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2019年4月 4日 (木)

「スーパープロレスファン烈伝」が懐かしい。北尾光司の訃報 

私が大学生の時、月刊マガジンを購読していました。当時は「なんと孫六」「鉄拳チンミ」など、暴力というか格闘技というか、血気盛んな男の子を狙った少年誌らしい少年誌でした。「いけない ルナ先生」みたいなお色気マンガもありましたが。

その中でも異色だったのが徳光康二の「スーパープロレスファン烈伝」。前作の「いきなりバックドロップ犬」も奇っ怪なストーリーで相当なエネルギーを放っていましたが、この作品も異常なプロレスファン達が彼らにしか理解できない行動を繰り広げ、プロレス愛に満ちたギャグをこれでもかとたたみかける、まさにエネルギーの塊のようなマンガでした。

当時、みちのくプロレスのレスラー、ザ・グレート・サスケが「プロレスファンの極楽浄土見つけたり」とコメントをつけて、単行本の宣伝をしていました。ただし、このマンガを読んでも普通の人は理解できません。コアでハードでディープなプロレスおたくでないとついていけない。そんな作品です。

その中で、あるプロレスファンが白猫を2本足で立たせようとして「山ちゃん立ってくれ~」と泣きながら叫ぶシーンがありました。これ、何のことかわかります?

当時第2次UWFが分裂し、前田日明のリングス、高田延彦のUWFインター、藤原義明や船木正勝の藤原組(後のパンクラス)という団体が生まれました。このうち、UWFインターに所属していた山崎一夫が北尾光司と対戦。ローキックの嵐を浴びてダウン。そのまま立ち上がることができませんでした。

白猫は山崎のニックネーム(だったと思います)。当時、北尾はプロレスファンから嫌われていてナチュラルヒール、存在自体がヒール(悪役)と呼ばれていました。その北尾に実力者山崎が圧倒的な差で負けたことはプロレスファンには大ショックだったのです。

北尾は優勝経験のない横綱、廃業した横綱、かみさんを蹴った横綱として悪名ばかりですが、全盛期の小錦を鯖折りで破り、このときの膝のけがが小錦の横綱昇進の道を閉ざしたことは事実。スポーツ探検家だったり、美人女医と結婚したり(東スポ発表)、プロレス団体を渡り歩くたびにトラブルを起こしたりと、私の学生時代には欠くことのできないキャラクターでした。

先日、北尾(享年55歳)の訃報に接し、表題のマンガを思い出しました。あの頃は強烈な刺激が満載だったなあと。

恋をした’85年が暮れてゆく部屋には我とデヘンバギアと(俵万智)

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