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2019年1月22日 (火)

ポーランド人、ユダヤ人、韓国人を考える

「ポーランド文学の魅力?」(関口時正)という小論を読みました。

高校時代に日本史を選択していた私は、ポーランドの歴史はほとんど知りません。私の知識は第2次世界大戦のことばかり。ドイツとソ連の挟み撃ちに遭って占領・分割されたことと、ソ連軍の反攻のときにワルシャワ蜂起によって占領するドイツ軍に抵抗したものの、付近のソ連軍に見殺しにされたことなどぐらい。

小論には、ポーランド文学の父と呼ばれるミコワイ・レイ(1505~1569)の政治に関連した詩が紹介されていました。その解説に「ポーランドは国王がいながら、<共和国>と称し、ある時期以降は議員が国王を占拠するにいたる、不思議な政治体制の国だった」とのこと。

そして皮肉なことに、自らの王に絶対君主を認めなかったポーランド王国=共和国は、啓蒙専制君主が統治する三国によって分割され滅亡します。

そういう不幸な歴史があるために、ポーランド人はなぜ国家が滅びたのか、なぜ他の民族に隷属しなければならないのか、それをどう合理的に説明し、自他を納得させるのかという問題に悩むことになります。そこで生み出された思想が「ポーランド民族は他の民族の罪を贖(あがな)い、救済するために受難を経験しているが、やがて復活する」というポーランド民族メシアニズムでした。

キリスト教らしい思想ですね。少なくとも自分自身を見つめた内省的な思想です。これに比べれば、およそ30年間日本に併合された朝鮮人は「ウリナラマンセイ(我が国万歳)」と「日本を貶めることなら何でも一生懸命」によってアイデンティティーを保とうという思想(?)。アホらしい。

日本の平和主義者もポーランドの歴史や、韓国人の屈折した精神構造から、真剣に平和について考えて欲しいですね。

最後にユダヤ人問題を。映画「戦場のピアニスト」では多くのポーランド人が収容所に送られる様子が描かれ、印象的でした。小論によると、19世紀、ポーランド語が支配者の言語だった地域には世界のユダヤ人の8割がいた、そして第二次世界大戦前夜、ワルシャワの人口の3割はユダヤ系住民だったという事実。なんだかユダヤとポーランドって似てますね。そう思うとポーランド民族メシアニズムも納得します。

マッチ擦るつかのま海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)

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