結婚っていいもなんだけどなあ つりあう独身男性はどこにいる?
私がまだ20代のとき、本屋で働いていたときがありました。
たまたまレジにいるとお年寄りの男性が料理の本を買いに来ました。こちらから尋ねたわけでもないのに「妻が先日亡くなって、これから料理をしないといけないから」といいわけ(?)めいたことを言っていました。30年前は男性が料理をするってまだ珍しかったのかもしれません。
「男やもめに蛆(うじ)がわき女やもめに花が咲く」と言います。独身男性は家事がおろそかで不潔になりますが、ひとり暮らしの女性は小綺麗で男性にちやほやされることをうまく表現しています。妻に家事をまかせっきりだった男性の多くは、家事に手を焼くことになるのでしょう。
たしかに私が子どもの頃は、妻が亡くなってから男性ひとり暮らしというのは非常に珍しく、男性は高齢でも再婚するケースがしばしばありました。もちろん、一般に女性の方が長生きするということもありますけど。
女性の再婚は珍しいですが、男性の再婚はよくあります。この結果、50歳までに一度も結婚しない「生涯未婚率」は男性が20パーセントなのに、女性は10パーセント。つまり、もてる男性は複数回結婚するけど、女性は結婚回数が少ない。
私の祖母は、私が3歳の頃に亡くなりました。それから数年後に祖父は結婚しました。私の叔父も早くに離婚しましたが、晩年に再婚。どちらもなくなるときは後妻に看取られました。それに比べると女性で2回結婚した人となると身近には見当たりません。たまたまかもしれませんが。
残念なことに、今、私が勤めている会社でも独身は女性ばかり。独身男性もいますがごく少数です。独身男性は「とぼれん」ところがあって「まあ、しょうがないかなあ」と同情しますが、独身女性たちは魅力がそれぞれあって、どちらかというと拘束されない独身生活を謳歌(おうか)している感があります。
私は、女性は一番キレイなときに結婚することが幸せなこと、という考えをもっています(いまどきのフェミニストからは絶好の攻撃の的ですね)。独身の女性が結婚できるよう、いろいろと世話をやくこともあるのですが、彼女たちと釣り合いがとれる「いい男」がなかな見つからないというのが正直なところ。
働いている女性は男性に依存していない、自立した女性。だから魅力的なのでしょう。
箸立てにまだ立ててある妻の箸かたりと動く箸取るたびに(岩間啓二)
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