コンビニでバイトした 30年前はおでんはなかった!?
私が大学4年のとき、京都市北山通りにあるローソンでアルバイトをしていました。
当時、先輩から借りた車で交通事故(物損)を起こしてしまい、保険が適用されないために相手方に自費で15万円支払わなくてはならず、それ以外にも国民年金の未納金として20万円の請求がきたり、ゼミ旅行の経費として15万円(インドネシアのバリ島でした)必要だったりと、この時期は多額の現金が必要でした。学生とは思えないでしょう。
ほとんどの学生と同様、貯金のまったくない私はバイトで稼ぐしかなく、バイトのシフトは時給がもっとも高い時間帯にしてもらいました。午前3時から午前9時までの6時間です。
今の人にはわからないかもしれませんが、30年前の北山通の両側はほとんど田畑でした。道は広くても交通量は少なく、深夜はほとんど車の通行がありません。
寒い時期、夜中の2時過ぎに起きて、自転車を20分ほどこいでバイト先に向かったものでした。すれ違う人もなく、私を見ているのは夜空の星ぐらい。それほど静かな環境でした。
ローソンでの仕事は、お客がほとんどいないのでレジ打ちというよりも仕入れの検品や掃除が中心。調理だと「からあげくん」を揚げたりや「あんまん・肉まん」をスチームに入れたり。今ではコンビニといえば「おでん」ですが、私はまったく記憶にありません。この店で取り扱っていなかったのか、まさかね。
数少ないお客でしたが、印象に残っているお客さんがいます。それは早朝に来店する女子高生でした。
来店したときはいつも「あのー、にくまんください」と低い声で注文してきます。赤と黒の模様のマフラーを首に巻き、太いまゆげ、赤いほっぺ、輝く瞳、そして長い髪。一度も話をすることはありませんでしたが、なぜか彼女が肉まんを注文するときの声と表情だけは覚えています。
人間が覚えていることってどうやって選別しているんでしょう。不思議ですね。
コンビニのおでんが好きで星きれい(神野紗希)
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