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2019年8月

2019年8月28日 (水)

日本食のレベルが極めて高いのは規制の緩さにある byホリエモン

「君はどこにでも行ける」(堀江貴文)を読みました。ホリエモンが世界中を旅して,それぞれの印象を語っているエッセイです。読んで思うのはアジアの各都市が急速に成長しているということ。

私が学生時代の頃(30年も昔のことですが),台湾などの行けばお腹いっぱい食べても300円。というぐらい日本の円が強かった。当時は中国も外国人向け人民元紙幣があるぐらい内外の格差が大きかった。それが今では旅行しても物価はほとんど日本と変わらない。そりゃあそうですよね。私もここ5年で台湾,上海,香港,マカオと旅行しましたが,どこで食べても金額は日本の飲食店と差はありません。安いのは交通費ぐらいかな(特に路線バスはほとんどが100円未満)。

サービスの質はやはり日本が上と思うことが多い。でも一番感じるのは料理のおいしさでしょうか。これはホリエモンと同意見です。私は日本人の職人気質がその理由だと思っていましたが,ホリエモンの分析は違います。

「日本食が世界的にみて極めて高いレベルに発展したのは,規制の緩さが大きな理由のひとつだ」「日本は実は,飲食店を開くためのハードルがとても低い」「一方で欧米は新規の料理店をひらく規制がめちゃくちゃ厳しい」「営業時間についても,日本のように一部で深夜営業も認められている国や都市は少ない」

日本では新規参入が容易なだけに競争は激しい。新規開店の9割は1年以内につぶれるといいます。そういう競争があるからこそ,おいしいお店,サービスの質が高い店が日本は多い。なるほど,納得です。

日本しか知らないと海外で飲食店の開店に規制があるなんて思いもしません。日本で普通なことは海外でも普通(というか存在しない制度を察することはまず不可能)と思いますからね。

ホリエモンのいうことは軽薄というか,すんなり共感できないこともありますが,彼の生き方には一種の清々(すがすが)しさを感じます。そしてなにより現場感覚がすごい。

実際に目で見て体験して,日本の経済力は世界各国に追いつかれ,追い抜かれているという感覚がリアルに伝わってきます。日本の経済力が相対的に低下し,相対的に日本の物価が安くなったからこそ外国人観光客が急増しているという現実がよく理解できます。

ここ数年は日本を絶賛するバラエティ番組が目立ちます。気分がいいですよね。ホリエモンのいうことは耳が痛い。怒り出す人もいるでしょう。でも現実を認めなければ何も始まらない。すくなくとも,現実を認めない人はホリエモンを批判する資格はないでしょうね。

外遊び終えたズボンを洗うとき立ちのぼりくる落葉の匂い(俵万智)