ブサイク顔の娘とアホ面の私 過ぎゆく時間を感じる
私の高校生の娘は外出するとなると髪の毛を整えたり、ドレスアップをしたりで30分以上鏡の前に居座ります。この間の週末もそんな感じでなかなか場所を空けてもらえません。
それでちょっと聞いてみました「あんた自分の顔どう思ってる?」 娘はちょっと顔をしかめて「いつもブサイクだなって思う」「だよね。お父さんもブサイクだと思うよ」「それ、何の嫌がらせ!」 近くにいた私の妻が「あなたは自分の娘をなんだと思ってるの」と怒鳴り散らかし始めたので、早々に退散しました。
その日の夜、家族で団らんしているときに、周辺に不審者が現れるという話になりました。娘が「お父さん、職務質問される前提条件ってなんだか知ってる?」「さあ、帽子にマスクにサングラスかな。お父さんみたいだな」「お父さんは当てはまりすぎ。前提条件だからもうちょっと緩いんだよ。正解は男の一人歩き。男って言うだけで警察官に呼び止められるんだよ」「それは怖いな」「でしょ。でもお父さんは大丈夫だよ。いつもアホづらだから。ゆるゆるって感じ」
私が職務質問を受けたのは学生時代。そのときは夜、一人で歩いていました。それから20年以上そういう経験はないわけですからアホづらもいいかも。
「でもね、お父さんの顔が険(けわ)しくなるときがあるんだ」「へえ、それっていつ?」「お風呂に入っているときと本を読んでいるとき。いつも怖い顔しているよ」
確かに考え事をしているときは怖い顔をしていると私の母から言われてました。このときは「殺人犯みたいだよ」と注意されたものです。ちょうど学生の頃。ってどんな顔してたんだ! 彼女ができないのも当然ですね。
ところで娘のファッション誌の熟読や、お化粧好きは度を増す一方。先日のいとこの結婚式では思いっきりおしゃれをしたこともあり、周囲のおじさん達からは大人として扱われていました。いつまでも子供と思っていたのに、知らない間に成長してるんですね。
私も昔は精悍な顔をしていたのに、この20年でほんわかしてきたらしいです。いつまでも若いと思っていたのに、知らない間に老けてるんですね。
青春のすぎにしこころ苺喰う(水原秋桜子)