スペイン無敵艦隊の意外な最後 これでも勝ちは勝ち
午前中は市民農園へ。寒い雨がしょぼしょぼ降る中、チンゲンサイが10本ほど高さ50センチほどまで伸び、そのうちの2本は黄色く小さな花をつけていました。
地表を這うように葉を広げていた裸麦も、いよいよ立ち上がってきました。麦踏みは不要ですね。先週はクローバーともども黄色く変色しているのが目につきましたが、広がる様子はなさそうです。収穫はブロッコリーと芽キャベツを3~4個。滞在時間は5分でした。
自宅に戻り、「図説 スペイン無敵艦隊 エリザベス海軍とアルマダの戦い」(アンガス・コンスタム)を読みました。
当時スペインは南米の銀やエメラルドなどの富を手に入れ、カトリックの強国でした。対抗するイングランドはプロテスタント。宗教対立という火種に火をつけたのがキャプテン・ドレイク。海賊として南米・中米のスペイン領を荒らしまわった後、世界一周してイングランドに帰国した彼をエリザベス女王はナイトに叙します。今では信じられない展開ですよね。喧嘩を売ってるとしか思えません。
120隻を越えるスペイン艦隊(アルマダ)が英仏海峡に向かいます。目的はイングランドへ上陸する陸軍の支援。これをドレイクらイングランド海軍が迎え撃ちます。アルマダは1000トン前後の大型帆船に乗船している陸軍兵士が敵船に切り込む戦闘スタイル。当時の海戦はこれが一般的でした。一方イングランド艦隊は500トン前後の中型であるものの操作性に優れた帆船が、大砲で攻撃するスタイル。一種の軍事イノベーションです。
戦いは数日続きますが、アルマダは敵の砲撃による破損はあるものの沈没せずに堅固な陣形を保持します。ところが、オランダにいる上陸部隊がやって来ない。イングランドの焼打ち作戦から避難するときに錨を切り捨てたアルマダは停泊できないため、やむなく、グレートブリテン島・アイルランド島を反時計回りに一周してスペインに帰国することを選びます。当時の帆船の操船技術では南下することはできなかったんですね。
そして運はイングランドに味方しました。アルマダは回航中に嵐に遭い、砲撃戦のときにあちこち破損していた艦は次々と沈没するか座礁します。乗員は溺死か、陸地に流れ着いても皆殺し。スペインに帰国できたのは60隻余りでした。
読書前のイメージとしては、両艦隊の激しい砲撃戦や、船がぶつかって白兵戦となることを想像していたのですが、イングランド海軍は敵の切り込み戦術を恐れて距離を置き続けたためにほとんど無傷。ボクシングで例えると試合中はアウトレンジでジャブを出しては逃げまわり、試合後に相手が不慮の事故でけがをして、二度目を戦わずして勝利したようなもの。
勝敗は思わぬところで決します。歴史とはこうして作られるものなんでしょうね。
闘鶏の眼(まなこ)つぶれて飼いにけり(村上鬼城)
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