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2020年6月 7日 (日)

一日の最後に話をしたい相手は君だけ たとえ最初の出会いが最悪でも

録画していたメグ・ライアン主演の「恋人たちの予感」を観ました。

ラブコメの女王,メグ・ライアンですからね。若い人は知らないかも知れませんが,私の青春時代は,ラブコメ映画と言えばジュリア・ロバーツかメグ・ライアンです。そして男と女の友情は成立するのか,というテーマはこの映画が火付け役となったのは間違いないでしょう。それぐらい,私たち世代の恋愛のトレンドに大きな影響を与えました。

ハリーとサリー(メグ・ライアン)の掛け合いで映画は進行します。最初からずっーと,セックスの話題が中心。ベッドシーンは1度だけ。それも二人で添い寝をしているだけ。この映画の魅力は二人のセリフの掛け合いなのです。これぞラブコメの王道でしょう。

私は高校,大学と彼女ができたことはなく,合コンなどで知り合ってもその次の約束がないのがお決まりでした。私自身の魅力がないのも当然ですが,相手の女性に魅力を感じなかったのも事実。一緒に食事やカラオケを楽しんでも,もともと自分自身がそれを楽しめないから共感できなかったのかもしれません。どうしてみんなは彼氏,彼女ができるのか,当時の私には謎でした。

今の妻と私は会社に入ってすぐに知り合いました。ただ別の部署だったため,それ以上言葉を交わすこともないまま数ヶ月が過ぎました。夏,暇だった私がその頃のことを思い出し,妻のところに遊びに行きました。妻の家に到着したのはちょうどお昼前。妻は私のためにチャーハンを用意してくれていたので私に多少の好意はあったのでしょう。しかし,そのチャーハンがまずいのなんの。私は「まずい」とつい口に出してしまいました。

その後,数時間二人でドライブをしたのですが,ほとんど会話はなく,ただ二人でぼんやりと風景を眺め,最後に定食屋でご飯を食べて別れました。あまりにも会話が弾まないので,もう二度と会うことはないだろうな,と思ったものです。

でも,分からないものですね。その翌年に,私は妻にプロポーズをしました。会話は弾まなくても,この人となら一緒に苦労することもできる,と思ったからです。不思議なもので,最初の出会いから25年経った今でも,妻と二人いるときもほとんど会話がない。それでもずっと一緒にいられるのです。

さて,映画の話に戻ります。最初に最悪の出会いをしたハリーとサリーは,お互いに離婚などの経験を重ねて12年の時が流れます。そしてその年の大晦日の夜に,ハリーがサリーに告白します。「一日の最後に話をしたい相手は君だけ」と。サリーは「あなたなんて嫌い」といって二人が抱擁してエンディングとなります。

何でも隠さずに言い合える関係っていいですね。私はつい本音を口に出す方なので隠し事ができません。妻に言わせれば「気遣いがない」ということなんでしょうが,それでも許せる信頼関係ができているってことなのかも。

そういう人に出会えたことは本当に幸せなことです。

ところでこの映画には,老夫婦のインタビューがところどころで割り込みます。老夫婦の馴れ初めや数十年変わらぬ愛がそこで語られます。もし,私と妻がこの映画のワンシーンに出ていたとしたら,どんな話をするかしら。チャーハンの話は必須でしょうね。妻は嫌がるかもしれませんが。

眠りつつ髪をまさぐる指やさし夢の中でも私を抱くの(俵万智)

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