鹿児島県内のストリートピアノ演奏旅行(肥薩線)
「戦場のメリークリスマス」を演奏できるようになった私は、県内のあちこちのストリートピアノでこの曲を演奏するための小旅行を繰り返しています。
肥薩線では大隅横川駅、栗野駅、吉松駅にストリートピアノが設置されていることを知り、肥薩線に乗ってすべてのピアノを弾こうと思い立ちました。
まず大隅横川駅。こちらは県内最古の木造駅として文化財としても指定されています。大東亜戦争のときのアメリカ軍による機銃掃射の跡がホームの柱に残っていて往時を偲ばせています。
横川の集落の中にこの小さな駅はあります。この日は隼人行の普通電車を待つ高齢の女性が5,6人、構内外のベンチに腰掛け、井戸端会議を開いていました。改札口のすぐ近くに黒光りしたアップライトを見つけました。しかしピアノの上には「コロナ感染防止のため演奏はご遠慮ください」の注意書きが載っていました。ここは無人駅なのでピアノの管理はこの注意書きを書いた観光協会がやっているようです。残念。
次に栗野駅。こちらは待合室の中にありました。大隅横川駅と同じく黒光りのアップライトピアノ。こちらも観光協会が管理しており、駅構内の観光案内所の女性に断わってからピアノを演奏しました。クーラーのない待合室。お客はまったくいません。しかも周囲からは人の声も車の音も聞こえない静けさ。いざ演奏を始めるとピアノの音響がすさまじく、駅どころか1キロ四方までピアノの音が広がるように感じました。
しかし、少々ミスをして、何度も弾き直すカッコ悪さ。「ああ、周りに人がいなくてよかった」と思って振り返ると女子高校生が真後ろのベンチに腰掛けていたのでびっくり。ピアノの音が大きすぎてかわいいお客さんの来場にまったく気づきませんでした。「ああ、ノーミスで演奏できたら、この娘が喜んでくれただろうに」と悔しがっても後の祭り。残念。
最後に吉松駅へ。こちらも待合室の中にありました。ペイントされたアップライトピアノ。こちらは駅員がいることもあってクーラーが効いています。しかし「コロナ感染対策のためしばらくの間、演奏はご遠慮ください」の注意書きがここにも。残念。
でも、コロナがピアノから感染するって本当? 消毒するとピアノの鍵盤が傷むとも書いてありましたが、なんだかしっくりきませんでした。
それにしても肥薩線は連続する3つの駅にピアノがおいてあるなんて素晴らしいですね。ネットで調べると吉都線(吉松駅から都城駅まで)の途中にある京町温泉駅にもストリートピアノがあるとか。次は吉都線に乗って、宮崎県でのストリートピアノ演奏に挑戦です。そして弾くことができなかった2つの駅もコロナ騒ぎ後に再チャレンジといきましょう。
人佇(た)てばそこが正面大夏野(倉田紘文)
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