« 論語とプーチン・ロシア大統領の動員令 | メイン | 「あのときに勉強してれば」の嘘 »

2022年10月 3日 (月)

貧乏人は正直で誠実、金持ちは強欲で嘘つきというステレオタイプ

先日、とある飲み会に参加したときのことです。私と年齢がほとんど同じ男性が身の上話をはじめました。

その男性は母子家庭で育ち、兄との2人兄弟だったそうです。まだ小学校に入る前には母親が涙を流しながら山に子どもを連れていき、心中を図ったことがあるほど貧乏だったということでした。その男性が小学生の時は、貧乏を理由に相当いじめられたそうです。しかし、母親は貧乏ながらも二人の息子を育て上げ、しっかりとしつけた結果、兄弟は社会にでてから成功を収めました。現在、その男性は複数の会社を経営しています。

話を聞いて大変立派な人だな、と感心しました。そして、貧乏であっても道を踏み外さずに二人の息子を育てた母親はたいへん立派な人だったんだと想像します。

漫画やドラマでは、主人公が貧乏でも心は清く、ライバルは金持ちで傲慢、というのがよくある設定ですね。こういう設定は読者や視聴者が感情移入しやすいのでしょう。

しかし、私が少年時代に過ごした街では、決してそういうことはありませんでした。同級生でも貧乏な人はいましたが、たいていは性格が悪かった。私と話をしない人が数人いましたが、そういう人たちは私の父が経営する店の商品を万引きしていたようです。卒業後に別の同級生が教えてくれました。

当時、私は彼らに嫌われているのか、なにか私に落ち度があったのだろうか、と思っていましたが、実際はそうではなく、彼らの心のやましさがそうさせていたのだと大人になってから気づきました。

世間に強欲な金持ちがいるのは否定しませんが、生活水準がある程度安定している家庭は、子どもの育ちがよく、性格も素直です。親が勤勉で人を信用しているからこそ、収入も安定し、子どもも立派に育つのでしょう。逆に怠けて仕事をせず、人を騙そうと考えてばかりいる親は、収入は不安定でも、子育てもいい加減です。

つまり、「金持ち→子どもの性格がいい」ではなく「親が勤勉、誠実→金持ち、子どもの性格がいい」であり、「貧乏→子どもの性格が悪い」ではなく「親が怠け、背徳→貧乏、子どもの性格が悪い」なのです。

不運にも仕事に失敗して貧乏になることもあるでしょう。しかし、仕事をしっかりして人に対して誠実であれば、いずれは報われるのです。この男性の話をききながら、そんなことを思いました。

楼(ろ)の上もはにふの小屋も住む人の心にこそはたかきいやしき(日新公いろは歌)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34253527

貧乏人は正直で誠実、金持ちは強欲で嘘つきというステレオタイプを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿