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2020年1月 3日 (金)

ライスボウルは富士通が完勝 学生対社会人で日本一を争う意義は?

NHK-BS1でアメリカンフットボールの日本選手権(ライスボウル),富士通フロンティアーズ対関西学院大ファイターズを見ました。

前半から富士通が圧倒。前半終了間際,そして後半第4クオーターでも関西学院大は意地を見せましたが,3タッチダウン以上の差がついて予想どおり富士通が四連覇を達成しました。

私がアメリカンフットボールを見るようになったのは大学生のとき。当時は京都大学ギャングスターズが強く,関西学院大と関西リーグで優勝を争っていました。ルールはそのときに覚えました。

この時代はライスボウルが始まって間もない時期。学生日本一と社会人日本一が争うのはプロ野球の日本シリーズのように勝敗の行方が関心事でした。

しかし,今では社会人がここ10年勝ち続けています。今日の結果もそれに同じ。第3クオーターで勝負は決まってしまい,後は関西学院大がタッチダウンを奪えるか,スペシャルプレイで何を見せるのかに焦点が移りました。でも,これでいいのか?

ラグビーも,昭和の時代は学生日本一と社会人日本一が日本選手権を争っていました。松尾が率いる新日鉄釜石に大学日本一が挑戦。こちらも熱戦が続いていましたが,神戸製鋼が優勝するようになってからは社会人が学生を圧倒。今でも勝負の場は残っていますが,学生にとっては学生日本一のご褒美としてプレーさせてもらっている,みたいな印象を受けます。

ラグビーは,昨年日本で開催されたワールドカップの出場選手が,ぞくぞくと日本の社会人チームに移籍してプレーを見せます。こんなハイレベルな社会人チームと学生が争うなんて,もはや甲子園優勝チームがプロ野球チームと真剣勝負をするようなもの。それほどの差があります。

アメリカンフットボールも,ラグビーほどではありませんがプロチームに近くなっています。体格差もさることながら,個人技に優れる外国人選手があれだけいると学生はお手上げでしょう。社会人と学生が対決する場は,もう存在意義を失っているといっても過言ではないかもしれません。

テレビ放送もそろそろコンテンツの見直しを考え直してはどうでしょう? ラグビーにせよ,アメリカンフットボールにせよ,日本一決定戦よりも社会人リーグの試合の方が放送するにふさわしいレベルではないでしょうか? 

NHKは人気のないスポーツであっても日本選手権だけは必ず放送する貴重な放送局でした。それゆえに存在意義を失った日本選手権を放送するのは,形骸化したアマチュアリズムを見せつけられているようで,むなしさが胸に残ります。

太陽(ひ)の真下 平和の平は平凡の平と思いき 何を捨てたか(俵万智)

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