« ラグビーワールドカップ 日本が敗退してからの盛り上がりこそ正念場 | メイン | 福岡ソフトバンクホークス10連勝で日本一 哀れなり巨人・中畑 »

2019年10月23日 (水)

パターナリズムとリバタリアニズムの対立 夫婦げんかもたいがいに

数日前の休日。私が本を読んでいると「あんたは自分のことばかり」と妻が怒り出しました。

この日,妻は朝から娘の進学候補の大学の分析をしていました。これはと思う私立の大学案内を取り寄せ,受験日,受験科目,傾斜配点,受験料,入学金と納入日,センター試験の有無などなどの情報を整理しています。その妻の前にいる私はまったく手伝いません。

妻が怒るのももっともなのですが,その言い方にカチンときた私は「勝手なことをやってるのはあんただろ。あんたはこの大学を受験するかどうか娘に聞いたのか。どこを受験するかを決めるのは娘自身だろ。こんなことは娘にさせればいい」と反論。妻は「娘がこんな大変な作業をするくらいなら,英単語のひとつでも覚えた方がまし。娘と話し合うにしても事前に調べておかないと話にならないでしょう」と頑(かたく)なな口調。

これ以上議論してもお互いの感情が高ぶるだけだと思い,私はそれ以上は口を噤(つぐ)み,再び本を読み続けました。その後も妻はぶつくさ私に不満をぶつけてきたので読書をやめ,数時間外出しました。

私の考え方は「自分の人生は自分で決める。自分の決断は自分で責任を取る」につきます。私が高校を受験するときは親が勝手に決めました。私が希望していたのは地元の進学校。しかし両親は鹿児島市内の進学校を薦め,言うことを聞かない私を車で数時間かけてその高校まで連れて行き,承諾しないと帰らないぐらいのプレッシャーで納得させました。

その後,私は親のアドバイスはすべて聞き流しています。

今の私のバックボーンには,リバタリアニズム(自由至上主義)がありますが,子育てについても基本的にその考え方です。

一方妻は真逆。娘のためとして参考書・問題集などの教材を買い与え,部活は禁止,外出するにもいちいち文句をつけます。パターナリズムもいいところです。パターナリズムとは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいいます。親が子供のためによかれと思ってすることがその由来です。

よく相手の立場で考えろといいます。私が娘の立場で考えると「こんな家にはいたくない。家出する」となりますが,妻が娘の立場だとどうなるでしょう。おそらく妻は「私は娘のようにだらけたりしない」といって別の話にもっていくことでしょう。

どちらがいいとか,正しいかということではありません。私の考えを極端に推し進めると「ネグレクト(育児放棄)」,妻の考えを極端に推し進めると「共依存」。共依存とは「あなたは本当にダメな人間。だから私が世話をしないと生きていけない」と人間関係を支配・被支配の関係で強化していくことです。どちらもドメスティックバイオレンスの典型です。

私と妻は考え方が大きく異なっていて,よく結婚できたよなといつも思います。でも,だからこそバランスが取れていて,20年以上夫婦でいられるとも言えます。お互い頑固なだけに,完全に一方に引っ張られることはないということですから。それに,子どもで言い争うことがなければ我が家は寂しくなりますしね。考え方の対立があるのもひとつの賑わいかも。

あなたには くつしたなどの干しかたに 愛が足らぬと妻はときにいう(大松達知)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34193884

パターナリズムとリバタリアニズムの対立 夫婦げんかもたいがいにを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿