« 社会人デビューの日 印象に残るのはなぜか女性ばかり | メイン | 尾木ママへの反論 朝日新聞耕論「作品に罪はない?」のピエール瀧問題 »

2019年4月13日 (土)

日本古来の色を集めた「日本の色図鑑」で知った「ベンタブラック」

「日本の色図鑑」(monobook)を読みました。

日本古来の色を紹介している素晴らしい図鑑です。今までも小説を読んだりしたときに、知らない名前の色が出てくると考えたり、想像したり。が、結局は読み飛ばしている、そんな色を「いろいろ」知ることができました。

たいていは言葉(文字)を見ると、色が浮かびます。例えば、黄土色(おうどいろ)、肌色(はだいろ)、ねずみ色などは私が子供の時はクレヨンに標準装備されている色でした。しかし現在のクレヨンにはない種類もあるとか。肌色というのは確かにデリケートな問題が含まれているんでしょうけど、こんなところにも影響があるとはねえ。

この図鑑を読んで色のイメージが浮かばなかった種類は次のとおり。たくさんありますがすべて紹介します。味わいがありますよ。

木賊色(とくさいろ):蚊取り線香の色。檜皮色(ひわだいろ):赤みの強い茶褐色。葡萄色(えびいろ!):ワインレッドのような赤紫。浅葱色(あさぎいろ):新撰組の羽織の色、日本のエメラルドグリーン。夏虫色(なつむしいろ):羽化したばかりのセミの羽の色。濡羽色(ぬればいろ):カラスの羽のように艶やかで緑や紫を含んだ黒。猩々緋(しょうじょうひ):サルに似た伝説の生き物(猩々)の血の色、薩摩切子の赤の色。瓶覗(かめのぞき):薄い水色、氷色(こおりいろ):薄い水色が入った白。虹色(にじいろ):少し黄味を帯びた薄い紅色、雨上がりに輝く淡く美しい桃色、なんと単色!!。東雲色(しののめいろ):東の雲に映った朝焼けの空の色。丹色(にいろ):稲荷神社の鳥居に見られる黄味がかった赤色。褐色(かちいろ):暗い紫みの紺色、剣道の武具の色。納戸色(なんどいろ):鈍い緑かかった濃い藍色。秘色(ひそく!):青磁のような淡い緑がかった水色。胡粉色(ごふんいろ):芸者の厚い白化粧の色。

でも、この図鑑を読んで一番驚いたのは数年前にベンチャー企業が開発した黒色、「ベンタブラック」。黒と認識できる可視光吸収率は通常は95~98%。ところがこのベンタブラックは可視光吸収率が99.965%。結果、それを眺めても素材感はもちろん、どんな形をしているのかまったくわからない。図鑑には製品名や写真がないのでネットで検索して映像を見てみました。おそろしいぐらい二次元にしか見えません。

先日、ブラックホールの写真撮影に世界で初めて成功したとの報道がありました。完全な黒はすべての光を吸収してしまうため目視できないとか。それを撮影するってすごい。でも、暗黒には底知れない恐怖を感じてしまいます。

さきみちてさくらあをざめゐたるかな(野澤節子)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34175864

日本古来の色を集めた「日本の色図鑑」で知った「ベンタブラック」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿