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2018年11月16日 (金)

眠れない夜 長い夜 興奮する夜 騙す夜

奄美から帰ってきた昨夜はほとんど寝付けませんでした。奄美出張のときに宿泊したホテルは静かで空調もよく効いていて快適だったのですが、そこでもなぜか寝付けませんでした。

私は子供の頃から寝付きが悪く、大人からは「いろいろと考え事、空想や妄想をしているからだ」とよく言われました。確かに空想癖はあったなあ。中学生のときは夜は12時ぐらいまでラジオを聞きながら起きていて、日曜日の午前中は寝るのが習慣に。

高校は寮生活。1年生の時は先輩への挨拶を欠いたら怒られるし、掃除や食事の準備などもしなければならず、精神的にも肉体的にもくたくた。布団に入ると1分以内に眠りについていました。空想・妄想をもつ気力すら失われていたのかも。たぶん、ぐっすり眠れたと実感したはこの時期ぐらい。

今から7~8年前、私の担当する業務に対して周囲からのバッシングが強烈で、職場では苦情の電話がひっきりなしにかかってくる時期がありました。このとき私は気が滅入るどころかアドレナリンが大放出。苦情の相手を折伏(しゃくふく)してやろうという気持ちで臨んでいました。我ながら恐ろしいですね。いわゆる逆ギレです。

この時期、私は一睡もできませんでした。おそらく、職場での興奮が夜になっても収まらなかったからでは。こんな夜が3ヶ月続きました。普通、こうなると不眠症に悩む人がいるそうですが、私はそうはなりませんでした。何かの本を読んだ「不眠症を気に病んで自殺する人はいる。しかし、不眠症で死ぬ人はいない」という一節が私の頭にずっと残っていたから。この一節にずいぶん勇気づけられました。

柴田政彦の小論「痛みの科学」を読みました。体に痛みがあると人はできるだけ動かさないようにします。それに関連して、単なるぎっくり腰は痛みが退くまで待つよりも動いた方が早く治る、虐待を受けた子供は患部を動かさないようにして痛がるそぶりを全く見せない習慣がついている、などの興味深い事例が紹介されていました。なかでも面白かったのが「プラセボの鎮痛作用」。新薬の開発のときに対照実験として使用される「にせ薬」のことです。鎮痛薬ではプラセボ効果が生じない方が珍しいとか。

さきほどの不眠症に関する一節について。この出典本はいくら頭をひねっても思い出せません。ひょっとしたらプラセボみたいな思い込み(精神安定剤)だったのかも。今振りかえってみれば、当時の私は幸運でした。

おしぼりで顔を拭くとき「ああ」という顔見ておれば一人の男(俵万智)

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