「バレンタインデイ・キッス」の日と音楽のない朝の思い出
今日はバレンタインデイ。残念ながら私にチョコレートをプレゼントする女性はいませんでした。
私が高校生の時は寮生活を送っていました。毎朝6時に起床の音楽が寮内に流れます。寮生が日頃聞いているカセットテープを放送係に提供していて、音楽は日替わりでした。しかし、バレンタインデイの朝は国生さゆりの「バレンタインデイ・キッス」が流れるのがお約束でした。男子寮だけあってそういう妄想だけはたくましい。もちろん、現実はそんなにうまくなく、クラスの女の子達から徳用袋入りのチョコを少しずつ分けてもらっては喜んでいる3年間でした。
そんな寮生活で音楽が流れない朝が年に1日だけありました。それは共通一次、大学入試センター試験の初日です。
3年生が出発する日の朝は、1,2年生がギャグや先輩のモノマネを交えた、応援メッセージが流れました。私も3年生の時はこの放送に腹を抱えて笑い、明るい気持ちで試験会場に向かいました。もう30年も昔のことです。
今、福岡で2浪目の娘が私立大学を受験しています。夜は不安になるのか、毎晩のように電話がかかってきます。私と妻と高校生の娘は「おまえはこんなに頑張ってきたんだ。必ず合格するよ」と励ましています。スマホなので映像も送ることができます。私が話をする様子は間抜けに見えるらしく、娘はいつもガハハと笑い、明るい声で返事をしてくれます。そんな娘の様子を見ていると30年前の私を思い出します。
昨日は一橋大学の一次選抜に合格していることをスマホで確認し、家族みんなで喜びました。私たちはみんなあなたを応援しています。どんなときも。自分のこれまでの努力を信じて強い気持ちで試験に臨んでください。
「おやすみ」をあなたに言ってもう今日は鳴らなくていい電話と思う(俵万智)
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