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2018年12月25日 (火)

堕落の道は親が導く

仕事帰り、もう20年以上通っている小料理屋に寄りました。年末に行くと約束しながらなかなか行けなかったので、このクリスマスの夜に行ってみました。

いつものように今夜も客は私一人。小料理屋のおばちゃんと1時間ほどおしゃべりをしながら焼酎をいただきました。肴は生姜の佃煮、黒豆の煮付け、さつま揚げ、手羽元と大豆の煮付け、タケノコの土佐煮、栗の渋皮煮、ぶりの塩茹で、数の子のマヨネーズ和えなどなど。量はほんのひとつまみ程度なのですが、いろいろ楽しめて全部で2000円ですから安いものです。

飲んでいるときに、昔、おばちゃんが教えてくれた哀れな男性のことを思い出しました。この店の常連客で金遣いの荒い男性のことです。親から相続した不動産の収入だけで暮らしていて、よくこの店にクラブのママ(年増のブスばかり)を10人程度引き連れて飲み食いし、タクシーを店の前に待たせてはしご酒。なんとタクシー代の支払いだけで毎月30万円。どう考えてもまともとは思えません。おばちゃんに言わせれば招かれざる客だったとのこと。

彼の家族は娘一人。その娘は東京でやくざと付き合い覚醒剤中毒。本人もその後はアルコール中毒に。数年前、彼が店にきたときには飲みではなく、金の無心が目的だったとのこと。どうやらこの頃は生活保護を受けていたようです。(おばちゃんは一円も金を渡さなかったそうです)

一流の私大を卒業したものの親の残した財産に依存して遊び呆けた結果、本人はもちろん家族までワルから金を巻き上げられ、奈落の底に落ちていく様は本当に恐ろしい。

金は稼ぐよりも使う方が難しいというのが私の親の口癖です。私も飲みにお金を使いますが、せいぜいお小遣い3万円の範囲。金を稼ぐ苦労を知らないまま、私からすれば楽しいとは思えないような、本当につまらないことに金を使う毎日なんて彼が哀れです。

彼が今生きているのか誰も知らないそうですが、生きていたとしてもそれはゾンビの暮らしみたいなもんでしょうね。他の誰かに尽くす、役立つからこそ生きがいがある。でも、そんなことを言っても彼にとっては無駄でしょうね。

彼の親は罪なことをしましたね。たとえそれが精一杯の善意だったとしても。彼を地獄に追いやったのは彼の親ですよ。間違いなく。

ついてってやれるのはその入り口まであとは一人でおやすみ坊や(俵万智)

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