9・11 ワールドトレードセンタービル崩壊の日 根尾くん怒られる
私が加世田に住んでいたときのこと。当時はまだ30歳。結婚して3年目。最初に生まれた子どもがようやく一人で歩けるようになり,妻のお腹の中には2番目の子どもがいました。
朝,子どもを保育園に預け,会社に出勤すると,なんだかざわざわしています。そば耳を立てると,昨夜のニュースステーションで,ニューヨークのワールドトレードセンタービルにジェット旅客機が突入し,ビルが崩壊する様子が生中継されていたとのこと。
職場の人たちは,「現場からの実況中継ではアナウンサーが気づかないまま,2機目のジェット旅客機が突入」と,そのすさまじさを熱病にうなされたように語っていました。尋常ではない風景でした。
会社の食堂の入り口にある掲示板には,そのテロを伝える号外が張り出されていました。今までこんなことはなかったのにどうして? と不思議に思っていました。
もちろん,私も朝のNHKニュースで事件のことは知っていました。妻と大変なことが起きたね,と話したものの,普段どおり朝食をすませ,普段と変わらぬ心持ちで車を運転し,会社まで行きました。だからなおさら,職場の人たちの興奮ぶりが異世界のように感じたものです。
生中継で見ていた人たちはよほど衝撃を受けたのでしょうね。それにくらべて,事件から10時間以上経過してからそのことを知った私は,それだけ報道も(長時間の実況に疲れて)落ち着いていたから,伝え方も興奮が静まっていたのかも知れません。だから私にはその熱狂が伝わらなかったのでしょう。
私にとっては9・11のテロよりも,同時期にアフガニスタンで起きたマスード司令官の暗殺がよほど衝撃的でした。彼はソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗した英雄。ソ連が撤退したあとに内戦状態にあった国内で,一大勢力を維持していました。それが取材と称してテレビ局のリポーターに変装したテロリストによって殺害されたのです。どちらもアルカーイダの犯行でした。
この2つの事件を同時に狙ったことが,映画「ゴッドファーザー」のクライマックスのように,敵対する人物を同時に全員殺害するシーンと重なり,不謹慎ですが,非常に印象に残る出来事となりました。
このブログを書いている最中,娘が「中日の根尾くんが,赤信号で横断歩道を渡ったので,球団から厳重注意されたんだって。これがLINEニュースで2位だよ」と教えてくれました。私にとっては本当にどうでもいい,とてもくだらないニュースです。こんなことに関心をもつ日本人って本当に平和ですね。
暴力のかくうつくしき世に住みてひねもすうたふわが子守うた(齋藤史)
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