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2018年10月

2018年10月30日 (火)

働き方改革、実現するために誰がやる?

私は現在、労務管理の仕事をしています。

我が社の業務量は相当多く、従業員の残業も相当のもの。私自身が手本となるようにと、いわゆる付き合い残業だけはしないようにしています。しかし、自分自身のことはそれでもいいのですが、従業員に「早く帰れよ」と声をかけるのは勇気がいりますね。

彼らが忙しいのは十分承知しているので無理に帰れとは言えない。だからといって見過ごすわけにもいかない。こういうのってジレンマというか、ストレスというか。

かつて私が下っ端の頃、職場の残業は相当なものでした。当時の上司(労務管理者)は、少なくとも私の目から見ると何もせず、何も言わずで、「この人って一体何やってんだよ。これで給料もらう気か」と常々思っていたものです。

その労務管理者から何度か話を聞きましたが、「(さらにその上の)上司から何度も残業を減らすように言われて大変だった」「残業が図抜けて多い部下がいたが頑丈だったので(上司から)何も言われなかった」「残業の多さを外部から指摘され、その言い訳を考えるのが仕事だった」など自分の苦労話ばかり。残業を減らすための取り組みや、遅くまで職場に残る従業員に対するねぎらいの気持ちを一度も聞いたことがありません。

日本人は「現場主義」とよくいいます。悪く言えば「現場任せ」。結局、この人は問題解決を先送りにし続けただけの、「事なかれ主義」者だったと思います。

私は「こんな人にだけはなりたくない」と心に誓い、それから長い年月が経ってこの役職に。残業を減らすには業務の効率化(労働生産性の向上)が大事と言いますが、私は肥大化した我が社の業務見直し(創造価値の低い業務からの撤退)が大事だと考えています。長年のしがらみでそれができないのよくわかります。それでも上司に必要なことは優先順位の明確化、仕事の段取り、即断即決。そして、時間内に終わらない業務の切り捨て。これこそが残業削減のポイントなのでは(異論があるのは認めます)。

一度しかない人生、人にどう思われようと自分がやりたいようにやってみたいです。

 資本主義のとある街角必要に応じて受けとるティッシュペーパー(俵万智)