冠婚葬祭の「冠」とは成人式のことだと初めて知りました
朝食を終えて片付けをしていると,娘が「センター試験まであと4日だよ。私って気分は小学6年生なのに。早くない?」と脳天気に笑っていました。確かに娘が精神的にどれだけ成長したかと思うと心許(こころもと)ない。
さて,昨日は成人の日。たまたま車を運転しているときにカーラジオをつけると,デイパートナーという番組のなかで成人式のことを取り上げていました。「冠婚葬祭の冠は成人式のことです」とのこと。へーっ,そうだったんだ。
「婚」は結婚。「葬」は葬儀。「祭」はよくわからなかったのでネットで調べてみると「祖先の祭祀」と出ていました。法事とかの意味です。
確かに古来から日本では,人生の節目として元服(げんぷく),婚礼,葬式を大事にしてきました。また,祖先の命日にはお墓参り,8月にはお盆など,祖先を祀ることを大事にしてきたので,ラジオを聞いて冠婚葬祭という言葉がようやく腑(ふ)に落ちました。
それにしても二十歳の成人式って,本当に大人になるための儀式なんでしょうか? 私は30年近く前に成人式に参加しました。このときは儀式というより,小学校,中学校の同級生との再会の場でした。小学校でタイムカプセルを開けたり,一緒にお酒を飲んで騒いだり。大人としての自覚をもったとは到底言えない日でした。
テレビのニュースを見ると成人式を18歳に引き下げるかで市町村が決めかねているといっていました。しかし,18歳と言えば,大学・専門学校への進学や就職を控えて忙しい時期。私の娘のようにセンター試験の直前で成人式どころじゃないという若者も多いのでは? という問題があります。
成人式はやめればいいと思うのは私だけでしょうか? そもそも18歳には高校の卒業式があります。卒業式こそ,今や成人式と同等の意味を持つのではありませんか? 高校卒業が,子どもだった自分とのお別れの儀式だと感じる人は多いはず。
こう言うと「高校に進学していない人はどうするんだ」と反論する人がいます。私に言わせればふざけんじゃない。成人式に参加する人がどれだけいると思っているんでしょう。卒業式に参加する人と,成人式に参加する人を比べれば,卒業式に参加する人の方が圧倒的に多い。
現在の市町村が実施主体の成人式は20歳にするのか,18歳にするのか悩むのではなく,即刻中止すべきだというのが私の考えです。ついでに「半成人式」という意味のよく分からないイベントも中止してください。小学校4年生に親への感謝を無理矢理いわせるのは正直なところ素直に聞くことができませんでした。親から暴力を受けている子ども,親が嫌いな子どもだっているでしょうに。話がそれました。
ところで高校3年の娘が成人式の年齢のニュースを見て「18歳に選挙権があるのに,なぜ再来年から18歳なんて言っているの?」と私に質問しました。「18歳から投票できるという規定は公職選挙法。大人の年齢を20歳から18歳にするのは民法。改正民法が施行されるのが再来年だから」と答えておきました。ちなみに娘がセンター試験で選択した科目は「政治経済」です。
卒業式の前の日に知る千円でバラは三本買えないことを(俵万智)
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