体育会系社員が日本企業を滅ぼす・・・ 本当?
週刊プレイボーイに連載されている橘玲のコラムをまとめた「事実VS本能 目をそむけたいファクトにも理由がある」を読んています。
この中で、ヘッドタンターの証言が出ていました。それによると、日本企業と外資系企業ではヘッドハンティングの対象者について、採用基準が違うというのです。
外資系企業の評価項目は、学歴、資格、職歴、経験、そして何より重要視しているのが実績です。当然だと思うでしょう。ところが日本企業が重視しているのは「体育会系出身者」であるというのです。しかも、男性、日本人でなければそもそも対象になっていない!
「体育会系」というのは大学の運動部出身のこと。権力に対して従順で、先輩後輩の序列を重んじる、日本企業はそういう人材を求めているのです。
当たり前の話ですが、根性と気合と浪花節(なにわぶし)で、冷徹で合理的な経営をするグローバル企業に勝てるはずがありません。なんだか大東亜戦争のときの日本軍とアメリカ軍みたいですね。
でも、自分のことを省(かえり)みるとどうですか? 日本人であること、男性であることを採用の前提にしていませんか? そして、自分に従順な人材を優遇していませんか?
橘玲は「無能な人材を喜んで採用するんでから日本企業が国際競争から脱落するのは当然」というヘッドハンターのコメントでこのコラムを結んでいます。
私はまさに国立大学の体育会出身者なので、この趣旨に対して素直に頷(うなづ)けないところがあります。それは自己正当化するためではなく、私の個人的体験からです。
大学のとき、もっとも苦労したのは先輩のしごきではなりません。部員(後輩)の確保です。橘玲の言う「根性と気合と浪花節」なんて、30年前から若い人には嫌われているのです。そういう現実を前にすれば、体育会の人間であっても変わらなければなりません。体育会の人間は先輩に従順かもしれませんが、もっとも大切にしているのは「部の存続」です。自分たちの代でこの部を終わらせてはいけないという危機意識が、そこらの人たちよりも100倍は強いのです。
橘玲の予言通り、日本企業のほとんどは瀕死の状況に陥ることでしょう。しかし、それですべてがおわると即断するのは、勇み足ではないでしょうか。
水あそびして毎日が主人公(中田尚子)
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