バスの車内での親切 あれこれ
先週、職場にバスに乗って会社に向かっていると、バスの前方に座っていた20代の女性が運転手に質問しています。どうやらバスを間違えて、目的地の病院へどう行けばいいかを尋ねているようでした。
運転手も他社の路線のことはわからないため、返答に困っていたので、私が彼女のところまで行き「私が降りるバス停で一緒に降りましょう。そこでバスを乗り換えれば一本で目的地に行くことができますよ」と教えると、ようやく彼女も安心したようでした。
そのバス停に到着し、いざ降りようとすると、初老の男性がもたもたしてなかなか前に進みません。数分立って私がバスから降りたとき、彼女は別の女性に連れられてバスを案内されていました。どうやら私と彼女のやりとりを見ていた乗客が親切心を出したのでしょう。
おいてけぼりをくらった私はしばらく二人の様子を見ていましたが、どうやら出番はなさそうなのでそのまま二人を残して会社に向かいました。なんだか裏切られたような気持ちです。
別の日、帰りのバスに乗ったとき、バスは非常に混在していました。私は空いた座席をみつけるとそこに腰掛けてようやく人心地つきました。前方をみると通路に長靴が落ちています。
長靴は乗客が落としたものではなく、当然ながらバス会社のものでしょう。しまっておいたところから転がり落ちたに違いありません。通路の真ん中にあるのにその長靴のところに立っている男子中学生は見て見ぬ振りをしていました。
「バスから降りるときに長靴を元の位置に戻してやろう」と思っていた矢先、途中から乗り込んできたおばちゃんが長靴に気づくとそのままひょいと近くのバケツに投げ込んで、空いている座席に腰掛けました。
いつもは高齢者の無礼を批判する私ですが、このときはさすがだなと感心しました。鹿児島市内の中高生は座席は空いていても座らずに通路に立って邪魔です。リュックや学生カバンが通路を塞(ふさ)ぐことよりも、座ることのほうが嫌なんでしょう。私には理解できない感覚です。
このとき、おばちゃんはそういう周囲への気遣いのない中学生を、無視して長靴をしまったわけです。
中学生は、長靴や空席や通路を通る際にリュックを邪魔だと思う乗客を無視している。おばちゃんはそういう中高生を無視している。いやあ、長生きするとこういうことができるんですね。私も見習わないと。
ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた(岡野大嗣)
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