非常時こそ人の真価が問われる 他人のせいにしたがる人たち
新型コロナウイルスが中国で猛威をふるっています。今朝の朝日新聞を読むと感染者は4万人,死者は900人を超えました。致死率は2.3%をやや下回る程度。また,横浜港に停泊しているクルーズ船,ダイヤモンド・プリンセスでも感染者は130人を超えました。
ウイルスの国内侵入をやみくもに恐れる人々のせいで,港に留め置かれた乗客・乗員はストレスがたまるでしょうね。その窮状を伝えるマスコミは偽善面もいいとこ。船から出すなとだれが煽(あお)っているんでしょう?
このクルーズ船が鹿児島港に寄港した影響で,私の会社にも相変わらず苦情の電話がかかってきます。「クルーズ船に乗っていた香港の感染者は行動が非常に怪しい。細菌をばらまくテロリストではないかと,近所の人といっているんですよ」と上品な口調で話し続けるおばさま。「鹿児島で感染者がみつかったらお前は死ね」と延々と怒鳴り声を上げてくるおっさん。
こういう状況になると,我が社の社員も両極端になります。一方は対策に追われて激務が続く人,もう一方はなにをしていいのかわからないまま時間が過ぎてゆく傍観者。まあ,こういう非常時には「たぬき寝入り」状態になるのも無理はありません。
連日あちこちからさまざまな意見が押し寄せます。これを克服するのは大変なことかもしれませんが,私は戦うだけです。
かつて私が不動産業界の仕事をしていたときのこと。土地所有者とトラブルになっていて5年も放置されていた案件がありました。昨日の怒鳴り声の苦情主同様,ヒステリックに相手に罵声を浴びせ,決して当社の話を聞こうとしない中年男性が交渉相手でした。
会社の先輩達に相談しても「あんな奴にかかわるのは時間の無駄。ほかのところへ営業に行けよ」と相手にされませんでした。それでも私はたった1人で,毎週のように,電話をしたり,足を運んだり,激しい口論になったりを繰り返し,2年後には契約締結にこぎつけました。
そうなると先輩らは「ひとりよがりなことをしやがって」など,今度は私に嫌みを言うようになりました。私はいちいち相手にせず,聞いてないふりをしていましたけど。
今回のクルーズ船が鹿児島に寄港したことによる苦情の嵐も同じような展開になりつつあります。本当に困難な事態に直面したとき,どういう態度をとるのか,社員の意識・姿勢が問われます。そして日本人の意識・姿勢もまた同じ。
それにしても不思議なことがあります。本日の朝日新聞によると,中国以外には新型コロナウイルスの感染者が453人います。このうち,死亡したのはわずか2人(香港,フィリピン各1人)。致死率0.4%とインフルエンザなみの致死率しかありません。しかもフィリピンの1人は中国人(武漢からの観光客)。これってどういうことなんでしょう?
また,この453人のうち,もっとも感染者が多い国(?)は,ダイヤモンド・プリンセス(135人)で,2位のシンガポール(43人)に圧倒的な差をつけています。日本(国内)は25人。これって単純に検査をしっかりしているってことの証明ではないんでしょうか。そう考えると世界各国の潜在的な感染者はこの10倍以上いてもおかしくありません。でも,中国以外の国ではパニックがおきるような肺炎は発生していない。ますます不思議です。これってどういうことなんでしょう?
東京湾にフランケンシュタイン哭(な)く声はをんをんと走り子は耳聡(さと)し(川野里子)
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