イヌマキ1本でライオンが10頭買えるって素晴らしい!?
9月20日(日)の朝日新聞が,「ライオン1頭10万円 猫より安い」と一面トップで報じていました。
新聞を読むとライオンは1頭あたり3頭の子どもが生まれるぐらい繁殖が簡単。今ではワシントン条約によって野生動物をアフリカで捕獲することができないため,動物園での繁殖・交換などが一般的になってきています。繁殖が簡単なライオンは値下がりし,1頭あたり10万円で取り扱われているとか。希少な猫だと30~40万円で取引されているので,「ライオンは猫より安い」となるようです。
話はかわって,実家の祖母の家のことです。祖母の家は屋根の梁(はり)にシロアリが入っていて、外から見ると屋根が波を打っています。そういうわけで20年以上,この家は空き家となっています。その庭には,イヌマキやサルスベリ,しだれ梅などが植えられていました。祖母が元気な頃は庭の手入れをしていて,庭木も元気にしていたのですが,放置していると庭も荒れてきて弱ってきました。
もう10年以上前のことですが,その庭にあるイヌマキを買いたいという人が現れて,相当な高値を伝えたようです。しかし父の答えはノー。放置しているのに,人が買いたいというと急に惜しくなるのはどうしてなんでしょうね。その後,申し出のあったイヌマキは枯れてしまいました。
朝日新聞にライオンの話が掲載された日,実家に戻りました。お彼岸の墓参りを兼ねてのことです。両親と世間話をする中で,祖母の家のイヌマキの話になりました。
「この間,イヌマキが100万円で売れたのよ。まだ庭に残っているけど売れてよかった。3本のうち2本はもう枯れてしまったからね。最近はキオビエダシャクがいっぱい飛び回っているでしょ。イヌマキがその幼虫にやられてしまってね。はやく持って行ってもらったほうがいいけど」
話を聞くと,どうやら中国に輸出するようです。植木が中国用にドンドン売れているとか。祖母の家の庭気は樹齢100年ぐらいでしょうか。そういう庭木はそれだけ貴重なんでしょう。
「100万円で売れたという話をしたら,他の人から500万円で売れているのに。もったいないことをして,って言われたのよ。でも100万円でもいいでしょ。誰も住んでいないし,これから木の世話もできないんだから」
もっともです。放置していた木が100万円もするなんて,棚からぼた餅みたいな話です。これを500万円で売れば,なんてよく言えた人がいましたね。
5,6年前,鹿児島中央駅前の屋台村で飲んでいたとき,森伊蔵の空き箱と瓶が,リサイクルショップで500円で引き取ってもらったことを私が自慢げに話したら,隣の男性が「お前はバカだな,東京だったら1万円で売れるんだぞ。酒屋の看板に飾っておいて,客の目を引いて,いざお客が来たら『あいにく今きらしてまして。こちらはいかがですか』ってやるんだよ」と説教されたことがありました。
その後しばらくして焼酎の3M(森伊蔵,村田,魔王)の空き瓶をそろえたことがありました。屋台村の話を思い出し,メルカリに3000円で出品しましたが,買い手は付きませんでした。
結局,儲け話は嘘が混じっていると考えて間違いありません。特に,見知らぬ人からの情報は,単に妬みや思い込みによってねじ曲げられています。言われた方は不愉快ですが,結局,現金を手に入れたのは私。あなたには関係ないでしょ。と距離を置いておくほうがいいみたいです。
ところでライオンの話です。10万円だったら自宅で飼うこともできそうです。ナショナルジオグラフィックにも,アメリカでライガー(ライオンとトラを交配して生まれた動物)を飼って商売にしている人が掲載されていました。ライオンも取引先を動物園に限定しているから値段が安いだけかもしれません。取引を広げたら,高値で売れて採算(?)が採れるかも。
そうだ。ライオンもイヌマキと同様中国に売ったらどうでしょう。意外と高値かも。
方形のガラスを運ぶ男いて透明をかくも重くかつげり (浜田康敬)
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