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2019年2月28日 (木)

「古代中国に実在した幻の妃」って結局いたの?いなかったの?

数年前から中国語の勉強を始めた妻は、毎日録画した中国ドラマを見ています。今見ているのはBS12で放映中の「麗王別妃」。私もつきあわされてよく見ているのですが、中国ドラマには一定のお約束があるようです。

一つは血を吐くシーン。体の調子が悪くなると血を吐きます。腹を殴られると血を吐きます。疲労が激しくなると血を吐きます。毒を盛られると血を吐きます。顔を殴られても血を吐きます。体を刀で切られても血を吐きます。矢が背中に突き刺さっても血を吐きます。最初はなんて怖いドラマなんだと思っていましたが、どうやらこれは中国流の演出なんですね。健康を害したり、傷を受けたことが重大と視聴者に認識させるための。だから因果関係は無視して当然なんでしょう。

次によくあるのが歌のシーン。仲睦まじい様子、落ち込んだ様子、悲しい様子を表現するときに必ず歌が2~3分ぐらい流れます。妻は歌が流れると早送りします。まったくドラマが進展せず、セリフもないので、せっかちな妻には無駄に思えるようです。

そして戦いのシーン。飛びます。何しろ飛びます。地上から屋根に飛び上がるのは当たり前。賊が屋敷を襲うシーンでは賊たちは屋根の上から飛んできます。戦闘シーンでも助走なく10m以上前方に飛んで刀で切りつけます。

そして野外のCG。春の野原のシーンでは影がない。先週の冬山のシーンでは吐く息が白くなることもなく、普段着なのに手がかじかむ様子もみられない。それぐらい演技してよ(あるいはCGでカバーしてよ)

また、ストーリー展開が主人公に異常に偏向しているせいか、他の登場人物の言行があまりにも不自然。前のドラマでは、仲のよい兄が殺されているのにチラ見もせず、主人公を助けて逃げ出す優しい王女、というシーンがありました。優しい性格なら兄のことも少しぐらい気にかけるだろうっ 普通! そしてキスシーン。千年以上前の中国にキスの習慣があったとは驚きです。日本の時代劇ならぜったいにあり得ません。

結局、辻褄が合っているかよりも、内容が面白いかどうかが中国ドラマの基準なんでしょうね。あるいは中国にはこの程度のことでは難癖をつける人がいないのかも(逆に日本では些細なことでクレームをつける人が多すぎるのかも)。

私はいつもドラマを見ながらこれらのことにいちいち突っ込みを入れるので、妻から煙たがられます。一緒に見るのは諦めて、一人で楽しんでください。

やさしすぎるキスなんかしてくれるからあなたの嘘に気づいてしまう(俵万智)

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