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2021年7月14日 (水)

なぜ高校首席卒業者は億万長者になれないのか?

今、「残酷すぎる成功法則」(エリック・バーカー)を読んでいます。社会学者や心理学者などの論文を重ねて、理論的に人生の成功の秘密に迫る良書です。

ですが何しろ分厚い。文庫本なのですが、この本の厚さは500円硬貨の直径よりと同じぐらい。そういうわけで読み解くのも時間がかかるし、要約なんてとんでもないのレベル。そこで細かく切り分けて、興味深い箇所を取り上げてみます。まずは「なぜ高校首席卒業者は億万長者になれないのか?」です。

カレン・アーノルドの調査によると、イリノイ州の首席卒業者81人のうち、95%が大学へ進学。そして40%が弁護士、医師、エンジニアなど社会的評価の高い専門職に就き、多くの人は恵まれた暮らしをしていたそうです。

しかし、世界中の人々に感銘を与えるような人はゼロ。その理由を2つあげて分析しています。

1 学校は言われたことをきちんとする能力を評価する。学校の成績は自己規律、まじめさ、従順さを示しているだけで、意外なことに学力と知的能力の相関関係は必ずしも高くない。

2 学校はすべての科目でいい点を取るゼネラリストを評価する。学生の情熱や専門的知識はあまり評価しないが、これは実社会とは逆になっている。

カレン・アーノルドはさらに、純粋に学ぶことが好きな学生は学校で苦労するという事実を発見しています。皮肉ですね。

学校は明確なルールがありますが、人生はそうではありません。だから定められた道筋がない社会に出ると学校の優等生たちは勢いを失ってしまうのです。ルールに従う生き方は「天才」と「おちこぼれ」という両極端を排除する場所なのです。

京都大学教養部、心理学の木下先生が京都大学のことをこんなふうに分析していました。「京都大学はルールがない。だからアホとカシコの分布図をつくると山がない平坦な分布になる。ところが東京大学はルールが厳しい。だから真ん中(平均)に山ができて、アホとカシコが少なくなる。これが東大と京大の違いや」

もう30年も昔のことですが、木下先生の御高説(?)はアメリカの社会学者が実証してくれていたようです。

私の高校時代は中途半端な真面目さでした。学校の授業はきちんと受けて宿題もしましたが、独学で「倫理政経」をセンター試験用に勉強。自分なりの勉強法を編み出し(?)、この点については誰にも譲りませんでした。

私の高校首席は一浪して東大に合格。しかし、親の経営する会社が倒産して中退したと聞きました。その後の行方は高校の同窓会ではまったく話題になりません。完全に忘れられています。

ちなみに私の娘たちはトップクラスでしたが、首席卒業ではありませんでした。私は学校の成績よりも充実した人生を過ごすことがずっと大事だと思っています。学校の成績なんて人生の一場面に過ぎないのですから。社会に出たら無限の可能性が広がっているのです。10代で人生が決まるわけないでしょ!

「研修中」だったあなたが「店員」になって真剣な眼差しがいい(萩原慎一郎)

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