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2018年10月26日 (金)

遠山菜織の家の内側から考える

先日、遠山菜織(とおやまさおり)さんの講演を聴く機会がありました。

彼女は収納アドバイザー。建築の仕事をしていたときに、設計・完成した家が1年後には収納スペースが足りなくなっている事実にショックを受け、以来、家族の利用形態・収納から見た間取り・プランニングのアドバイスしています。

よくある失敗は家事をする奥さんの意見を聞かず、ご主人や建設会社の提案を無批判に受け入れてしまい、実態に合わない間取りになること。例えば奥さんには高すぎるシンク台(料理をしない夫の体に合わせた設計)、全く利用しない床の間・畳部屋、家事動線から遠く離れた収納場所など。

我が家は3階建て。1階はトイレ、洗面所、風呂、クローゼット、夫婦の寝室。2階はダイニングキッチン、3階は子供部屋(いわゆる屋根裏部屋)。2,3階は仕切り壁や戸がないワンフロアワンルームです。

娘は制服をいつも2階のダイニングに脱ぎっぱなし。制服は3階の子供部屋にあるハンガーラックにかけるように口酸っぱく注意しても馬耳東風。そこで遠山さんのアドバイスからヒントを得て、利用者(娘)目線を意識しました。

3階にあったハンガーラックを1階の階段前に移動。それだけです。家族共用の洋服ダンスは1階にあり、娘のハンガーラックだけが3階に。単に子供の服だからという理由で。動線を考えていなかったんですね。

ハンガーラックの場所を変えただけで娘の脱ぎ捨て癖はなくなりました。我ながらすごい!

今のご時世、人から得た知識をそのまま人にアドバイスをする一方で、自らはその知識を実行しない人が大勢います。私の父が典型で、ヘビースモーカーながら他人に禁煙を勧め、体にいい食材やサプリメントを熱心に紹介しながら偏食です。

トライ・アンド・エラー、そしてまたトライ。まず自分でやってみる。うまくいけばそれは頭で得た知識ではなく、体験で得た知恵となって身につく。そうじゃないのかな。

 一生(ひとよ)かけて愛してみたき人といて虚実皮膜の論を寂(さび)しむ (俵万智)

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