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2021年4月

2021年4月21日 (水)

コロナ対策のターゲットが若者という理不尽が招いた若者たちの反乱?

日曜日のお昼のこと。MBCの「アッコにおまかせ」では、東京都の小池知事が「路上での飲酒はひかえてほしい」とコメントしている様子を放送。渋谷などの繁華街では、夜8時以降も営業しているお店では行列ができていて、入れない人たちが路上で飲酒をしている様子が紹介されていました。そして出てくる人はみんな20代、30代の若者たち。「コロナ? 大丈夫っしょ!」を笑いながらインタビューに答える様子は、製作者側の悪意を感じる編集です。

一方、今夜のNHKニュースを見ると、東京都の小池知事が近日中に緊急事態宣言を政府に要請するとか。ニュースではこれに関連してボウリング場で多くの高齢者が昼間からゲームを楽しんでいる様子を放送し、経営者が「ボウリング場が閉鎖されるとお客である高齢者のみなさんは体が衰えて、車椅子をつかうようになる」かのようなコメントを放送していました。そしてお年寄りたちのコメントは「ボウリング場が閉鎖されるとさみしくなる」。

おいおい、これって何なの?

路上でたむろしている若者は悪人(コロナウイルスをまきちらす加害者)で、ボウリング場に集まってゲームをするお年寄りは善人(緊急事態宣言で楽しみや体を動かす場を奪われる被害者)ってことなの?

冷静に考えてみてください。これっておかしいよ。

コロナウイルスは夜に感染するの? 飲酒すると感染するの? 断じてノーです。

ワイドショーでは自己責任という名の吊し上げが得意だったはず。海外でテロリストに拉致されても自己責任。コロナに感染してもきちんと防止対策をしていない本人の自己責任、・・・。

となると、今回も、感染したら重症化リスクの高いお年寄りは人とは接触するな、というのが自己責任を主張するコメンテーターの意見になるはず。そして、若者たちは感染しても重症化リスクはほとんどないと適切な判断をして夜遊びをしているだから、彼らの考え・行動を尊重すべき。なのに、「感染を(重症化しやすい年寄りに)広げるからけしからん」と別の基準を持ち出して批判しているわけです。

結局のところ、大切なのはお年寄りってことですね。年寄りは年金がもらえて家にこもっていいのでしょうけど、若者は働かなきゃ収入はないわけです。年寄りは昼間から遊んでいられますが、若者は夜にならないと自由な時間はないわけです。

そんな当たり前のことを無視して放送するテレビ局ってすごいな。やっぱりテレビを見ているのはお年寄りだってことなんでしょう。視聴率第一ですから。

ところで朝日新聞はどうしたんでしょう。いつものような「若者は反抗的でなくてはならない」的な文章が見当たりません。今や新聞を買うのはお年寄りだけなんでしょうね、きっと。

かの世より見れば如何(いか)なるこれの世か掃き寄せて落ち葉焚(た)く僧ひとり(大下一真)