2020年12月31日 (木)

除夜の鐘を昼間に撞く? 年末に初詣? ばかばかしさもここまできたか

今日は大晦日。コロナで大変だったこの1年。来年もコロナで大変なことは間違いありません。NHKニュースでは,菅総理のインタビューに「緊急事態宣言はしないのか?」と食い下がる記者がいました。

この記者は緊急事態宣言をする状況にあると認識しているのでしょう。緊急事態宣言によって日本経済は大きな打撃を受けたのですが,マスコミにとってはどうでもいいことなんでしょうね。それを考えるのは政治家であってマスコミではないから。いいですね,無責任に批判する人たちは。

そのほかのニュースもコロナ関係ばかり。混雑を避けるために除夜の鐘を昼間に撞く? どこが「除夜」なんですか? 初詣を年末にする? どこが新年初めての参詣(さんけい)なんですか?

宗教関係者にとっては苦肉の策なのかも知れませんが,正直に「来るな!」と言えばいいんですよ。除夜の鐘は夜に,初詣は年が明けてからすればいいのです。宗教行事がコロナの影響を受けるなんて,あなたがたの宗教はそんなことでねじ曲げていいんですか? 

本当にコロナの影響が心配だったら「中止」すればいいのに。初詣は中止です。正月三が日は参詣の入場制限。除夜の鐘は境内への立ち入り禁止。これが正しい対処法です。

それに比べてクリスマスは何も規制がありませんでしたね。日本人らしいですね。誰も教会には行かないってことなんでしょう。すばらしい。クリスマスのバカ騒ぎは教会のミサを害しないわけですから。

大晦日の今日は,お昼用にパンを買いにでかけただけで,ずっと自宅で過ごしました。妻は中国ドラマばかり見ていて,私はネットで囲碁を打っていました。半日もこんなことをしていると罰があたりそうです。いいお天気なのに。

考えてみれば,私はほとんど自宅で過ごします。確かに旅行に出かけることはありませんでしたが,普段の生活を考えてみると,「コロナが怖くて」自宅で過ごしたわけではなく,「仕事の都合」や「出不精(でぶしょう)」で自宅にいたというのが正しいのでしょう。

なんでもかんでもコロナに結びつけるのは本当に腹が立ちます。ニュースは何かを報じる度に「新型コロナウイルスの(感染拡大の)影響で」という枕詞(まくらことば)をつけるのが当たり前になっています。いい加減にしてほしい。

報道ではいちいちそういう枕詞をつけないで欲しいですね。雨の日に「雨の影響でスーパーの売り上げが落ちています」とか「雪の影響でこたつに入っている人がたくさんいます」とか報道しているのを聞いたことがありますか? ないでしょう。本当にばかばかしいよ。

「とんちんかん」と書かれたページで子は笑う必ず笑う「とんちんかん」で(俵万智)

2020年12月30日 (水)

『ゴッドファーザー』に登場するアポロニアやケイは美人か?

NHK-BSで『ゴッドファーザー』を見ました。いわずとしれた,フランシス・コッポラ監督の名作です。

メグ・ライアンのラブコメ「ユー・ガッタ・メール」でメグと結ばれる青年実業家役のトム・ハンクスがこの「ゴッドファーザー」をビジネスのバイブルだと賞賛するシーンが登場するぐらいですからね。

マフィアの物語なので,当然ながら暗殺シーンが登場し,迫力とスリルが満点なのですが,どうしても納得いかないのが女優陣です。

特に,主役のマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の恋人役のケイにせよ,逃亡先のイタリアで結婚したアポロニアにせよ,私にはとても美人とは思えません。

二人の顔はどちらも眉毛が細く,への字型。当時はそれが美人の象徴だったのかと思いたくなります。時代遅れとはいいませんが,私には不自然な顔に思えます。

そしてアポロニアに至っては,マイケルとの結婚初夜におっぱいを露(あら)わにして,肌色の乳首を見せているのですが,まったくセクシーに見えないところが残念。映画の中ではギリシア系の美人だと絶賛されているのですが,私に言わせれば「あんな怖い顔をしていて美人なの?」と突っ込みを入れたくなります。

映画のストーリーは有名なので触れませんが,ドン・コルレオーネが「男は家族を大事にしろ」と強調しているシーンが何度も登場し,ファミリーのために行動しているのに,息子たちは自分たちの欲望や組織のために行動し,その結果,家族がばらばらになってしまうのは皮肉ですね。

PartⅢのラストシーン,マイケルは一人,安楽椅子にかけたまま孤独な最後を迎えるのですが,第一作ではドンが孫と怪獣ごっこをして戯れている中,畑の中で息を引き取るシーンと比べると象徴的です。−−

コッポラ監督がそこまで意識していたのかはわかりませんが,第一作から第三作までを通してみると,ずっしりと重たい感動が残ります。

あこがれの時代(ときよ)は過ぎて喉くだる夜半(よわ)一椀(わん)の酒苦きかな(石田比呂志)

2020年12月27日 (日)

クリスマスはカップルで過ごす日なの?

私が大学生だったのは,1990年前後の頃。バブルが崩壊し,就職氷河期と呼ばれた時期です。不景気と言われていましたが,今のコロナ禍と比べればずいぶん異なります。この当時はクリスマスとなると京都市の四条河原町は多くの人手で賑わっていました。

バブルの頃,都会のシティホテルはクリスマスイブは予約で満杯。カップルが予約していたのです。あらゆるメディアが恋愛至上主義に染まっていました。

もてる女性は複数の男性からティファニーの装飾品を貢がせているとまことしやかに喧伝されていました。すべて同じ宝飾品です。不思議でしょう?

宝飾品のひとつを身につけていれば,どの男性にも「あなたがプレゼントしたネックレスはこれよ」と言えば,男性は喜んでくれます。残りの同製品はすべて質屋に入れたり,他人にあげたりして現金に換えたり,恩を売ったりしたわけです。すごい時代でしたよね。

鹿児島市天文館の林田ホテルも当時はカップルの宿泊でいっぱいだったとか。まあ,クリスマスではなくても,ラブホテル代わりに使われていると噂されるほどでしたけど。それが今は更地の駐車場ですからね。今どきの若者たちには想像もつかないでしょう。

さて,大学生の私は彼女がいない。そこで男友達と四条河原町に繰り出しました。

「カップルで過ごさないとかっこ悪いんじゃないの?」と訊ねると,さそった男友達は「いいや,そんなことないって。カップルばかりっていうのはマスコミだけ」

実際,四条河原町はカップルよりも同性のグループで飲みに来ているグループばかり。カップルはどこ?っていう感覚でした。

あれから30年。私はクリスマスの夜,一人静かに居酒屋にいます。焼酎「木挽ブルー」のお湯割りと「とんこつ」。隣の席には女子大生のグループがしょうもない,くだらない話で盛り上がっています。その隣には若い男女のカップルが静かに食事をしていました。それ以外は空席。そう,この日,居酒屋にいたのはこの3組だけです。

さびしいよなあ。若者たちよ,これでいいのか?

「最近は,どう」と言われて「うん,まあ」と答える貝の身をはずしつつ(俵万智)

2020年12月21日 (月)

鹿児島ユナイテッドの今シーズン最終戦が,彼女との最後の日だなんて!

12月20日(日)は,今シーズンJ3の最終節。鹿児島ユナイテッド対秋田ブラウブリッツが白波スタジアムで行われました。

試合前,屋台の前をぶらついていると,若い女性が両腕を大きく横に広げて私を見ています。近づいてみると,3年前,私の部下だった女性でした。

彼女は熱烈なユナイテッドファン。ホームゲームは必ずスタジアムで観戦し,ユナイテッドグッズをそろえ,しかも内部情報にやたら詳しい。先週のガンバ大阪U23の大逆転劇についてメールでやりとりしたときも,藤澤や田中の退団の裏事情まで教えてくれました。

二人して肩を寄せ,先週の試合のことをひとしきりしゃべった後,彼女が今後の身の振り方について話し始めました。

「旦那が愛知県に就職するかもしれないんですよ。少なくとも今の職場は12月いっぱいで退職することになってるし」

「えっ! それじゃあ,うちの会社を辞めて愛知に行くってこと?」

「旦那が鹿児島で就職できないとなるとそうなっちゃいます。今,その会社は経営が苦しいみたいで。最初はこんなはずじゃなかったのに(笑)」

「じゃあ,あなたに会えるのは今日が最後ってこと?」

「白波スタジアムで会うのは最後になるかもですね。旦那が鹿児島に残ってくれるか,瀬戸際なんですよ(笑)」

「げげっ! だからといって,私にはなんともできないけど・・・」

「愛知に行ったら,岐阜とか大阪とかでユナイテッドのアウェイの試合で応援ですね(笑)」

初めて彼女にあったとき,顔がつるんとしていて,ゆで卵の殻をむいたようだなというのが第一印象。本当に美しい顔立ちをしていました。この日は寒かったこともあってモコモコした服を着て,ニット帽をかぶり,マスクをしているので,露出しているのは目元だけ。笑みを絶やさず,いたずらっぽい眼差(まなざ)しと美しい黒い瞳は少しも変わりません。

ときどき沈黙する時間があったけれど,彼女はずっと私の右肩に体を寄せて,話題を見つけては話を続けました。10分を越える立ち話になり,屋台に並ぶ列が私たち2人のところまで伸びてぶつかるぐらいに。それでも場所を変えては思い出したように話を続けました。

彼女がスマホを見て,誰かと待ち合わせているようなことを口にしたので「じゃあ,私もお昼をたべなきゃ」と切り出し,ここでお別れとなりました。でも,心の中では,ずっと彼女とサッカー談義を続けたい気持ちのまま。

久しぶりだな。こんな気持ちになったのは。

してもらうことの嬉しさ君が作る四分半のボイルドエッグ(俵万智)

2020年12月19日 (土)

「ティファニーで朝食を」を見て おしゃれなニューヨークの世界

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」を見ました。オードリー・ヘップバーンの映画は『ローマの休日」と「おしゃれ泥棒」しか見たことがない私ですが,この映画は長い間見たいと思っていました。

ニューヨークを舞台にしたラブロマンス。ヘップバーンのおしゃれな雰囲気と自由奔放な生き方が,あの時代のアメリカを象徴しているようで,憧れと言うよりも「古き良き時代」を思わせる作品となっていました。もちろん,現代の日本にいる私の感想です。公開されたとき(50年以上前)は,きっと洗練された都会の恋物語だったでしょう。

この映画を驚いたのは,上下の階の住人が非常階段を使って窓から簡単に出入りすること。いくら自由奔放な女性でも,引っ越してきたばかりの若い男の家に窓から入り込み,裸の男性のベットでそのまま寝てしまうなんて「アンビリーバボー」です。でも,それがこの時代の映画なんですよね。

1970~1980年代は,ポパイやホットドッグプレスという若い男性向けの雑誌が売れていました。村上春樹のポップな小説やウッディ・アレンのオシャレなコメディも,ここが発信源だと聞いてはいますが,当時は硬派だった私には無縁の世界でした。

あれから40年経って,私はあのときのオシャレなアメリカの世界に少しずつ自分の中に取り込んでいます。村上春樹の「ノルウェイの森」を読んだのは今から10年前。福岡出張の帰りに,キヨスクで文庫本を買い,新幹線の中で夢中になって読みました。その後は村上春樹作品集を全巻読破し,今では最新刊もチェックしています。

それから数年後,北九州市の門司港に行ったときに,たまたま開催されていた「わたせせいぞう」作品展を見て,わたせせいぞうの作品を購入するようになりました。80年代は「ハートカクテル」という,やはり若い男性に支持されたおしゃれな作品がありました。バブル時代の記憶と重なっている人も多いことでしょう。

最新の流行を追うのもいいけれど,私には70年代から80年代の「おしゃれ」が,知らず知らずのうちに価値基準となっていることに気づいています。そのことを再認識,追体験しているといってもいいでしょう。

昔のことだけれども,「あの頃はよかったなあ」という単なる懐古趣味ではなく,そこに新たな発見や喜び,忘れていた憧れがあります。

私のファッションは機能性よりも,伝統的なスタイルを追求しています。あの頃は流行だったかも知れないけれど,今ではしっかりと社会に定着している。スーツにせよ,コートにせよ,帽子にせよ,革靴にせよ,カバンにせよ,すべてそうです。時代を経て残ったものは,今でもやっぱりいい! 

ベーグルパン置かれる朝の食卓に勝てぬシャンパンを冷やし続ける(俵万智)

2020年12月14日 (月)

「いい加減にしろ」と怒鳴りたい気持ちを抑えて面談指導

「管理職のオキテ」(岡本全勝)という本があります。この本は公務員の,課長を対象に執筆されたものですが,民間企業の管理職にとっても仕事のヒントになることがたくさんあり,私の座右の書としています。

冒頭に「課長が陥りやすい間違い」が紹介されれています。そのまま引用すると,

「私の部下は出来が悪くて・・」と愚痴を言う課長がいます。そのような人に対して私は「職員があなたより仕事ができたら困るだろう。もしそうだったら,その人を課長にして,あなたを係長にするよ」を笑って言い返します。愚痴を言いたい気持ちはわかりますが,そもそもその発想が間違っています。(略) あなたもかつてはその程度だったのです。(略) その職員たちを使って,仕事を仕上げる。同時に職員たちを育てることがあなたの役目です。

これをどう解釈しますか?

私は今の会社では複数のグループを統括する立場にあります。多くの業務をこなさなければならないのですが,特にAグループとBグループは突出して残業が多く,そして業務の進捗が大幅に遅れているという問題があります。

Aグループはグループ長はいわゆる完璧主義者。部下の提案に対する指摘が細かすぎて,社員たちがその対応に時間と労力を費(つい)やしています。しかもグループ長自身も仕事を完璧に仕上げるために,ネットで検索して情報は収集するものの,提案書などの作成は部下に押しつけてばかりなのでまったくはかどらない。

Bグループはグループ長がいわゆるお人好し。「部下がみんな忙しくて可哀想だから」といって能力以上の仕事を一人で抱え込み,その結果,事業が大幅に遅れています。しかも最悪なのは,その現実に目をつむり,状況を上司に報告せずに隠しています。

以前にも,どちらのグループ長にも残業を削減するよう指導し,本人たちに考えさせてきたのですが,いっこうに改善されない状況が続くため,私も堪忍袋の緒が切れました。先週,両方のグループ長を呼び出して面談を行いました。

Aグループ長は「部下が多忙だから残業が多い。削減と言われてもお手上げだ」と反論しましたが,ではなぜ,担当業務のないグループ長自身が残業するのかの問いになると,「どうしていいのかわからないので,いろいろと調べている」を繰り返すばかり。仕事を完璧に仕上げることしか頭にない,つまり勤務時間内に仕事を終える発想がないことが明らかでした。

Bグループ長は時折涙を流すだけでほとんど無言。これまでの私から指導を受けてきた態度と同じでした。

面談の最後に,Aグループ長には「管理職のオキテ」の抜粋を渡し,再度残業削減の工夫をするよう伝えました。Bグループ長には部下に業務を割り振ることができないのであれば私が割り振るので報告するように,そして,自身の深夜勤務や休日出勤を禁じるよう伝えました。

どちらも不本意な表情をしていましたが,部下をもつ上司が「お手上げだ」とか,職務放棄をしていては,部下ばかりか上司本人も成長しません。上司は書類が相手ではなく,人(部下)が相手の仕事です。両方のグループ長に共通しているのは,時間の概念の喪失(というより,そもそも仕事を進める上での判断基準にない)と,部下とのコミュニケーションの決定的な欠如(Aグループ長は自分の指示を部下に一方的に伝えてばかり。Bグループ長は部下の顔色をうかがうばかりで自分の自分の考えは部下に伝えない)です。

この問題は私にとっても試金石となります。会社が多忙だからこそ,「仕方がない」ではなく,「おろそかにしてはいけない」のだと思っています。私のやり方が正解かどうかはわかりませんが,前に進まなければならないのです。

隣の課灯の消えているちちろかな(小川軽舟)

2020年12月13日 (日)

スタジアム観戦の醍醐味 鹿児島ユナイテッド3点ビハインドからの大逆転劇

今日は鹿児島ユナイテッド対ガンバ大阪U23の試合を白波スタジアムで観戦しました。

風は冷たいものの快晴。桜島がよく見えます。スポーツ観戦には絶好の天気となりました。私は豚バラの串焼きを一本買い,いつものように黒島美人のロックを片手に席に着きました。

キックオフとなって早々に1-1の点の取り合い。それにしてもユナイテッドはセンターバックの水本の動きが悪く,パスや判断が不正確。一方ガンバは選手が躍動。ワンツーなどの小技もスムーズでどちらが上位チームかわからないゲーム運び。心配が的中して,後半15分過ぎには1-4とガンバ3点差でリードしました。

ユナイテッドのあまりのふがいなさに「もう帰ろうかな」と思い始めた頃,牛ノ浜がゴール。一矢を報います。さらに砂森がゴールを決めて1点差に。こうなってくるとスタジアムがざわつき始めました。

後半39分に川森が同点ゴールを決めると,喜ぶ観客全員がそのまま手拍子を続けます。普段の試合ではコーナーキックやフリーキックのチャンスで手拍子をしない私も,興奮して手をたたき続けました。この日は西原商会提供のハリセンがあります。観客がハリセンを振り続けます。

それからの10分間,水本が逆転ゴール,酒本がダメ押しのゴールを決めてなんと6-4の大逆転勝利。これこそファンと選手が一体となってつかんだ勝利です。今シーズン最高の試合を生で見ることができて,私の興奮も最高潮。

他の試合の結果,鹿児島の昇格は不可能となりましたが,このような試合があるからこそ,私はスタジアムに足を運び,応援し続けます。来シーズンこそJ3優勝。そしてJ2昇格を。がんばれユナイテッド!

それにしてもくたびれました。手拍子を10分続けたせいで両手が筋肉痛でぱんぱんです。手のひらもひりひりします。でも,それが心地よいのです。

あきかぜのふきぬけゆくや人の中(久保万太郎)

2020年12月12日 (土)

二人の縁を結び,見守るようになったとは。私も歳をとったんだなあ。

昨夜は馴染みの小料理屋に行きました。いつもは私一人なのですが,この日は部下の女性を連れてのこと。彼女は私よりも20歳年下なのですが,先月,この店の話をしたところ「ぜひご一緒させてください」とお願いされたのです。

あらかじめ電話をしておいたので,小料理屋のおばちゃんも久しぶりに着物を着て迎えてくれました。普段はアルコールを飲まない彼女もビールを注文。二人で乾杯した後に,長さ30センチぐらいの細長いお皿に7種類ぐらい料理を並べた「お通し」がでてきて,彼女は驚いていました。

店のおばちゃんがどんどん彼女に話しかけてくるので,食べる暇もないくらい。私はそばで二人の話を聞きながら焼酎のお湯割りをつくり,料理を楽しみました。

お通しを食べ終えると,おばちゃんはメインの調理に専念し始めたため,その後は私と彼女と二人で,仕事のことや,お互いの恋愛(片思い)経験のことなどをつまみにして,お酒を飲みました。

そんなとき「先月紹介していただいた彼とつきあっているんです」と彼女の方から切り出してきました。彼,とは私の元部下。先月,私が彼と彼女に声をかけ,3人で中華料理を食べたのですが,彼と彼女はそのときが初対面。以来,週末は二人でデートにでかけるなどしていたようです。

「彼はとても優しいです」「私の父は昔気質(かたぎ)なんですよ。弟が結婚したとき,結構大変だったんですよ」と話す彼女の横顔を見て,二人が結婚を考えていることが伝わってきました。

椀もの,刺身,牛肉のタレ焼きとサラダと料理が続き,デザートでラフランス,最後に抹茶をいただきました。おばちゃんも作りがいがあったのでしょう。締めて8700円でした。

帰りはタクシーに二人乗り合わせました。車内で「来月は,あなたの選んだ店に私を連れて行ってくれない?」と彼女にお願いしました。困ったようなリアクションでしたが了解してくれました。来月,二人の結婚が決まったという報告があるといいな。

雲がみなあんなに速くながれてゆくねえシンプルに「好きだ」と言って(干場しおり)

2020年12月 9日 (水)

コロナ「過去最高」について正義の放送をするワイドショーの見識

今日は人間ドック。検査の待ち時間は民放のテレビを見ていました。たまたまKTS(フジテレビ系列)でした。普段ならテレビのスイッチを消すところですが,ここは病院ですから。

午前中は「とくダネ!」。宮根誠司が,東京では新型コロナウイルスの陽性が「曜日別に」過去最高となった日を詳細に伝え,コロナ感染拡大の時期にGotoトラベルをやることの矛盾をこれでもかと,他のコメンテーターと一緒に批判していました。午後は「バイキング」。こちらは坂上忍らが旭川市では3つの医療機関でクラスターが発生したことなどを伝えていました。締めに,旭川市の最高気温が0度だったので感染が拡大している「らしい」,寒い時期を迎えるにあたって,日本全国で旭川市のような感染拡大が発生するおそれがあると煽っていました。

ワイドショーを見て思ったことを。

東京都の感染者数を「曜日別に」過去最高と報道する意味は何でしょうか? 私には意味不明です。このほかにも,12月としては「過去最高」,どこどこ県では「過去最高」,重症者が「過去最高」,過去最高がこんなにたくさんあるなんて,何が「最高」なんでしょうか。オリンピックの金メダルはすべての選手の頂点に立つから意味があります。コロナに関する「過去最高」の連発は,パラリンピックのように障害の程度のよって金メダルがあるのと同じで,一種の虚構です。

Gotoトラベルの批判はもっともです。がんがんやってください。政府批判だけでなく,旅行会社,航空会社,ホテル・旅館,飲食店に対しても,「営業するな」とどんどん批判してください。「えっ,それは無理。政府批判しかできない?」 どうしてですか? 感染拡大を阻止するのと,スポンサーと,どっちが大事なんですか。 あっ,比べるまでもないですね。民放にとってスポンサーは神様ですからね。神様を批判しちゃいけませんよね。

寒い時期を迎えると感染が拡大する? 旭川がその例? だったら,連日最高気温が20度を超えている沖縄県で感染者がどんどん確認されている理由はなんだ? そもそも,旭川市以外の市町村も,北海道なら最高気温は低いでしょ。なぜ,他の市町村は出てこない。あっ,都合が悪いから隠蔽しているんですね。そういうことをいうと不安を煽れないからね。

最後に。

「バイキング」の後半は,アンジャッシュの渡部が芸能記者に非難されていることに大きく時間を割いていました。医療崩壊が目前なのに,こんなしょうもないことに時間をかけていいんでしょうか。

そうか,結局,「過去最高」も「医療崩壊」も「芸能人の不倫」も同じなんですよね。暇人の娯楽です。ワイドショーのコメントを真に受ける人がいたら,間違いなくバカですね。

鬼というおそろしきものはどこにある 邪険の人の胸に住むなり (一休宗純)

2020年12月 5日 (土)

「鹿児島ユナイテッドは昇格をあきらめない」のむなしさ

今日は快晴。風は冷たくなりましたが,美しい青空が広がる鹿児島では絶好のスポーツ観戦日和(かんせんびより)。白波スタジアムに歩いていき,鹿児島ユナイテッド対福島の試合を見ました。

スタジアムグルメでマルゲリータ(ハーフサイズ:500円)に,コップの縁(ふち)までなみなみと注(そそ)がれた黒島美人のロック(100円)を手に観戦席に着きました。

練習風景を見ている間にピザを食べ終えたため,今度はプラスチックの箱からはみ出るくらいに詰め込まれたからあげ(500円)と,もう一杯の黒島美人のロックをもって,再度観戦席へ。準備オーケーです。

試合はシーソーゲーム。開始早々鹿児島のFW薗田がゴール。福島が反撃してクロスから長身のイスマイルがヘディングであわせて同点。後半,ゴール前の混戦からまたも薗田があわせて勝ち越し。しかし,福島がまたシュートを決めて同点に追いつきます。

後半残り10分のところで,鹿児島の右サイドからのセンタリングに牛ノ浜が折り返し,萱沼が押し込んで勝ち越しゴール。このまま鹿児島が逃げ切って久しぶりのホームでの勝利となりました。

試合後は喉が枯れていました。大声での声援は禁止なのですが,つい,声を出しすぎてしまったようです。周りの方は迷惑だったでしょうね。でも,試合内容に満足できました。惜しいシュートも2,3回あって,見せ場が何度もありました。

試合後,薩摩剣士隼人の声が「俺たちは昇格を諦めない」とアナウンス。なんだか一気にしらけた気分になりました。昇格なんて,10月にセレッソU23に引き分けてから下位チームに連敗した時点でとっくに諦めています。あと3試合で勝ち点差が7。無理でしょう。これができるくらいなら,昨シーズンに降格するはずがないよ。

昇格,降格は確かに目標としては大事だと思います。でも,純粋にスポーツを楽しむのでもいいんじゃない。勝利はうれしいけれど,それだけを追い求めているとつまらない内容になっちゃうよ。鹿児島レブナイズなんてほとんど負けているけど,私は応援に行きます。だって面白いから。バスケットボールってこんなに面白いんだと教えてくれましたのは間違いなくレブナイズです。

勝利への執念はプロとしては当然。今日のゲームに満足。私は来週,昇格不可能となった消化試合でも必ずユナイテッドの応援にいきますよ。それでいいでしょ。

犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるわす凄(すご)き生きもの(奥村晃作)