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2019年5月21日 (火)

ロングテールが指し示す将来の苦情処理 攻めているよなあ

「ロングテール」(クリス・アンダーソン)の「デル地獄」のエピソードは面白かった。

ノートパソコンを製造しているデルコンピュータは世界的なメーカーです。グーグル・トレンドで「デルはひどい」を検索すると検索回数のピークが3つあることがわかる。そして「デルはひどい」を検索している場所の1位がテキサス州オースティン。ここはデルの本拠地。そう、デル社が最も「デルはひどい」を検索している。

そして同書は指摘します。「これが本来あるべき姿なのだ」

デル社は消費者の声に耳を傾けている証拠。デル製品に問題があるときに、その問題をブログに書いてみる。するとデルの誰かが解決のために1週間以内に接触してくるはず。デルにはブログ圏を見守っていて批判が見つかるとすぐ処理する専門チームがあると。

私も会社勤めをしていて批判や苦情を見聞きするのは日常茶飯事。嫌で嫌でしかたがありませんでした。一度は苦情電話が1時間。私も逆ギレして最後は怒鳴り合いに。相手の捨てゼリフが「このやりとりは録音している。2チャンネルに投稿するからな!」

ネットは相手をやっつける手段として最適なのでしょう。何しろ匿名。そして一方通行なので言いたい放題。10年前のことですが、炎上目的の愉快犯も多かったでしょう。私の会社に苦情電話や批判メールが殺到したときは、妻が心配して私の名前で検索してくれました。「あんたの名前で検索しても脅迫とか嫌がらせなんてなかったよ。よかったね」

それがデルの場合、会社防衛のために批判記事を収集している。そして批判したブログに接触を図り、ブロガーの抱える問題を解決していく。これはできそうでなかなかできない。素晴らしいですね。

私は普段、このブログで朝日新聞などのマスコミを批判していますが、批判先からの接触はまったくありません。少なくとも朝日新聞は、そのような戦略はとっていないようです。一般の声を聞くといいながら聞きっぱなしなんでしょうか。それとも新聞記事でその声を反映していると言いたいのでしょうか。

まさか批判が多すぎて諦めている? ではないですよね。デルのような世界規模の会社ですらできることが、日本という小さい市場でしか存在しない会社にできないはずはない。ですよね。まあ、嫌みはともかく、デル社の試みは私も見習わないと。

「口惜しくないか」などと子を責める妻の鋭(と)き声われにも至る(小高賢)

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