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2019年2月20日 (水)

京都大学総長のオリジナル? 類人猿健康法 

小論「食の進化と共生」(山極壽一)を読みました。同氏はアフリカで長くゴリラの研究をしていたことで有名です。京都大学には伝統のある霊長類研究所がありますからね。

小論の最後に「現代の危機を乗り越えるために」と様々な提言をしています。これが非常に興味深い。簡単にいうと人間は環境に適応して進化してきたが、現代の環境の変化は急激すぎて人間の体はついていけない。だからそのひずみがあちこちに出ているというもの。現代の人工的環境は快適なようですが、体が環境の変化についていけない結果、内臓脂肪が増加し、睡眠不足になり、ストレスが増加し、運動不足になり、視力が低下しているのは間違いありません。

ではそれを解決するにはどうするのか。氏は、大昔(数万年前)の人間の生活スタイルに戻ることを提言しています。

まず1番目は「人とつながり」です。無条件で信頼できる人の数は150が限度だと言い切ります。現代人の脳容量1500ccに匹敵する集団規模は150人。150人が顔と名前が一致する、すなわち信頼できる仲間の最大値だと考えています。現代社会はそれをオーバーしていると。だから減らせとまでは言っていませんが。

そして人のつながり方にも提言があります。効率を重視してルールだけに従う社会になれば、相手の事情を考慮しないため、共感能力が減退し、ひいてはそれを元にした信頼関係も消失すると。この危機を乗り切るためには、身体や五感を使い、集団規模に適した交流を深めることが大事だと。

2番目として、人工的環境から離れ、自然と付き合う時間を増やすことが大事だといいます。

そして3番目は歩くこと。狩猟採集社会の人間は、女性は一日平均9キロ、男性は15キロ歩いていたと推定されています。長距離歩行を心がけたいですね。

4番目は腸内細菌。太古から人間がしてきたように繊維の多い食物をとることです。

人間の進歩によって感染症の脅威は激減し、平均寿命は飛躍的に伸びているので、必ずしも大昔がよかったとは言い切れないでしょうが、人間の体が人間が作り出す環境の変化についていけないという分析はうなづくところがあります。

私の場合、普段話をする相手は家族を含め30人以下。基準内ですね。自然との付き合いは、1日1万歩弱歩くのでそのとき雨風を感じるぐらい。腸内細菌はよくわかりませんが、毎日ヨーグルトを食べ、肉より野菜を好み、体も痩せている方なのでOKとしましょう。あとはライフスタイルをもうちょっとワイルドにしてみようかな。

猿山のサル見ておればかっこよき君のセリフを忘れてしまう(俵万智)

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