都合のいい正義の仮面を被ったブタ
昨年のクリスマス。なじみの小料理屋に寄りました。いつものようにカウンターに一人座ると、しばらくしてから60代のカップルが隣の席に座りました。
彼女が彼に「LCCに乗るときは普通出発30分前に手続きしないといけないでしょ。でもこの間は過ぎていたのに手続きしてくれたのよ」と嬉しそうに語りかけました。すると彼は「ルールを破ったことはなんで自慢げにいうわけ?」と声を荒らげ、彼女の話を遮りました。
その後もこの店の80代の女将(おかみ)や彼女が話を切り出すと、すぐに社会正義の発言を繰り返して発言を真っ向から否定しまくります。お店の雰囲気はすっかりしらけていました。
私はずっと黙っていましたが、彼の方から話しかけてきたので適当に話に付き合いました。話の途中、好みの女性を問われたので「私は若い女性がいいですね」と答えると、「なぜそうなるんだ」と怒り出し、「私はダイバーシティーの研修を受けてきたんだ。そういうことでいいのか、気が合うことが大事だろう」と横文字で意識の高さをちらつかせ、女性に対する考え方を一方的に決めつけてきました。
私は反感をぐっと抑え、「若いだけで魅力的。それが理由です」と端的に答えてから、さっと店から出ていきました。
昨日、この小料理屋の女将に会いました。「このあいだはごめんねえ、嫌な人だったでしょう。私もあの人は嫌いなの」とまくし立てるように話し出しました。
「あの日の後、彼が一人でお店に来たの。そしてさあ、『この家に泊まらせろ』って言ってくるのよ。やんわり断ると『ママは長く男をやってないだろう。おれがあそこをなめてやるよ」ってシモネタを続けるのよ。私はこういうのが一番イヤなのよ」
うへっ、きしょくわるっ!! 80代の女性(20歳も年上の女性)に対して卑猥なことを面と向かっていうなんてどういう野郎だ!?
この男性はダイバーシティは学んでも、その中身は理解する気はなかったのでしょう。正義の仮面を被ったブタですね。口では正義を叫び、自らは人を虐げたり不快な思いをさせる。そしてそのことを本人は自覚してない。こういう手合が増えたように思えます。言葉はワイドショーの受け売り、ワイドショーを毎日見たら人間性がどんどん損なわれるのに自覚しない。行動がワイドショー的になっている人間が増えている。そういうことが示された典型的な例ですね。
ワイドショー真面目に意味のない議論繰り返しつつ夕方になる 匤成深夜(おみなりしんや)
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