上野のイラン人、農場のベトナム人
私が学生だった頃、テレビではよく東京上野公園にたむろするイラン人が話題に取り上げられていました。当時はテレカ(今や死語ですね)偽造などの犯罪が彼らの仕業のごとく扱われていたように記憶しています。もちろんみんながみんなそんなことをするはずはありません。一種の印象操作みたいなものです。マスコミにその意図があったかは問題ではありません。
外国人労働者の受け入れを拡大するための法案が朝日新聞で大きく取り上げられていました。これまでは専門家、技術者に限定していた外国人労働者の受入分野について、単純労働にまで広げようとするもの。「安部ちゃんのやることなんでも反対」の朝日新聞が珍しく、この法案に客観的(好意的)な記事。野党が反対しているにもかかわらず、です。「フォーサイト」の記事などを読んだうえでの私の整理では
自民党=支持者(中小企業経営者、農家)=人手不足で外国人労働者が必要=法案提出
野党=支持者(労働者)=外国人労働者がくると仕事が奪われる=法案反対
朝日新聞=ASAの人手不足=外国人労働者がいないと新聞配達ができない=販売部数が激減する=法案に期待
日頃農家と付き合いのある妻の話によると「規模の大きな農家になると労働力の確保が課題。でも外国人労働者を受け入れるとなると、Wi-Fiの設置や一人あたり4万円を管理団体に毎月支払うなどが国の決まりになっていて、これが大きな負担になっている」とのこと。この制度は外国人労働者の人権を守るより、不法滞在しないか見張るコストかよ。
それこそ私の学生時代、東京の居酒屋は外国人従業員が多く、こんな制度を守っていたとは到底思えません。あれから20年、田舎の農家(正直者)がバカをみるような気がします。法案審議では外国人の不法滞在・移民にならない仕組みが議論されるのでしょうが、そのコストを負担するのは人手不足に悩む農家や中小企業の経営者。また、田舎では外国人差別(忌避意識)が強く、就業場所の周囲の住民から苦情がきたり、地域交流を企画しても住民から拒絶されるといった悩みを、私自身経営者の方々からしばしば聞きます。国際化・国際交流なんて絵空事もいいとこです。
今やここ鹿児島市でも、中国人観光客の群れ群れを毎日見かけ、日本人が働こうとしない農業や食品製造業の現場ではベトナム人が働いています。野党がやっていることは一種の印象操作。その意図があるかは問題ではありません。絵空事を言わずに朝日新聞のように現実に即して発言してもらいたいものです。
秋の夜の憤(いきどお)ろしき何々ぞ (石田波郷)
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