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2020年8月31日 (月)

PCR検査の全員実施要求 目的は感染防止ではなく不安解消ですよね

日本共産党の要望に「PCR検査を幅広く実施させよ」というのがありました。さすがというか,共産党は弱者・低所得者の味方ですからね。党の方針なんでしょう。

確かに日本共産党の言うことは誰でも賛同できます。いや,だからこそ疑ってしまいます。じゃあ,なぜ政府はそうしないんだろうか? と。

PCR検査は新型コロナウイルス感染症の症状がある場合か,濃厚接触者の場合などに限られています。もちろん検査能力に限界があるからというのが本音でしょうが,誰でもやみくもに検査をさせない姿勢は評価してもいいと思います。

私が子どもの頃,高齢者は医療費が無料という時代がありました。1973年に老人医療費支給制度が導入され,10年間にわたって医療費が無料だったのです(現在は年齢と所得に応じて1~3割を負担しています。)。

その頃に問題となっていたのが,老人による「病院のサロン化」でした。医療費が無料と言うことで老人が病院に何度も通うようになり,病院の待合室は老人たちのサロンと化したのです。当時,ビートたけしが皮肉っていました。「病院の待合室でお年寄りたちが語り合ってんだけど,常連のメンバーが一人来てなかったんだって。それを『今日はあの人来てないけど,どうしちゃったんだろうね』と聞いたら,その知り合いが『今日は体調が悪いんだって』と答えるとみんな『そりゃあしょうがないね』だって。普通逆だろう!!!!」

こんなギャグが笑いをとるぐらい,ひどい状況でした。老人たちはお金を払わなくてすみますが,その負担をするのは税金ですからね。労働者の所得税だったわけですから。体調が悪くて病院にいっても老人ばかりで長時間待たされる。医療費の増大が日本国の財政を急激に悪化させているのは周知の事実ですが,そんなひどいことが普通だったんですよ。

さて,PCR検査に戻ります。だれでもいい,ということになると検査を受ける人が増えます。何しろ行政検査は検査代が無料ですから。1度ぐらいならいいですよ。でも,PCR検査でわかるのは検査を受けたときに感染しているかどうか。数日後はまた検査をしないと分からない。こうなると毎週検査を受けることになります。こんな時間があるかって? ありますよ,年寄りたちは。

日本共産党の皆さんは低所得者のお年寄りが大事な支持者なんでしょうけど,その結果,税金が無駄に使われる,検査が必要とされる人の検査が後回しになる,検査機関が疲弊する,無症状の陽性者の対応に貴重な医療人員を割り当てることで本当に必要な人の看護ができなくなる,などの害悪の方が大きいと断言できます。

だって,東京を見てください。毎日200人以上の陽性を確認しているのに,重症で入院しているのは30人程度ですよ。単純に退院できる日数を10日間とすると入院対象者は2000人。そのうち重症者は1.5%です。症状がほとんどない,あるいは軽い1970人が病院を占拠したら,この死にそうな30人はどこで治療を受けさせるんですか?

検査を受けたい人はそれ相応のお金を払えばよろしい。日本共産党には許せないかもしれませんが,行動をすこしでも理知的にするためには市場原理の作用の方が,人間の恣意的な善意よりもましだと思います。

「天国へ行くのに最も有効な方法は,地獄へ行く道を熟知することである」(ニコロ・マキャベッリ「手紙」)

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