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2020年11月23日 (月)

巨人2連敗の後の逆転勝利を期待しているファン 試合の流れ? 実力? 

今回の日本シリーズ。2試合ともホークスがジャイアンツを投打に圧倒しています。しかし,過去に3連敗の後,4連勝というシリーズが3回あります。そういうこともあって巨人ファンは奇跡の逆転勝利を期待しているかも知れません。

特に1989年の日本シリーズでは,仰木監督率いる近鉄バファローズと藤田監督の読売ジャイアンツが対戦。近鉄が3連勝した後,巨人が4連勝して日本一になりました。このとき,流れを変えた第4戦に先発したのがジャイアンツの香田投手。

香田はいてまえ打線と称された近鉄のバッターに対してスローカーブを織り交ぜて翻弄。日本シリーズの流れを変えました。ガンガン打ち込んでいた近鉄のバッターがそれから元気がなくなりました。当時の私は「なるほど。強力打線に効果的なのはスローボールなのか」とひざをたたいたことを思い出します。

日本一にならないとオーナーに叱責されるジャイアンツ。激闘のパリーグを制したことに満足して日本一のモチベーションがそれほどなく,おまけで戦った近鉄。両チームの背景がそうしたことも関係あったかもしれませんが,実力は巨人が上だったようです。

さて,今年の日本シリーズ。この2試合を見る限り,ジャイアンツの投手の速球は140キロ後半。コントロールはよくて変化球も多彩です。では,香田のように,今のホークス打線にスローボールを投げるピッチャーがいるでしょうか?

私に言わせれば,巨人の投手はみんながみんな,まとまりすぎて特徴がありません。今シーズン13連勝の菅野ですら,速球のスピードではホークスの控え投手に劣ります。

ホークスの先発投手は千賀にしろ,石川にしろ速球は150キロ台。第2戦の大差のついたときに登板した杉山や椎野という長身の速球投手はどちらも150キロ後半で投げてます。勝ちパターンで登板するモイネロ(速球,カーブ,チェンジアップしかないけど,どれも一級品),森(ほとんどカットボール)でも150キロの速球を投げ込むのに。

また,ホークスには左サイドスローの嘉弥真や右アンダーハンドの高橋という変化球主体の投手もそろっています。まさに多士済々。

ジャイアンツに1989年の香田のような投手がいるのかは知りません。私はセリーグの試合を見ないので。しかし,たとえ存在したとしてもホークス打線には太刀打ちできないでしょう。

パリーグには多田野(日本ハムファイターズ)という投手がいます。こちらは超山なりのスローボールを投げる中継ぎ投手です。ホークスはこういう投手たちと対戦しているのです。ピッチャーの質はパリーグが遙かに上。シーズンを通してそんなピッチャーと対戦してきたホークスが打てないはずがありません。

巨人の逆転勝利はありません。そもそも日本シリーズで,巨人が1勝できるかどうか,が私の見立てです。

障子閉めて四方(よも)の紅葉を感じをり(星野立子)

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