ストリートピアノ演奏旅行(薩摩川内市)
先月、JR川内駅の西口にある「SSプラザせんだい(川内駅コンベンションセンター)」で会議がありました。この建物の2階にある会議室を使用したのですが、この2階のフロアに「クリスタルピアノ」が設置されていました。
クリスタルピアノは文字どおり、鍵盤蓋、屋根、突上棒、側板、脚柱がアクリル樹脂で作られたグランドピアノ。普段なら黒い木で構成されている部分がガラスなので、中のピアノ線や鍵盤の動きをまるまる見ることができます。
ピアノの上には「使用上の注意」が記載されたお知らせが置かれていました。会議やイベントがあるときはピアノ演奏は不可とのこと。
どうしてもこのピアノを弾きたくなった私は、この大型連休にもう一度訪ねてみました。
午前9時の開館直後に1階窓口に行くと「今日は午前中会議がありますので、ピアノの演奏は午後以降でお願いします」とのこと。そこでおれんじ鉄道であちこちぶらついて、午後7時半に再び窓口に行きました。
窓口では演奏希望者に対して、氏名、年齢、性別、連絡先(携帯電話の番号)を記入するよう求められました。また、ピアノの屋根は閉じたままで演奏してください、演奏時間は30分を限度、との注意がありました。
2階のフロアには誰もいません。私は鍵盤蓋を開け、「戦場のメリークリスマス」、ケツメイシの「さくら」、宇多田ヒカルの「One Last kiss」を弾きました。
それにしてもこの鍵盤、そしてペダルの重いこと。力をいれて鍵盤やペダルを押さないと思うような音が出ません。一番最初に弾いた「戦メリ」はペダルの踏み方が不十分だったために音響がなく、ぶつりぶつりと音が途切れる無様な演奏になってしまいました。そこで「戦メリ」を最後にもう一度演奏して満足できました。
このあと、そのまま川内駅の新幹線乗り場に向かいました。改札口から10メートルほど中に入ったところにアップライトピアノが置かれているのです。こちらはアップライトだけどグランドピアノのような音がでるとの謳い文句が。メーカーはグランフィール。
私の後ろを駅の利用者がぞろぞろ通るなか、ピアノを演奏しました。その鍵盤の軽いこと、クリスタルピアノとは雲泥の差です。あまりにも軽くて「これ、鍵盤が壊れているのかな?」と思ふほど。もちろんそんなことはなく、音はきちんとでていました。メーカーの解説を読むとアップライトでは鈍い鍵盤の戻りがグランドピアノ並みに早いので連打などで差が出るようです。
ところでこの日はクリスタルピアノと駅ピアノのふたつで演奏したのですが、どちらも周囲の人たちからは拍手なし。受付のお姉さんも私の演奏に対するコメントなし。どうやら拍手やコメントに値(あたい)しない演奏だったみたいです。もっと腕を磨いて、周りをうならせたいですね。
ちなみにクリスタルピアノの値段を調べてみると750万円(税抜)。値段もすげえや!
君は些細(ささい)な花びらを受け礼を言ひ洋琴(ピアノ)を勧め酒をそと置く(紀野恵)
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