お祭りの終焉 ラグビーワールドカップの熱気とそれぞれの総括
1ヶ月半もの間,私に興奮をもたらしたラグビーワールドカップ日本大会が,昨日の決勝戦をもって終わりました。決勝はイングランド対南アフリカ。下馬評ではニュージーランドを破ったイングランドが優位かと思われていましたが,南アフリカはイングランドをノートライに押さえ込み32ー12で完勝。3回目の優勝を飾りました。
私は3位決定戦のウェールズ対ニュージーランドだけは仕事の都合で生でみることができませんでしたが,他の試合はすべて生中継でみることができました。地元開催の利点ですね。最高レベルのラグビーをこんなに堪能できるなんて。本当に幸せな時間でした。
特に日本の試合は手に汗握る大興奮の連続でした。日本の大活躍は心から嬉しい。アイルランド戦,スコットランド戦は日本の実力がフロックではないことを世界に印象づけました。どの試合も胸がドキドキするのを感じながらの観戦。もっとも,最後の南アフリカ戦は後半になるとFWで完全に刃が立たず,見るのがつらかったけれど。
私が選ぶ,今大会のベストバウトは,フランスがドロップゴールで逆転勝利を決めた対アルゼンチン戦です。アルゼンチンのドライビングモール,かつて賞賛を浴びたフランスのシャンパンラグビーの再現,どちらも素晴らしかった。試合終了間際,アルゼンチンは50m近い正面からのペナルティゴールを外してフランスが2点差で辛勝。この戦いはフランスにはニュージーランドのようなパス回しも,南アフリカやイングランドのようなパワーもありませんが,フランスのヨーロピアンなキックとステップを交えた攻撃は鮮やかでほれぼれしました。
フランスは決勝トーナメント1回戦の対ウェールズ戦も負けたけどこの試合も大接戦でした。残念ながら前半にフランスの選手にレッドカード。1人少ないフランスは最後にウェールズに押し切られ敗れました。フランスの実力を考えると,予選リーグの対イングランド戦が台風で中止になったのは本当に残念です。フランスがイングランドに対してどういう戦いをするのか,今となっては想像するかありませんが。
今朝の朝日新聞,1面は決勝の結果概要,スポーツ面(13面)には試合の詳細に加えて「黒人主将コリシ」のお涙頂戴話。国際面(7面)には「コリシ主将は希望の星」,社会面(29面)にはテレビ視聴率とジャパンユニフォームの売れ行き,大会の悪影響を心配していた庶民の声などが掲載されていました。最後になって人種問題をクローズアップするところが朝日新聞らしい。そんなの開幕前から分かっていただろうに。それが今大会の総括ですか? 違うんじゃない?
奪い合うことの喜び一身に集めてはずむラグビーボール(俵万智)
コメント