。夏を思わせるような暑い夜だったこともあって瓶ビールを一本注文。用意されていたお通しをつまみながら喉を潤します。

私のほかにお客はいないことが多いのですが,今日もまた私1人。ニュースではGotoトラベルやGotoイートで感染が広がっていると言いますが,この店は無縁のようです。そんなことをおばちゃんに話すと「そうでもないわよ」と珍しく反論してきました。

「今週の月曜日に神奈川からのお客さんが来てね。近くのホテルに泊まっていてこの店に来てくれたんだけど,そのお客さんはGotoで鹿児島に来てたのよ。なんでも3泊4日だって。もう60歳は過ぎているけど会社を経営していてお金と時間はあるということだったんだけどね。『旅行代はいくらだったと思うね』と聞かれたのよ。なんと飛行機代とホテル代で2万円だって。『こんな安くで旅行できるのに見過ごすなんてバカだ』といって,毎週のようにGotoで旅行しているんだって」

「そりゃあすごいですね。確かにお得かもしれないけれど,なんか変な人ですね」

「そうよね。しかも話が下ネタばっかり。私は下ネタは嫌いでしょ。ちょっと笑わせるぐらいだったらいいけどね。2時間ずっと下ネタを聞かされるんだから返事に困ってね。参ったわ」

「そういう困ったお客さんていますよね」

「そう。昔はお客さんが多かったでしょ。そういうときに『焼酎だけでよかで,入れてくいやん」と言ってお店に来る人がいたのよ。混雑しているから料理を出すのが遅くなるでしょ。そういう人に限って『料理はまだや』と催促してくるのよ。『まだや』の声を聞くと心臓に悪くてね。今でも嫌な思いがしてくるわ」

「確かにそうですね。人を雇わなかったんですか」

「板前をお願いしようとしたことがあるのよ。1人は40代の男性だったんだけど,条件が月40万円の給料。一度料理をこしらえてもらったんだけど,私の料理と変わり映えしないのよ。これじゃあとてもお客が増えるとは思えないからお断りしたの」

「次に来たのが若い男でね。来て2日目に『仕入れを任せてくれ』って言い出したのよ。仕入れをするということは,ピンハネが目的なの。それを聞いてクビにしたわ」

「人を使うって大変ですね」

「それからすると,料理の経験が若い女の子の方がよっぽどよかった。素直だし,変な癖がないからね。でも,とても仕事のできる人がいたの。18歳だったんだけど手際もいいし包丁も研ぐ。家が貧しく,幼い兄弟の面倒をずっと見てたということだったのよ」

「でもね。手癖が悪かったの。釣り銭がなくなったり,お買い物をお願いしたらおつりを自分の懐にいれたりでね。そういう人がお客さんのお金に手を出したら大変でしょ。でも直接そういうことは言わないでおいたのよ。その人は着物を欲しがっていてね。半分は私が,半分は給料から天引きで着物を買ってあげたのよ」

そこまで話すと別の話題になりました。昔話があれこれ続き,私も酔いがまわったのか瞼(まぶた)が重くなってきました。どうやら今夜はこのへんでおしまいのようです。

金色(こんじき)のちひさき鳥のかたちして銀杏(いちょう)ちるなり夕日の岡に(与謝野晶子)

2020年11月23日 (月)

巨人2連敗の後の逆転勝利を期待しているファン 試合の流れ? 実力? 

今回の日本シリーズ。2試合ともホークスがジャイアンツを投打に圧倒しています。しかし,過去に3連敗の後,4連勝というシリーズが3回あります。そういうこともあって巨人ファンは奇跡の逆転勝利を期待しているかも知れません。

特に1989年の日本シリーズでは,仰木監督率いる近鉄バファローズと藤田監督の読売ジャイアンツが対戦。近鉄が3連勝した後,巨人が4連勝して日本一になりました。このとき,流れを変えた第4戦に先発したのがジャイアンツの香田投手。

香田はいてまえ打線と称された近鉄のバッターに対してスローカーブを織り交ぜて翻弄。日本シリーズの流れを変えました。ガンガン打ち込んでいた近鉄のバッターがそれから元気がなくなりました。当時の私は「なるほど。強力打線に効果的なのはスローボールなのか」とひざをたたいたことを思い出します。

日本一にならないとオーナーに叱責されるジャイアンツ。激闘のパリーグを制したことに満足して日本一のモチベーションがそれほどなく,おまけで戦った近鉄。両チームの背景がそうしたことも関係あったかもしれませんが,実力は巨人が上だったようです。

さて,今年の日本シリーズ。この2試合を見る限り,ジャイアンツの投手の速球は140キロ後半。コントロールはよくて変化球も多彩です。では,香田のように,今のホークス打線にスローボールを投げるピッチャーがいるでしょうか?

私に言わせれば,巨人の投手はみんながみんな,まとまりすぎて特徴がありません。今シーズン13連勝の菅野ですら,速球のスピードではホークスの控え投手に劣ります。

ホークスの先発投手は千賀にしろ,石川にしろ速球は150キロ台。第2戦の大差のついたときに登板した杉山や椎野という長身の速球投手はどちらも150キロ後半で投げてます。勝ちパターンで登板するモイネロ(速球,カーブ,チェンジアップしかないけど,どれも一級品),森(ほとんどカットボール)でも150キロの速球を投げ込むのに。

また,ホークスには左サイドスローの嘉弥真や右アンダーハンドの高橋という変化球主体の投手もそろっています。まさに多士済々。

ジャイアンツに1989年の香田のような投手がいるのかは知りません。私はセリーグの試合を見ないので。しかし,たとえ存在したとしてもホークス打線には太刀打ちできないでしょう。

パリーグには多田野(日本ハムファイターズ)という投手がいます。こちらは超山なりのスローボールを投げる中継ぎ投手です。ホークスはこういう投手たちと対戦しているのです。ピッチャーの質はパリーグが遙かに上。シーズンを通してそんなピッチャーと対戦してきたホークスが打てないはずがありません。

巨人の逆転勝利はありません。そもそも日本シリーズで,巨人が1勝できるかどうか,が私の見立てです。

障子閉めて四方(よも)の紅葉を感じをり(星野立子)