社会人デビューの日 印象に残るのはなぜか女性ばかり
入院中の私のベッドに、初々(ういうい)しい若い看護師が1人やってきました。検温、血圧測定とのこと。私が「新人さん?」と声をかけると、伏せ目がちに「今日からなんです。動作がたどたどしいからわかりますよね」 私が通うバーのアルバイトが看護学校に3年通うと話していたことを思い出し、そのことを尋ねると「4年です。大学(医学部看護コース)卒業なんです」「すごいじゃない、4年制の看護師なんだ。初めての日は緊張するけど、みんな社会人になって初めての日があったわけだから、あなたも大丈夫だよ」
彼女の初仕事にあたってのやりとりを通して、彼女と顔立ちがよく似た別の女子大生のことを思い出しました。その女子大生と出会ったとのはもう3~4年前のこと。当時は鹿児島大学教育学部に在学中で、私がひいきにしていたワインバーでアルバイトをしていました。
バーで知り合ってからしばらくしてスーパーで買い物をしているときに、彼女の方から話しかけてくるなど、ゆるーい友達関係でした。彼女がアルバイトをやめて数ヶ月後、鹿児島大学の卒業式を報じるテレビニュースで「幼稚園の先生になります。がんばります!」と、はちきれそうな明るい笑顔で答えていたのが印象的でした。
数ヶ月後、県庁のエレベーターでばったり再会。懐かしさに声をかけると困ったような顔。おそらく、彼女の職場の同僚が周囲にいたので、私との関係を知られたくなかったのかも。彼女と会ったのはそれが最後。ゆるーい関係だから、それぐらいがちょうどいいのかもしれません。
その後の彼女を知りませんが、今日社会人デビューした看護師を含め、若い女性たちが前向きに仕事をしている姿を見ると応援したくなります。成長した彼女たちのことを考えると未来は明るくなりますね。
春一番の思いよ届け青空はあなたに続く色の階段(俵万智)
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