« 夏休みの宿題 漢字の書き取り、自由研究なんてくそくらえ  | メイン | エヴァンゲリオン展 VISUAL WORKS に行ってみました »

2021年7月31日 (土)

指宿枕崎線の旅 ストリートピアノはどこにある?

青春18きっぷを購入し、指宿枕崎線を利用してみました。鹿児島中央駅から枕崎駅までの35駅(!)を片道約3時間(!)という小旅行です。

今回の少旅行の目的はストリートピアノです。ネットで「ストリートピアノ設置場所情報専門サイト だれでもピアノ」に調べつき、南薩方面では指宿市の足湯温泉前と、枕崎市のお魚センターの2箇所がピックアップされていました。この2箇所で演奏することが本日のミッションです。

最初に到着したのは指宿駅。駅前の足湯温泉のところをぐるりとひとまわりしましたが、ピアノらしきものは見当たりません。観光客らしき30代の女性2人が足湯を楽しんでいるだけで周囲に人はなし。指宿駅に戻り、観光協会の窓口にピアノの場所を教えてもらうことにしました。

「駅前にストリートピアノがあると聞いたんですが、どこにあるんでしょうか?」「ピアノは昨年に閉まっていて弾けないんですよ。駅前にアーケードがあります。すぐのところに指宿情報プラザという建物の中にあるんですけど、そこにありますね」

案内されたアーケードに行ってみました。「中央名店街」という錆びついた看板が寂(さび)れた商店街の象徴として私を出迎えてくれました。アーケードの支柱は緑色のペンキが塗られていますが、あちこち剥(は)げて、茶色の下塗りが見えています。アーケード沿いを歩くと店のほとんどは不動産会社の案内先がはられていて、営業しているのは飲食店が数店だけ。およそ100メートルのアーケード街は瀕死寸前の状態でした。

ピアノはウインドウ越しに確認できましたが、施錠されていて建物の中に入ることはできません。「あわれだなあ」と兼好法師のような気持ちになってきます。

1時間後、指宿駅から枕崎駅に向かいました。枕崎駅からお魚センターまでは歩いて20分程度かかるということ。しかも真夏の太陽が照りつけて気温も35度。枕崎駅から歩いて1分のところにある観光協会で電動自転車を借りることにしました。2時間500円。便利ですね。

お魚センターに到着し、1階の小売店を見て回りましたがここでもピアノが見当たりません。2階に登る階段には「本日はレストラン定休日」。どうなってるの?

2階にある事務所を訪ねてみました。「こちらにストリートピアノがあると聞いたのですが、どこにあるのでしょうか?」「レストランの奥にありますよ。でも定休日なんです」「演奏したいんですがいいでしょうか?」

事務所のおばちゃんも珍客に戸惑っていましたが、電話をかけて何やら話をしています。「定休日なのでクーラーがついていないんですけど、それでもよければ案内します」 交渉成立でした。

無人のレストランの中に入ると、最奥にアップライトピアノがありました。黒光りしています。事務所のおばちゃんは私を案内すると帰っていきました。100席はあろうかというこのレストランに私一人。館内の有線放送が流れているだけで物音ひとつありません。私はピアノの蓋をあけて、「戦場のメリークリスマス」を弾きました。

たまたま定休日だから逆によかったかもしれません。「ストリート」ピアノといいながら、これではレストランのピアノです。ここで演奏するのはちょっと抵抗があるでしょう。特に食事中のお客さんにとってはピアノを弾く姿を見てなんて思うか。しかも有線放送のJ-POPと被(かぶ)っていますからね。

鹿児島中央駅発着でおよそ9時間の小旅行でした。話をしたのは観光協会のおばちゃんとだけ。これだけ人と会わない、語らない旅もめずらしい。列車内も見知らぬ人と話をするような雰囲気ではありませんでした。ピアノ演奏も何度もミスしちゃったし。でもたまにはこういう旅もいいかもと思い直しました。

ちなみに昼食をとった南薩地場センターはひどかった。港町にある食堂なのに、メニューはとんかつなどの揚げ物ばかり。魚料理はお刺身定食と腹皮三昧定食の2つだけ。おすすめの腹皮三昧定食を選びましたが味はいまいちで880円。接客は無愛想というか気遣いなし。先客の茶碗などはテーブルに放置したまま。お魚センターで昼食をとるつもりだったので詳しく調べてなかったのが大失敗。食事は旅行の最大の楽しみですから、もっと調べとくんでしたね。

物語始まっている途中下車前途無効の切符を持って(俵万智)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34235177

指宿枕崎線の旅 ストリートピアノはどこにある?を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿