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2020年3月

2020年3月21日 (土)

お散歩日和(びより) 天才たちはなぜ散歩をするのか?

今日は雲ひとつない晴天。日差しがあたたかく,風は爽(さわ)やか。春本番です。

朝のうちに買い出しをすませてから近くの美容室で散髪。そのときに美容師から「今日はいい天気ですね。お散歩するんですか?」 ああ,そういえば最近散歩をしたのはいつだっただろうか? 

この2ヶ月は多忙で土日も仕事でまったく余裕がありませんでした。会社に行かない日は家でゆっくりと体を休めることに専念していました。こんな天気のいい日にずっと家にいるのはもったいない。昼ご飯を食べた後,1時間弱ですが近所の住宅街を散歩しました。

団地造成をしたときに一緒に整備した公園が,町内のあちこちにあります。それを順番にまわっていくコースにしました。最初に立ち寄った公園ではテニスコートで高齢の男性5,6人がテニスを楽しんでいました。ソフトですが,歓声をあげて楽しそうにしています。

その次の次に立ち寄った公園では,母子連れのグループが2組遊んでいました。どうやらママ友らしく,一緒にベンチに腰掛けておしゃべり。小学校入学前の子どもが5人ほどブランコなどで遊んでいます。

横目に見ながらその後も公園を巡るのですがどこも無人。10番目に立ち寄った公園は,この地域で一番広いこともあり,大人達がソフトボールの試合をしていました。そのとなりの草地では小学生らが数グループいて遊んでいます。お年寄りの男性が一人ベンチに腰掛けてひなたぼっこをしていました。

このあたりも少子高齢化が進行して子どもが少なくなりました。かといってお年寄りも公園にはでてくることなく,家に閉じこもっているんでしょうか? お天気とは裏腹に静かすぎる住宅地を歩くと,本当にここに人が住んでいるんだろうか? と考えてしまうぐらいです。

今読んでいる「天才たちの日課」(メイソン・カリー)は,世界の天才たち161人の毎日の習慣を2~3ページで紹介するエピソード集です。

この本に登場する天才たちはよく散歩をしています。アメリカ人の作曲家,モートン・フェルドマンは朝6時に起きて11時まで仕事を終えると,その後は何時間も元気に外を歩いていたとか。ベートーベンも昼食をしっかり食べた後は長い散歩に出かけ,日中の残り時間の多くがその散歩に費やされたとか。デンマーク人の哲学者のキルケゴールの一日は,執筆と散歩で占められていたようです。

それに比べて日本人はどうなんでしょう? 散歩なんて言葉を耳にしなくなりました。高齢者が歩くのは「ウォーキング」という運動として,健康づくりの一環として行うことが当然のようになっています。日本人は「~のために」やるという几帳面な性格がよく出ています。

私も暇を見つけると,天気がいいときにはよく散歩をしていました。あちこちの家々や庭の木々,草花を見ることがなんだか面白いのです。しかし,ひとりで目的もなく歩くと不審者扱い。変な世の中ですね。

少年や春着の姉をまぶしとも(藤田湘子)