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2019年1月17日 (木)

平成最後の「日本出身」横綱 引退の日

昨年の夏以来、何があっても「平成最後」。バカの一つ覚えとはこのことですね。先日から「平成最後」の初場所が始まりました。

大相撲では取組時に「番付(前頭三枚目など),しこ名,出身地(鹿児島県霧島市出身など),部屋名」を紹介します。外国人力士の場合は「ハワイ・オアフ島出身」だったり,「モンゴル・ウランバートル出身」だったりと日本人になじみのある地名になるようです。

ところで稀勢の里。なぜか新聞やテレビでは,日本「出身」力士と紹介されます。たぶんモンゴル「出身」の日本「国籍」横綱がいるので,「日本人横綱」と紹介すると「唯一の」「19年ぶりの」といったフレーズが使えないがための苦し紛れの表現なんでしょうね。

サッカー選手では日本に帰化した選手が多数存在します。だからといって日本人選手を日本「出身」選手と紹介しますか? 言わないですよね。あえて「日本出身力士」と言わなければならないことが悲しいです。

かつての高見山,小錦,武蔵丸といった太平洋諸島出身の外国人が活躍したとき、彼らの体型は桁違いでした。大関小錦が横綱になりそうというときは激しいバッシングがありました。それに比べるとモンゴル勢は体型も顔つきも日本人とほとんど同じ。そのため,さほどバッシングもなく次々と横綱に昇進しました。

でもやっぱりそれを気にする人もいるんですね。視聴率や販売部数に影響を与えるおそれがあると認識されているからこそ「日本出身」と記事にするのですから。

そして稀勢の里。こんな周囲の「唯一の」へのこだわりが,つらい思いをさせたことになったとしか思えません。横綱引退でこんな感想をもつのは初めてです。私は彼の取組をほとんど見たことがなく,横綱昇進後の弱い姿しか知りません。だからこそ余計に哀れです。

さよならに向かって朝がくることの涙の味でオムレツを焼く(俵万智)

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