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2019年10月 2日 (水)

関西電力バッシングの不思議 いったい何罪が成立するのか解説なし

関西電力の役員が高岡原発の地元の有力者から多額の金品を受け取っていたことでバッシングを浴びています。マスコミがバッシングをするのは何か理由があるんでしょうが,何が悪いのかという解説がありません。いったい罪は何でしょうか?

最初に報道されたときは税務調査との関連が指摘されていました。なるほど,100万円以上の金品を受け取った場合は贈与税がかかります。それを申告せずに受け取った(所得)とみなされると脱税ということで罰せられます。

しかし,今回の事件では受け取った金品は「預かっていた」という微妙な表現をしています。会社に預けていて自由に消費できるような状態になかったのであれば,所得とみなせるかは判断の分かれるところです。しかも贈った元助役もその遺族も返品を拒絶していたとか。それが事実かどうかは遺族に取材すべきだと思うのですが,残念ながら,NHKと朝日新聞しか情報源のない私は,遺族のコメントを見たことがありません。

収賄罪が成立すると考える人もいるかもしれません。しかし,収賄は公務員・政治家にしか適用されません。民間どおしの金品のやりとりで贈収賄罪は成立しません。残念ながら,NHKと朝日新聞しか情報源のない私は,そういう解説を見たことがありません。そのくらいのことは知ってて当然だから? すみません。それぐらいはほとんどの人にとって常識ですね。

では会社法でしょうか。金品を受け取った見返りに会社に損害を与えるような商取引を行ったとか。しかし,こちらもそれをほのめかすような報道はまったくありません。あえていえば元助役が顧問になっていた建設会社に通常よりも金額を水増しして工事を発注していたとか。であれば,関西電力を取材するのではなく,建設会社を取材すべきでは。残念ながら,NHKと朝日新聞しか情報源のない私は,建設会社の受注が増えたという記事は見ても,請負工事費が他に比べて高すぎるという記事を見たことがありません。もちろん,受注が増えただけでは犯罪ではありません。

原発関係の工事に税金が使われいる? いやいや,資金が豊富な電力会社が原発の安全対策を行うのに税金をつかうなんて聞いたことがありません。的外れもいいとこです。

じゃあいったい何が悪いんでしょうか? 金額が桁違いなのがよくない? なるほど,高額金品受領罪,あるいは貧乏人から嫉妬されて当然罪でしょうか(冗談です。こんな罪はありません)。

結局のところ,会社の営業でお得意さんを接待するのに桁外れの付け届けをした,ということで終わりになるの? まさかこれで終わりませんよね。なにしろマスコミは関西電力に対して「庶民の怒り(社会的制裁を下せ)」を代弁していますから。電力料金をちゃんと払っている庶民がいる一方で私腹を肥やしている会社役員がいると。

私は次のように思います。バッシングするよりも,関西電力との契約を打ち切って,他の電力会社と契約すればいい。鹿児島でも九州電力がいやならナンワエナジーと契約できます。関西地方だったらなおさら他にもいっぱい売電会社があるでしょう。バッシングするマスコミも,それにのっている庶民も関西電力との契約を打ち切ればいい。もしそれをしないなら,言ってることとやってることが矛盾しませんか?

精神に批評をもたぬ歌人らをカメレオン派と呼んでやろうか(影山一男)

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