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2020年9月 3日 (木)

子どもの頃の夜は怖かった 夜は闇が深かった 

私が子どもの頃,昭和50年代のことです。当時は台風が上陸する度に停電になりました。私の家は商店街にあったのですが,それでも年に数回は停電を経験しました。

停電になると真っ暗闇。家の外は台風がゴーッと激しく風をたたきつけてきます。怖くなって父親のところにいくと,父は平然とタバコに火をともしてふかしていました。闇の中にタバコの真っ赤な日が見えるのも奇妙な感じでした。

鹿児島市に引っ越してきて10年ほどになります。まったく停電がありません。きっと九電工の皆さんががんばっていることなんでしょう。最近の夜が明るいのは九電工の努力だけではありません。コンビニエンスストアや外灯があちこちにできました。昔はコンビニなんてなかった。田舎で24時間営業なんてバカがやることだと思っていた時代でした。

しかし,40年後の今,その田舎でもコンビニがあちこちに出店し,夜中にも誘蛾灯(ゆうがとう)のように人を引きつける。灯りは人の心を落ち着かせるんでしょうね。

闇を経験することが本当に少なくなりました。私が経験したのも種子島にいた頃ぐらい。ちょうど今の鹿児島の家に引っ越す直前のことです。あのころは夜に仕事から戻るときに天の川をみることができるぐらい夜空が見えました。

そんな種子島の夜は,私が子どもの頃に感じていた闇の深さと似ていましたが,闇の怖さというのがありませんでした。種子島と言えば怪談話や幽霊話がたくさんありました。私が不動産業の仕事をした場所も首なし武者が現れるという怪談話が残っているところでしたが,幽霊を感じさせるような経験は一度もありませんでした。

ただ,夜の交渉で不思議な体験をしたことがあります。

午後8時ぐらいに地主のところに交渉に行ったときは本当に真っ暗でした。あまりにも闇が深くて歩けないぐらいでした。周囲には外灯も家もまばら。家はあっても電気がついていない。交渉相手の地主は農家だったのですが,本当に日が暮れて暗くなるまで働いていて,畑から家に戻ってくるころは真っ暗でした。そんなところに車でいっていたのだから,あのころは私も勇気があったんでしょう。

その真っ暗闇での交渉の後,車を運転して闇夜の道路にヘッドライトをともして走行していたところ,車の前を猫が右から飛び出し,道路を横断するのに気づきました。あまりにも突然だったのでブレーキを踏む間もありません。「やばい!」と思ってフェンダーミラーをのぞくと,その小さなミラーの中に,後ろ足を2本引き摺(ず)って,前足の2本だけで前に進む猫の姿がありました。

私の車で後ろ足を2本とも轢(ひ)かれたのでしょう。どちらもまっすぐに伸びていました。

あんな闇夜にどうして猫に気づいたのか。どうしてフェンダーミラーの猫が見えたのか謎です。だって,周囲に外灯はなく,車のライトは前方しか照らしていないのに。こういうときに人間の感覚は鋭く研ぎ澄まされるのかも知れませんね。

蝋燭(ろうそく)は消えない でも,ほんとうは 決して目をそらしてはいけない(間武)

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